SWOT分析ができる銀行マンって格好いいよね
SWOT分析、事業再構築、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。
今回の事業再構築計画書でも多くの金融機関が関与しています。
補助金を採択されれば、その期間の短期融資もほぼ保全されたわけなので、設備投資系の「事業再構築補助金 事業計画書」に前のめりになるのは当然の事でしょう。
但し、金融機関が指導して書く事業計画書も専門の方が書くならいざ知らず、普通の渉外担当者が見様見真似で書いてもなかなか難しいでしょう。
事業性評価の定性分析に慣れた担当者は比較的書けるがそうでない担当者からすると、ローカルベンチマークのシートに書くだけの問題でもない訳です。
1,クロスSWOT分析を使いこなすと、勝ち残る経営戦略が見える
クロスSWOT分析は「ニッチや小さな追い風の機会」と「少しでも使える物理的な経営資源などの強み」を掛け合わせて、同業他社とは異なる「独自の経営戦略」を導き出す事です。
今や最低限「クロスSWOT分析」の知識がなくては、融資先の経営戦略への介入やアドバイスは難しくなるでしょう。
逆に「クロスSWOT分析」が強い金融機関は、融資先の経営戦略を一緒に創り込める可能性があり、新たな融資案件の創造にもつながります。
「経営戦略に強い金融機関」は今後の基準となりそうです。
しかも、クロスSWOT分析は上から目線で教えるメソッドではなく、ヒアリング・質問をしながら「聞き出すメソッド」です。
我々はこれを「SWOT分析コーチングメソッド」と呼んでいます。
同名のこの本には16社の具体的なクロスSWOT分析事例も掲載。
2,クロスSWOT分析から「根拠ある経営計画書」の書き方を指導
融資の際必要な経営計画書。
融資稟議を書く際にも、経営計画書の中身が実現可能か、収支計画は妥当かなどの「根拠」が重要です。
この根拠も「強み」「弱み」「機会」「脅威」からその掛け算である「積極戦略」「致命傷回避撤退縮小戦略」「改善戦略」「差別化戦略」など、明確な具体性が必要です。
「根拠ある経営計画書」を作成するには、クロスSWOT分析が一番手っ取り早いメソッドです。
「根拠ある経営計画書」の作成ステップは
ここまで綿密にしなくても、クロスSWOT分析を使った根拠ある経営計画書は必要となります。
この内容を詳細に解説したのが、2020年3月に出版した拙著「SWOT分析を活用した根拠ある経営計画書 事例集」です。
3,融資先のコンサルティング機能の第1ステップは「設備投資融資」成功の根拠を一緒に創り出す事
融資先が設備投資や戦略投資を考えて、融資を依頼してきます。
財務基盤が強い融資先なら詳細は置いておいても前向きに話を進めるでしょう。
しかし、既に借入が多く、事業収支も厳しい企業が起死回生を狙って戦略投資を考えているとしたら、どこまで前向きに考えるでしょうか?
恐らく「本当に収益が改善できるのか」「融資の回収は大丈夫か」などリスク保全を先に考えるのが従来の金融機関です。
「戦略的設備投資」により収支改善が実現可能になるように、クロスSWOT分析を使い、一緒になって内容を徹底吟味し、「設備投資が成功する為のマーケティング戦略」ができるなら、後ろ向きな話も前向きに変わる事でしょう。
「そんな無謀な設備投資はダメ」
「根拠がない経営戦略はダメ」
「収益を改善したら新たな戦略投資を考えよう」
こういう事は誰でもいえる事です。
最終融資判断がどうなるかは別としても、その途中まで「クロスSWOT分析」を使って一緒に考える事に大きな意味があると思います。
こういう金融機関や担当者の姿勢は、必ず経営者は評価するし、その後の関係性が良くなります。
4,他行と競合した時こそ、クロスSWOT分析で差別化
しかし実態は困っている中小企業を助ける為の「クロスSWOT分析」というよりは、点数の良い融資先や新規先をいかに他行から奪うか、そんなことに結構血道をあげている事も多いようです。
それが評価になるなら、当然でしょうけど。
その時もこの低金利の時代に更に低金利の条件を出しも、あまり意味がありません。
それより、サービスの一環で「クロスSWOT分析」を一緒に行い、「経営戦略を共有」する作業を行った方が他行よりアドバンテージがでる時代です。
「コンサルティングサービスが必要」と頭では分かっていますが、実際にどこまで具体化しているのでしょうか?
各行員は多くの担当顧客を持ち、そんな時間がないというのがこれまでの定説です。
そしてそういうコンサルティングサービスは行内のコンサルティング部門に投げて、渉外担当は知らんふり。
これでは全体的なレベルアップは望めません。
私がいろいろな金融機関担当者と触れ合って思う事は、従来の資格取得(銀行業務検定、FPなど)だけでなく、普遍的な資格も取るべきでしょう。
さりとて、中小企業診断士や宅建などの高度な資格は誰でも取れる訳ではありません(因みに診断士をとってもSWOT分析ができる訳ではない)
全行員共通にミニコンサルティングツールとして「クロスSWOT分析」ノウハウをぜひとも習得してのもらいたいものです。
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