嶋田利広ブログ

中小企業のコンサルティング

取締役会長はいつも新社長の経営を気にしている

事業承継後の取締役会長の課題や業務、そして人には言えない相談を長年経営承継顧問を実施してきた(株)RE経営の嶋田とマンツーマンで進める、それが「取締役会長へのメンター機能(会長の経営コンシェルジュ)会長社長の職務権限移譲の橋渡し経験から、丁寧に相談に乗ります。

どんなにAIが進み、時代が変わっても「取締役会長が新社長や幹部に言いたい事、しかし言わずに我慢している事、でも見て見ぬふりができない事」など、毎日の出社の中で思うことが多々あるはず。

そういう思いを会長コンサルタントは共有し、新社長への橋渡しを行います。更に新社長の想いや会長への要望もしっかり伝え、意思疎通の補助役をします。

 

1,後継者の経営姿勢の問題

現場軽視の傾向: 会長自身は現場を重視し、長年現場で培ってきた経験と勘を経営に活かしてきました。しかし、新社長は大学卒業後、他社で営業職を経験し、現場経験が乏しい。そのため、現場の意見を軽視し、机上の空論で経営判断を行う傾向が見られ、会長は危機感を抱いています。

⑵トップダウン型経営: 会長はワンマン経営者でしたが、それは長年の経験と実績に基づいたものでした。しかし、新社長は経験も実績もないにもかかわらず、トップダウンで指示を出すことが多く、社員のモチベーション低下に繋がっていると感じています。

⑶短期的な視点: 新社長は、短期的な利益を追求することに重点を置き、長期的視点に立った経営戦略を描けていないように見えます。会長は、目先の利益にとらわれず、会社を永続的に発展させるためのビジョンを持つべきだと考えています。

⑷顧客軽視: 新社長は、新規顧客の獲得に注力するあまり、既存顧客との関係維持を軽視しているように見えます。長年、会長が築き上げてきた顧客との信頼関係が損なわれることを危惧しています。

⑸変化への抵抗: 新社長は、現状維持を優先し、新しい技術やビジネスモデルの導入に消極的です。時代の変化に対応していくためには、積極的に変化を受け入れる必要があると考えています

2,技能伝承の問題

⑴熟練工の技術継承: 会社の核となる熟練工の高齢化が進み、彼らの持つ技術やノウハウを若い世代に継承することが急務となっています。しかし、新社長は人材育成に十分な投資をしておらず、技能伝承が滞っていることを危惧しています。

⑵OJTの不足: 新入社員や若手社員に対するOJTが不足しており、現場で必要な技能や知識を習得する機会が限られています。会長は、OJTを通して、熟練工の技術を伝承し、人材育成を強化する必要があると考えています。

⑶マニュアル化の遅れ: 現場の作業は、熟練工の経験と勘に頼るところが大きく、標準化やマニュアル化が進んでいません。そのため、担当者が変わると品質や効率が低下するリスクがあり、会長は早急なマニュアル整備の必要性を感じています。

⑷人材育成の意識: 新社長は、人材育成の重要性を認識しておらず、教育や研修に費用をかけることを無駄だと考えているようです。会長は、人材こそが会社の財産であり、人材育成に投資することは、将来への投資だと考えています。

⑸技術の外部流出: 熟練工が退職する際に、長年培ってきた技術やノウハウが社外に流出してしまう可能性があります。会長は、会社の競争力を維持するためにも、技術の流出を防ぐ対策を講じる必要があると考えています。

 

資金繰りの問題

⑴設備投資の判断: 新社長は、最新の設備投資に積極的ですが、会長は投資の必要性や回収の見込みについて疑問を抱いています。資金繰りを圧迫するような過剰な投資は避けるべきだと考えています。

⑵過剰な人件費: 新社長は、人材採用に積極的ですが、会長は現状の事業規模に見合った人員数なのか疑問に思っています。人件費の増加は、会社の収益を圧迫する可能性があり、慎重な判断が必要だと考えています。

⑶取引先との交渉: 長年、会長が築き上げてきた取引先との関係が悪化することを懸念しています。新社長は、価格交渉に強く、短期的な利益を重視する傾向があり、取引先との良好な関係を維持できるか不安を感じています。

⑷無駄な経費: 会長は、新社長が無駄な経費を使っていると感じています。例えば、必要以上の接待費や交際費、高額なオフィス家具などです。会長は、経費削減を徹底し、無駄をなくす必要があると考えています。

⑸内部統制の不備: 会社の資金管理体制が甘く、不正が行われてしまうリスクがあります。会長は、内部統制を強化し、会社の資産を守る必要があると考えています。

 

将来の経営戦略の問題

⑴新規事業への進出: 新社長は、新規事業への進出に意欲的ですが、会長は既存事業の強化を優先すべきだと考えています。新規事業はリスクが高く、会社の経営基盤を揺るがす可能性もあるため、慎重な検討が必要だと考えています。

⑵海外展開: 新社長は、海外展開を視野に入れていますが、会長は国内市場の深耕を優先すべきだと考えています。海外展開は、言語や文化の違い、法律や商習慣の違いなど、克服すべき課題が多く、リスクも大きいと感じています。

⑶M&A: 新社長は、M&Aによる事業拡大を検討していますが、会長はM&Aは慎重に進めるべきだと考えています。M&Aは、企業文化や経営理念の違いなど、様々な問題が発生する可能性があり、十分な準備と検討が必要だと考えています。

⑷IT化への対応: 新社長は、IT化の重要性を認識しておらず、業務効率化や情報共有が遅れています。会長は、IT化を推進し、競争力を強化する必要があると考えています。

⑸市場分析の不足: 新社長は、市場調査や競合分析を十分に行っておらず、市場のニーズを捉えきれていないと感じています。

 

労務問題

⑴長時間労働: 現場の社員からは、長時間労働を強いられているという声が上がっています。会長は、社員の健康状態やモチベーションを維持するため、労働時間削減に取り組む必要があると考えています。

⑵賃金格差: 若手社員からは、賃金が低いという不満が出ています。会長は、社員のモチベーション向上と人材確保のため、賃金体系の見直しが必要だと考えています。

⑶ハラスメント: 新社長は、パワハラやセクハラに対する意識が低く、社員とのコミュニケーション不足から、ハラスメントが発生するリスクが高まっていると感じています。

⑷人材の流出: 優秀な人材が、新社長の経営方針に不満を抱き、会社を辞めてしまう可能性があります。会長は、人材の流出を防ぐために、働きがいのある職場環境を作る必要があると考えています。

⑸労働災害: 安全管理が徹底されておらず、労働災害が発生するリスクが高まっていると感じています。

 

会長は経営権を新社長に渡したと言っても、「新社長への監査機能」が必要です。更に新社長は会長の「会社の為」と言う真摯な意見をしっかり受け止めて、適切な判断をしなければなりません。

先ず取締役会長のいろいろな思いや意見を聴きだし、新社長へフィードバックする事も「取締役会長メンター機能」です。

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