経営承継は「見える化」しないと、同族経営の承継はうまくいかない
SWOT分析、事業再構築、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。
コロナになって、経営承継や実質的なバトンタッチを急ぐ経営者が増えているようです。
一気に業績が悪化した企業では、株価が下がった今こそ「相続」「贈与」を進めている場合もあります。
また、コロナで経営者の健康問題が表面化し、後継者へ譲るかM&Aをするか、最悪廃業も視野に入れて検討することもあるようです。
経営承継をする場合は、一般には株対策や財産相続承継、相続税だけに眼がいきがちです。
しかし、一番大事なことはおカネ以外の「非財産相続承継」にあると言えます。
これまで、30社超の「10年以上の経営承継顧問」をしてきて思うことは、
「経営承継は見える化して、事前に経営者、後継者が納得するスケジュールやルール決めが必要」
ということです。
1,経営者の心配、後継者の不安
経営承継の時期に来ていることは、多くの経営者は分かっています。
何とか株の問題や相続税の対策を打ったとしても、心配事は多々あります。
⑴後継者が社長になって経営が上手くいくか
⑵コロナや戦争、インフレなどの複雑になる一方の経営環境で、今後どんな経営戦略が必要か
⑶今までの自分についてきた幹部や社員は、後継者についてくるだろうか、組織が混乱しないだろうか
などなど。
また後継者も不安だらけです。
⑴現社長は、自分にどこまで任せてくれるのか、口出しが多くてやりにくい事はないか
⑵自分の時代の幕閣は誰にすべきか、古参幹部はどう処遇すべきか
⑶今までのビジネスモデルは過去の産物、これからの独自性のある経営戦略はどうすべきか
これらの経営者・後継者の不安は、一緒にコミュニケーションを取り「文字化」していれば、かなりの部分軽減できます。
2,取り残される「経営承継後の会社のビジョン」
相続税や株対策は何とか目途をつけても、経営者・後継者の最大の不安である
「これからの経営戦略はどうすべきか。厳しい経営環境をどうやって切り抜けるか」
です。
しかし、多くの会計事務所や事業承継コンサルタントはこの部分が希薄です。
経営者は未来を考える生き物です。
⑴経営承継前後から、10年程度の未来について、自社をどう導くのか?
⑵これまで貢献してくれた商材・顧客に代わって、どんな商材や顧客が貢献するのか?
⑶仮に不景気になるなら、低収益に沿った適切な固定費構造や組織はどうすべきか?
⑷自社が今後も差別化して生き残るには、どんなUSP(独自のウリ)を今から構築すべきか?
⑸今後の事業ドメインはどこで、それをどうやって導き出せばいいのか?
これらの疑問に答えるには、今の「強み」を深堀し、それを拡大したビジネスモデルが必要です。
弊社が主導している「中小企業のクロスSWOT分析」による「積極戦略」や「致命傷回避撤退縮小戦略」がまさにそれ。
最低でも5年後の経営戦略を、経営者・後継者と「クロスSWOT分析」をすることで捻出します。
この部分の「経営戦略ビジョン」がない事業承継は、片肺飛行と言えます。
3,組織の不安定化、間違った院政は職務権限移譲計画の欠如に現れる
経営者が後継者に社長を譲っても、実質的には「院政」がまかり通ることがあります。
その時、任せたはずの経営者(会長)はどんな心理でしょうか?
⑴後継者が心もとない
⑵当面の保証、対外信用が不安
⑶自分でなければできない仕事が残っている
⑷「後継者は力不足」「前社長希望論」の声を、あちこちから聞く
⑸仕事を辞めたら、する事がない…仕事が生きがいだから
⑹この厳しい企業業績で辞めると会社が崩壊する。ある程度改善したら、その時に辞めるつもり
こんな心理が「厳然たる院政」を維持するのです。
そして、この「院政」が下記の悪い方向へ展開することは誰もが知っていること
- 後継者にいつまでも責任感が生まれず、会長への依存心が高い事
- 会長派と社長派という社内を二分する組織抗争に発展しがちな事
- 会長の介入が度を超すと、後継者が辞任し会社を離れ、会長が出戻りで経営者になる事
- 一族の争いにまで発展し兼ねない事
- 後継者と共に将来への希望を託した若手や有能な社員が離脱する事 等々
これらは、「職務権限移譲計画の文字化」をしっかりしていれば、ある程度防げたことです。
「職務権限移譲計画表」を経営者、後継者と一緒に「文字化」すると、不仲の間柄でもコミュニケーションが生まれ、組織を安定化させる方向に進んでいきます。
4,後継者時代の内閣は大丈夫か?
人材育成が上手くいっていない中小零細企業では、経営者の高齢化と共に幹部の高齢化も進み、事業承継はそのまま「技能承継」「職務承継」を意味します。
もし、現経営者が第一線を退いたら、古参幹部やベテラン社員まで相次いで退職又は継続雇用になるケースは枚挙に暇がありません。
段階的に人材育成をしてこなかったツケ
「後継者時代の右大臣、左大臣は誰ですか?」
こう尋ねると首を傾げる後継者は多いもの。
事業承継時期が決まったら、「NEXT幹部の育成」を至急行わなければなりません。
プロパーに該当者がいなければ、外部からの採用やヘッドハンティングも選択肢に。
また、優秀な顧問をつけて、若手幹部を育成するのも一つ。
取り敢えず、将来の大臣クラスは誰か、名前を上げ、5年後どんな仕事をさせるか位は「文字化」しておく必要があります。
5,後継者が大失敗をしない為に、価値観・判断基準の「見える化」こそ現経営者の仕事
今夏、鬼籍に入った稀代の名経営者、稲森和夫氏は有名な「京セラフィロソフィー」をつくり、その徹底を組織に植え付けました。
その結果が京セラグループの業績や、第2電電の存在、日航の再建に活かされたといいます。
現経営者は、自身の経営経験の中で、幾多の失敗とヒヤリハットを経験したことでしょう。
しかし、そんな貴重な経験を後継者に語る場がありません。
現経営者の苦労話を変な武勇伝と誤解し、聞きたがらない後継者もいます。
弊社では現経営者と後継者が一緒になって「過去の経営経験から学んだ、やってはならないこと、やらなければならないこと」をカテゴリー別に「文字化」していきます。
いわゆる「自社版京セラフィロソフィー」の詳細バージョンの作成です。
これを作成することで、後継者の知らない現経営者の思想、反省、後悔、そして致命傷の回避策などが赤裸々に分かってきます。
これ以上の「後継者教育」があるでしょうか。
耳学問では分からない「実学の承継」です。
だから、現経営者の経営承継の仕上げは「価値観教育」「経営判断基準づくり」にあると断言できるのです。
現在、2023年4月に「経営承継可視化事例集」の出版に向けて、4名のRE嶋田塾のマスターコースの方と鋭意研修中です。
経営承継の可視化コンサルティングは「質問力」「ヒント力」「文字化落とし込み力」が生命線です。
このマスターコースの4名には毎月、ロープレや、実際の経営者を招いて、私嶋田のリアル経営承継可視化コンサルティング現場を視察してもらっています。
経営承継可視化のエキスパートとして、活躍できることを期待しています。
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◆非財産相続承継が心配な経営者・後継者
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(RE嶋田塾の塾生は、ご自身と「承継前後の顧客」も一緒に視聴することで、「経営承継可視化コンサルティング」の動機付けができます。
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