リストラの決断ができない社長と決断できる後継者
① 先代が事業撤退縮小・リストラを決断できない理由
その地域で長年経営してきた現社長や先代社長が、思い切ったリストラを決断できない理由があります。瀬戸際での切羽詰まった状態なら、なりふり構わず「規模縮小」「事業撤退」「リストラ」の判断をするでしょうが、まだそこまではないと思った経営者は、とにかく遅疑逡巡するケースが多いのです。
実際に、どういう理由から「厳しい決断ができない」のでしょうか?
12の理由に集約してみました。
- 歴史的に長い事業の場合、自分の代で縮小撤退する恥
- 地域や業界の噂や評判、世間体への執着
- これまで投資してきた事が水泡に帰すことへの未練
- 「これから回収できるのでは」という淡い期待
- リストラを回避したい思い
- 社長以外意思決定できないのに、役員会で決めようとする責任回避
- 一気に売上ダウンする事への影響(資金繰り悪化、返済困難)
- 経営者の一からの出直しに対する覚悟不足
- リストラによる従業員の動揺、組織の混乱
- 一部の顧客からの「もっとがんばれ」と言う保証なき期待
- 一族の反抗
- リストラ後の成長戦略、利益確保戦略が不明
この理由は後継者であっても同じ思いがあります。しかし、一番の課題は、12番目の「リストラ後の成長戦略が不明」だからではないでしょうか。厳しい決断の後に、可能性のある未来があるなら、誰でも決断はできます。しかし、「今が厳しいからリストラをするが、その後も より厳しい」なら、誰だって遅疑逡巡するはずです。
② 後継者が行う事業撤退縮小、リストラはその後の理論的な裏付けが必要
後継者が「事業撤退・縮小等のリストラ」をするには、その後の青写真が必要です。実際に、経営改善計画や再生計画書を作成する時、ここが一番の課題です。当面のコスト削減や事業撤退縮小は計画できるし、何とか実行もできるでしょう。しかし、仮に金融機関から、返済猶予のお墨付きを貰っても、債務がカットされた訳ではありません。ただ支払いを猶予されただけです。
だから、猶予期間に「返済原資確保の為の収益戦略」を決めて実行しなければなりません。その裏付けこそ、「収益につながる『ニッチ市場やニッチカテゴリー』と自社の『強み』の掛け合わせ戦略」な訳です。後継者にしても、リストラ後の収益戦略にある程度目星がつけば、思い切って決断もできるし、その後のビジョンも描けると思います。
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