後継者の「強み」の発見テスト

よく、

「強みに絞ったことをヤレ」

「強みを更に伸ばせ」

「強みが自信の源泉だ」

と言われます。

でも、実際には後継者と言っても、普通のビジネスパーソンです。

「私の強みって、先生なんでしょう」

「強みって言われるけど、それが分からないんです」

「私には、人に自慢できる強みなんてありません」

と、こんな答えが多く返ってきます。

そうなんです。皆、そんなに分かりやすい強みを持っている人は、少数派なんです。多くの後継者は「自分の強みが分からず、模索しながら経営をしている」んですね。そこで、強みを発見する為の分析手法というか、チェックリストを15カ条 私たちは作成しています。それを一つずつ紐解きましょう。それに丁寧に答えて、整理すると、強みを発見できるでしょう。

1.直観的な思考が得意か、論理的な思考が得意か

思考方法の傾向により、得意な分野が変わってきます。直感型ならアイデアや工夫が求められる「営業企画」や「商品開発」、論理型なら、経営のどこでも機能できます。論理型は理屈っぽいとか言われますが、そうではなく「根拠重視型」なので、これから求められる能力です。

2. 営業・開発・製造・設計・管理などで、自分に向いていると思われる機能は何か(他人からも言われても自分ではそう思わない場合は削除)

経営の要素別に、自分の性格や思考から判断する。「最初から製造畑だったので・・・」という事で、得意分野を判断してはいけない。だったら、他の職務も経験して「フィーリングがあう部門」が強みの部門である。

3 .過去の業務経験から「時間を忘れて没頭できる業務・作業」は何か

これは何でも良いです。昔プラモデル作りに没頭することが好きなら、設計や企画、開発、工夫といったものが性に合っているかもしれません。

4 .昔から友人や知り合い、現在の関係者から言われた、あなたへの褒め言葉は何か

他人はよく見ているものです。自分では思っていなくても、多くの人間から言われることなら、ほぼ正しいと認めたらいいでしょう。

5 .今の企業の中で好きな商品、好きな顧客は何か(何故、好きなのか)、その理由が強み

ただ「商品が好き、あの顧客が好き」ではなく、何故「好きなのか」、その理由が自分の「強み」の傾向に大きな判断を提供してくれます。

6 .この分野・この商品だったら、自分が責任者になって開発・製造から販売までプロジェクトマネジメントしたいものは何か

これは5.とも関係しますが、人任せにせず、自分だったらこうやって、こう成果を出し、没頭するけどなあ・・という分野です。

7. 顧客に説得力がある話ができる自身の経験や知識・ノウハウは何か

説得力があり、他人を納得させられるという事は、根拠や思いの強さがハッキリしているからです。それはそのまま「強み」に転換できます。

8 .様々なタイプの顧客の中で、自身が一番得意な顧客層や顧客属性は何か(こんな顧客なら提案もしたいし、自社の優位性を伝えられる)

これも5.の関連です。やはり「苦手な客」と「得意な客」がいます。この属性を決める訳です。くれぐれも「お客様の性格や人格で好き嫌い」を言わないように。それを言ったら、分析できないので。

9 .社内や同業他社も見て、この分野においては、自分がトップレベルと思っている事は何か

後継者は何であれ、社内で「この分野は若社長には誰もかなわないもんな・・」と言われるものがないと、精神状態は不安定になります。だから、そのジャンルを徹底して学習し成果を出す事です。

10 .自社の今の経営資源(ヒト・モノ・カネ・カンリ)や歴史的に培ってきた要素の中で、理屈抜きに好きな要素、これからも大事にしたい事は何か

過去は財産です。過去の積み上げの中で、自分が好きな出来事やモノ、ヒトがいるはずです。その理由は理屈抜きであれ、何故好きなのか考えれば、論拠はあります。その社内の歴史的な事で好きな事を強みにもっていきます。

11 .「この分野なら自分でマニュアルをつくれる」と自負している実務作業や職務能力は何か

これは9.との関連です。本当に好きで、自信がある項目なら、それをアウトプットできるはずです。そのアウトプットが他の社員に役に立つはずです。それが文書のマニュアルなのか、動画のマニュアルなのか。

12. 社内の業務改善で得意な分野は何か

社内を見渡してみて、好きなカイゼン項目は何かを決めて、それから強みを展開します。例えば、「作業時間短縮の時間分析」が好きなら、それを強みにしてもいいし、片づけが得意なら4S(整理整頓清潔清掃)活動を強みにしても良いですね。

13. 社内の誰もが反対しても、これだけは絶対やりたいと思っているビジネス(商品開発や事業開発等)は何か

これは、思いの強さです。但し、根拠ある思いの強さです。論拠がなければ、ただの思い込みとして、反対する他人を説得できません。

14 .最近の新たな市場の変化から、このマーケット(ニッチ)なら、自社に可能性がありそうな分野はどこか

これはSWOT分析の「機会分析」で議論するテーマです。特定市場だけに絞った場合、どんな自社の優位性があるかを議論します。

15. 自分の子どもに継がせようとしたら、どの分野を強化したいか

率直に自分の子どもに継がせるなら、「勝ち戦」の状態やその仕掛けをしたうえで、承継したい筈です。だったら、どこに重点的に戦略投資をして、勝てる状況を作るかです。これを自分の強みとリンクして考えたいですね。

このように、いろいろな角度で、後継者自身の「強み」を掘り下げていきましょう。

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