コロナ借換保証の必須の経営行動計画書をどう作るか?
SWOT分析、KPI監査、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。
1月10日から「コロナ融資借換保証制度」が動き出しました。
2023年の7月から本格化する「ゼロゼロ融資」の据え置き期間終了に伴い、返済が本格化する中、返済資金の目途が立たない企業への救済措置です。
やっぱり国は中小企業のバタバタ倒産を避けたく、延命措置の救済を始めました。
ただこの借換制度はいくつかの条件が付いています。
この延命措置を受けるには金融機関の伴走支援が必須で、しかも「経営行動計画書」の提出が求められています。
問題はこの「経営行動計画書」の内容が認められるかどうかです。
フレームも決まっているのでそれに沿って埋めていけばいいのですが、実際の
「具体的経営改革」
「商材の取捨選択」
「ビジネスモデルの変換」
「多角化」
などの明確な「根拠ある経営戦略」がないと、厳しいかもしれません。
何故なら今回の借り換え保証は、「ゼロゼロ融資」でジャブジャブおカネを出した国の責任に対してのフォロー策です。
だから、この借換保証の「経営行動計画書」は、中身がなかったり、根拠が曖昧な計画では認めるわけにはいかないでしょう。
そこで、「経営行動計画書」はどのように作成すべきか?
1,SWOT分析で「強み」の商材化を図る
基本的にビジネスモデルを改革し、収益化していくには「今ある強み」を更にエッジを利かせて、「強み」を更に強くすることで今まで以上のUSP(独自のウリ)をビジネス化するしかありません。
経験や知見、リソースがない新分野で収益化を図るといっても、そんなのは絵に描いた餅。
「強み分析」を徹底的に深堀し、これまであまり重要視してなかった「小さな強み箇所」とそれをニーズとしている顧客ターゲットを整理します。
「強み」は総論的に分析してもダメ。
しかも顕在的で誰でも分かるような「強み」は既にあまり「強み」ではありません。
むしろ、潜在的で隠れた強みこそ、新たな可能性がある「強み」です。
それを引き出すのが「SWOT分析コンサルティング」です。
この「強み引き出しノウハウ」を持っている専門家から徹底的に深堀質問を受ける事で、これまで当たり前にように思っていた「強み」こそ、角度を変えて提案する事で、「新しい光の強み」が見いだせるのです。
それを新商材化する事で、収益改善を図ります。
もともとある「強み」だから少しくらいの工夫や努力は経営者もやってくれるはずです。
2,ビジネスモデル改革の具体策を計画化
今の仕事の延長戦上で収益改善ができるかどうか、厳しい眼で見られる事でしょう。
何せ、今でも収益が上がらず返済に窮しているのですから。
すると「強みを活かしたビジネスモデル改革の事業戦略」を経営行動計画書に記載する必要があります。
ただビジネスモデル改革と言っても何のことか、よく分からない方もいるでしょう。
弊社では「中小企業のビジネスモデル改革10ヒント」を提起しています。
詳しくは下記から
https://re-keiei.com/blog/swot/1694-10-4.html
この10のヒントに即して検討します。
すると、「戦術的な弥縫策」なのか、「ビジネスモデル改革が入った抜本対策」なのかが分かります。
3,ビジネスモデル改革での収支計画は当初減収減益
このビジネスモデル改革を入れた「経営行動計画書」では即売上粗利が上がるようなことはありません。
むしろ、取り組み始めた当初1年、2年は減収減益や減収赤字拡大なども普通に予想されます。
しかし、3年目か黒字転換で5年目には返済が普通にできるキャッシュフローを出すような計画です。
幸い借換保証にも返済の据え置き期間があるので。そこでしっかり「仕掛けをためこむ」必要があります。
「今の仕事で普通に売上を上げながら、新規商材も売上を上げる。しかもコロナ不況で不景気風が吹いているのに」
そんなスーパーマンみたいな事は不可能です。
もしできるのであれば、コロナ融資の返済の借換保証なんて必要ないはず。
ムリを言わない事です。
4,ロードマップはプロセス重視で
ここで大事な事は「強みを活かした新規商材や新戦略」を実行するためのロードマップ(工程表)作成です。
このロードマップが抽象的で中身が薄いと、ほぼ確実に実行されません。
荒唐無稽と思われる新戦略ほど、緻密な行動プロセスが求められます。
このロードマップの行動プロセスを詳細にしていくために思考法が、特性要因図、ロジックツリー、マインドマップ、マンダラート、ガントチャートです。
このフレームを深堀しながら活用する事で、行動プロセスをどんどん詳細化していきます。
特性要員図とは
ロジックツリーとは
マインドマップとは
マンダラートとは
ガントチャートとは
5,5か年収支の根拠をKPIとアクションプランからはじき出す
5か年の売上・利益計画が実現可能かどうか、行動プロセスとKPIを見ればある程度推察できます。
「できもしない新商品開発」
「ありえない顧客開拓」
「論拠のない新チャネル」
「担当する社員もいないWeb・SNS・コンテンツ戦略」
収支計画や方向性、戦略を見ても、実際のリソースが今現在ないのに、どうやって保証協会や金融機関は信頼すればいいのでしょうか。
そこで明確な行動プロセスとそれにそったKPI(重要業績指標)の目標を立て、そのKPIが進捗する事がイメージできるようなアクションプランを作成する事が大事です。
正直な話、KPIの内容と行動プロセスのアクションプランさえ見れば、その経営計画が実現可能かどうか判断できるのです。
今回のコロナ融資の救済措置である「借換保証」は、中身のある「経営行動計画書」でないと簡単には認められないかもしれません。
認定支援機関の会計事務所もそのあたりをしっかり指導してほしいものです。
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