SWOT分析がどうしても浅くなる理由

以前、のブログで、

「間違ったSWOT分析」

「このSWOT分析がダメな理由」

をご紹介しました。

しかし、実際には「浅いSWOT分析」で無理くり、経営計画書を作成しようとするケースは多いようです。

誤解を恐れずいうなら、専門ではない金融機関や会計事務所職員が「浅いSWOT分析」をするのは、ある程度理解できます。問題なのは、プロのコンサルタントが、「なに、それ?」と思いたくなる「SWOT分析」を、平然としている事に、あきれと怒りを覚えるのです。

SWOT分析が浅くなる理由①「相手が言った言葉をそのまま文字化」

SWOT分析でいくつかのヒントや質問をしながら、議論を進めていきますが、基本的に相手(中小企業の経営者や役員幹部)の意見をそのまま記述している事です。しかも、その意見はSWOT分析するまでもない、日ごろからの意見です。考えてみれば、経営がおかしくなった経営者の戦略をそのまま記述して、果たしてSWOT分析をした得た「新戦略」と言えるのか?です。

経営者が相当考えた新戦略ならまだしも、対して、深堀した質問やヒントも与えず、相手が言った言葉をそのまま記述しても、ちぐはぐさは解消されません。

 SWOT分析が浅くなる理由②「検討時間があまりに少ない」

「このSWOT分析とクロス分析にどれくらい時間を取りましたか?」と多くの認定支援機関の会計事務所職員に聞いています。すると「2時間とか、多くて4時間」と言います。そこで、私が「え!たったそれだけ?」と聞くと、「そんなに時間が取れませんよ。」と普通に返してきます。

たぶん、私が2時間でSWOT分析とクロス分析まで行えと言われたら、かなり絞り込んだ内容にしますが、あまりいいものはできないでしょう。最低、〇時間必要という決まりはありません。ただ、2時間位の検討なら、複数回行わないと、SWOT分析はおろか、クロス分析で固有名詞の積極戦略や致命傷回避縮小撤退戦略は、なかなか整理できないでしょう。

しかし、中には「いや、3時間で全部できましたよ」と自信の表情で言った会計事務所職員もいました。

中身を見ると、

「ありきたりの内容」

「業界の常識論」

「先方が言った言葉の丸写し」

「固有名詞が少ない、抽象的な表記」

でした。やはり、ある程度深く議論して、SWOT分析から固有戦略を導き出すなら、もっと時間は必要でしょう。

 SWOT分析が浅くなる理由③「クロス分析までいかない」

SWOTとは外部環境の「機会」「脅威」と、内部要因の「強み」と「弱み」です。多くのSWOT分析は、そこまでで時間を使い切ってしまい、一番大事なクロス分析で「積極戦略」「致命傷回避撤退縮小戦略」「改善戦略」に至っていない訳です。クロス分析があるから、SWOT分析なんですが、一番肝心要のクロス分析の内容が乏しいのは、効果は半減です。最低でも「積極戦略」だけでもじっくりやってほしいと思います。

SWOT分析が浅くなる理由④「機会と強みが具体的でない」

浅いSWOT分析に共通している表現を見ると、「なんで、そんな抽象的な表現で箇条書きにしたのか?」「クロス分析で固有名詞を出す事を意識した機会、強みの具体的な表現になっていない」ですね。

「この具体的に・・」という意味がなかなか、コンサルタントや会計事務所職員に伝わっていない訳です。だから、そういう人が行うSWOT分析で、クライアントの経営者や役員幹部に「具体的に・・・」と言ってもイメージが沸かないですね。

固有名詞と言っているのに、普通名詞で表現したり、行動内容が見えない表現で書いたり・・・と。

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