せっかくのSWOT分析指導が現場で上手くいかない「7つの理由」

SWOT分析、事業再構築、経営承継の可視化コンサルティングの嶋田です。

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SWOT分析の指導が上手な人とそうでない人がいます。

経験的には、「上手でない人」が圧倒的に多いのですが…

YouTube動画などで「SWOT分析の解説」を良く眼にしますが、ほとんどの動画を見ると「この人は理屈だけで実際にSWOT分析を現場指導した経験は少ない」ようです。

 

何故そう断定できるのか?

それは「コンサルティングでSWOT分析を実践活用し続けている」人には、共通点があるからです。

SWOT分析の理論だけでは、現場で上手に使いこなすことはできないし、仮にやったとしても「中身の薄いSWOT分析」を平気でし続けて、「自分ではSWOT分析をやっているつもり」の人が多いのが実情です。

私も自身で300事業所以上SWOT分析をしてきたし、私が検定などで指導したコンサルタントや会計事務所も「ちゃんとしたクロスSWOT分析」を展開しています。

しかし、無手勝流のSWOT分析がまだまだ氾濫し、経営者に誤解を与えているケースも大多数です。

そこで「SWOT分析上手のコツ」を今回はご紹介したいと思います。

1,4象限では終わらせない、必ずクロス分析を実施

4象限とは「機会」「脅威」「強み」「弱み」をそれぞれヒアリングしながら書くことです。

多くの方はをそれを「SWOT分析」だと思っています。

SWOT分析の醍醐味は「機会」×「強み」=「積極戦略」というクロス分析にあります。

「独自の小さい強み」を、今後の可能性ある「ニッチニーズ・ニッチ市場」にぶつけて、オリジナリティある経営戦略・営業戦略を立てることです。

このクロス分析がないSWOT分析でただ羅列して、いきなり独自の経営戦略を強引に出しても、理屈が通りません

単に4象限を出すだけのSWOT分析は「現状認識」に使うレベルのものです。

それだけでは効果があまりないことを断言します。

 

2,フレームだけ用意して、書かせるだけのSWOT分析

私が呆れたケースで多いのがSWOT分析フレームだけを経営者に渡し、「後はここに書いてください」と書かせるだけのSWOT分析です。

その内容についてもレビューもなく、アドバイスも薄く、そこからなにがしかの経営戦略の抽出がないのです。

カタチ上、「SWOT分析をやってみた」というていです。

会計事務所の指導でこういうものをかなり眼にしてきました。

「ちゃんと使わないなら、最初からSWOT分析なんてしない方がマシ」です。

 

3,そもそもSWOTの順番が違う

馬鹿の一つ覚えのようにSWOTだから「強み」「弱み」「機会」「脅威」の順番に指導する人がいます。

ちゃんと目的意識と落としどころを考えると、その順番では「出すべき答え」にたどり着かないことが分かります。

しかも限られた時間内で「目的」まで行かないとSWOT分析自体の意味がなくなります。

10年前にはSWOT⇒TOWSの順番がいいと言われていました。

「脅威」「機会」「弱み」「強み」です。

この根拠は「外部環境分析」を先にしないと、「内部要因分析」しても「どの分野に強みをぶつけるか見えない」という事でした。

実は現在でもこれは変わりません。

弊社のおススメは「機会」「強み」「脅威」「弱み」です。

そして、「機会」「強み」に時間をしっかりとり、「脅威」「弱み」はほどほどにすることにしています。

時間制限があるなら「機会」「強み」「積極戦略」のみの場合もあります。しかも「積極戦略」をしながら「機会」「強み」に戻ったり、循環したりと自由自在に書き込むのです。

何のためのSWOT分析かを考えると順番は自ずと決まってきます。

 

4,ヒントが多い、相手に考えさせる

ダメなSWOT分析の典型は、経営者は答えや意見を言わない時、コンサルタントや会計事務所が「〇〇したらいいんじゃないですか」「◇◇なんかどうです」

と、相手より先に自分の意見や答えを押し付けようとしている姿です。

SWOT分析は「相手(経営者)にヒントを与えて、相手の考えや意見を導き出し、相手が納得する戦略を立てる」事です。

SWOT分析技術で最も大事なことは「ヒント力」「質問力」「文字化力」です。

SWOT分析理論は誰でも知っている範囲でも構いません。

この「ヒント力」「質問力」「文字化力」のある、コンサルタントや会計事務所なら、かなり効果的なSWOT分析が可能です(これはSWOT分析に限らず、コンサルティング全般に言えることですが)

 

5,眼の前でSWOT分析をヒアリングしながらモニターに映す

私の技術を知っている人なら、この意味はすぐ分かるでしょう。

今、意見を言った事がそのまま眼の前の「モニター」やプロジェクターに文字が入り、それを見ながら再度意見や表現の修正を行う事です。

上手くいかないSWOT分析は、意見をいう人が書いている中身を見らずに発言し、それを勝手にコンサルタントや会計事務所が書いているイメージです。

何故、リアルな参加型にしないのか、不思議で仕方ありません。

その方が合理的だし、リアルな表現も書けるはずなんですが。

 

6,小さな固有名詞に拘る

ダメなSWOT分析はやはり、「機会」「強み」「積極戦略」全般が抽象的な言葉で支配されています。

いいSWOT分析は固有名詞や5W2Hに拘った表現が多い。

これが「自社内SWOT分析」(外部指導を使わず自社内で行う)だとかなり細かい自社用語、業界用語、商品用語などが書かれます。

しかし、コンサルタントや会計事務所が入った途端、抽象的な言葉が羅列されます。

それはコンサルタントや会計事務所が固有名詞を理解しようとしないからです。

自分の知らない業界固有に言葉も聞きながら、固有名詞に拘った文字をすると、どんどん深くなっていくのですが。

 

7,クロス分析の後、アクションプランのイメージが分かる

抽象的な表現の「機会」「強み」「積極戦略」だと、「今後、どう行動していくのか」「何から手を付けるのか」全く分かりません。

「積極戦略」の結果、「行動プロセス」が見える表現にこだわると、アクションプランが立てやすくなります。

行動してこそ、成果が上がる訳だから当たり前です。

 

「良いSWOT」と「ダメなSWOT」の指導者の違いを簡単に7つ紹介しました。

ご覧になって分かると思いますが、どこも難解な理論知識は入っていません。

要は「コーチング」「ファシリテーション」技術を使って「ヒント力」「質問力」「文字化力」を高めるだけです。

 

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