2025.3.19 生成AIへのチェーンプロンプトで「SWOT分析から新規事業創出案と中期計画」までが一気に生成
今、多くの中小企業では既存事業での限界を感じて、より成長性のある新規分野を模索しています。
しかし、むやみやたらに新規事業に挑戦するのはリスクと「虎の子」のおカネの消失につながり、慎重に吟味する必要があります。
これまでは弊社が行う「新規事業の為のクロスSWOT分析」もいろいろなシチュエーションで実施してきました。
ところが、SWOT分析で捻出した新規事業案は、どうしても意識や常識の範囲内の答えしか出てきません。
もっと、実際の強み資源を多面的に分析し、ニッチニーズ・ニッチ市場も深堀分析した新しいアイデアが欲しい場合もあります。
そんな時生成AIはほんとうに便利です。
最近もある企業で「SWOT分析⇒積極戦略(KSF)⇒新規事業案⇒中期計画」の作成を生成AIを使って、2時間程度で作成しました。
どんなものなのか、少し見てみましょう。
1,チェーンプロンプトで仕上げるのがコツ
この手の生成物はチェーンプロンプトで学習データをAIに理解させながら行う方が効果的です。
だから、一度に何でもぶち込んだ総合プロンプトはしません。
段階的に適切な前提条件、注意ポイント、事例、書き方を指示して生成させていきます。
この「新規事業+中期計画」も次項に述べる段階的なプロンプトで仕上げていきます。
2,第1プロンプト 企業のプロファイルはより具体的に
AIに企業の実態を把握してもらう必要があります。
ここでは事実情報として下記の情報整理をした上で、AIに読み込ませます。
●業種、
●主な取扱商品
●市場や顧客属性
●主な顧客
●業界での位置づけ
●競合環境
●売上、粗利
●社員数
●ビジネスモデル
こういうものを「事実情報」として具体的に整理します。
3,第2プロンプト 「強み分析」
第1プロンプトで事実としての企業プロファイルを受けて、具体的な自社の「強み」を整理します。
「強み分析」は下記の内容を固有の表現で整理します。
●「顧客資源」…持っている顧客やその属性、良い顧客が生まれた背景的な事実等
●「商材資源」…商品の優位性、持っている仕入先口座、サービスの優位性の具体的な事実
●「技術資源」…特定の社員が持っている技術、特定の顧客から評価が高い技術等の具体的な事実
●「組織機能資源」…社内の組織や機能、顧客にとって都合がいい機能等の具体的な事実
これらをしっかり書いて、再度読み込ませます。
4,第3プロンプト 「機会分析と制約条件」
「企業プロファイル」「強み分析」を読み込ませた後、その情報を参考に「機会分析」の指示を出します。
「機会分析」の前に、「制約条件」をここで列記します。
「制約条件」とは、自社の「弱み」になる事実です。
ここで「弱み」もAIに学習させないと、「機会分析」以降の「積極戦略」に理想的な対策ばかりがでてしまう危険性があるからです。
「制約条件」は「製造上の制約条件」と「販売上の制約条件」に分けて、具体的な事実を書きます。
その後「機会分析」となり、それは下記のことの「事実情報」を書きだします。
●Bランク、Cランク客の二ーズ"" とは主要顧客ではない取引の少ない顧客や購買頻度の少ない顧客のニーズ
●予期せぬ成功・新たな可能性"" とはまさかそんな使い方をしているとはと驚きのニーズ。そういうアイデアを顧客が持っているとはと想定していなかったニーズ
●既存客・新規見込み客が使う上でいら立っていること(困りごと)"" とはなぜそこまで時間がかかるのか、なぜそんなに高いのかの不満は何?どこも対応してくれないから仕方なく顧客が諦めている事でニーズになるもの
●そこまで要求しないから、もっと低価格のニーズ"" とは必要な機能スペックはここだけで他はいらないと顧客が思っていること
●おカネを払うから、もっとここまでしてほしいニーズ(高価格帯需要)"" とは顧客が困っていることに適応するなら高くても買う理由、こんな顧客ならこんな高スペックや高品質の商品を買うだろうという予測
●他社がやっている企画・商品で真似したい事"" とは他社が既に実施している事でも二番煎じでもいけそうな商品とターゲット顧客にニーズ
●経営者がどうしても取り組みたい商材のターゲット先とそのニーズ””とは「強み分析」で出た、まだ「強み」とは言えないが、経営者がどうしても取り組みたい商材の潜在的、顕在的ニーズを指す
これらの項目は弊社の「クロスSWOT分析機会分析ヒアリングノウハウ」として、公開しているものです。
この設問からどう具体的な事実を引き出すかで、その後の「積極戦略」が変わることは言うまでもありません。
5,第4プロンプト 「積極戦略」
これまでの情報を連鎖総合して、「積極戦略」を導きます。
実は積極戦略のプロンプトでは新たに事実情報を書くことはありません。
「積極戦略」が具体的に捻出されるような設計図ができているので、その設計図をコピペして、AIに入力するだけで、求める「積極戦略」が生成されます。
アウトプットされる「積極戦略」は
●商材名
● ターゲット・顧客・販売チャネル
● そのターゲットが買いたいと思う理由
●そのターゲットが求める具体的なサービス、付加価値名
●その商材を販売する為のマーケティング対策や販促対策
●この商材の単価帯・販売価格
●その商材を1個製造販売するのにかかると予想される原価と必要経
● 絶対必須の準備や仕掛け、プロセス
です。これらの意味合いも前提条件に入れ込んでいます。
これらが表形式でアウトプットされるのです。
6,第5プロンプト 「新規事業案」
その「積極戦略」を受けて、新規事業案につながる指示文を出します。
これも既にある設計図をコピペして入力するだけになります。
新規事業案には、
●ビジネス名
●プロダクトする商品・サービス名
● {強み分析結果}で活かすもの
●{機会分析結果}で使ったニッチ市場名
●その市場の成長性や可能性
●この商材の単価帯・販売価格
●新規事業を軌道に乗せる為に社内組織の改革や組織対策
●2026年の売上予測
● 2027年の売上予測
●2028年の売上予測
これらの具体的な設計文をそのまま入力して生成させます。
7,第6プロンプト 「中期計画ビジョン」
そして、今までの情報を連鎖総合して、蓄積された情報を基に「中期計画ビジョン」生成させます。
ここでは「新規事業も含んだ中期計画」を求めるので、数値計画の入力作業が必要です。
特に、「見えない数字」をある程度想像して記入します。
ここでは下記の数字を想像します。
●新規事業の売上だけでなく、既存事業・既存商材の売上
●既存事業と新規事業それぞれの粗利や粗利率
●新規事業導入や既存ビジネス成長のた為の経費増や設備投資に償却費増
●賃上げ、増員に伴う人件費増のヨミ
●その他固定費増減のヨミ
これらを2026年、2027年、20208年にそれぞれ前年対比の%を入れておけば、AIが計算してくれます。
その後は設計図通りになります。
そのプロンプト設計図を具体的には出せませんが、この中期ビジョンのカテゴリーとカテゴリー別の説明があるから、中期ビジョンがより具体的に、詳細に出てくるのです。
今回の「SWOT分析から新規事業創出案と中期計画までのチェーンプロンプト」は実際にある企業で取り組み、社長から「これは面白い、いろいろなパターンにして新規事業案を幹部研修で出させましょう」と言われたものです。
またこのチェーンプロンプトは、4月から始まるある会計事務所での「生成AI継栄塾」の第1回目で、経営者に説明した後、実際に入力してもらうものです。
こうしてノートパソコンを経営者に持参してもらい、その場でプロンプトに入力、そして自ら生成AIで生成させることで、多くの経営者は驚き、そして具体的な新規事業へのアクションが始まるでしょう。
そしてこの生成AIが出した「SWOT分析から新規事業創出案と中期計画」を調整加工編集して、金融機関へ融資の事業計画書として出すことも可能になります。
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