嶋田利広ブログ

中小企業のコンサルティング

経営計画書は、実は幹部研修?

経営環境は常に変化しています。 昨日まで安定業績を出していた企業が、予想だにしない出来事や事件、ライバルの参入で、大きく業績ダウンする例は枚挙に暇がないくらいたくさんあります。そんな時代だからこそ、『計画的経営』が必要です。「行き当たりばったり」「成り行き任せ」では、これまで何とか生き残った企業はラッキーだっただけですね。

 しかし、中小零細企業では、未だに『経営計画』を作成せず、出たとこ勝負で、何とかなると思っている経営者がいるものです。

 ある工事業を営む社長がいました。その会社は社員も20名位いたのですが、経営計画らしきものがなく、また社長は、その必要性がないと言う方針でした。その社長は数字に明るく、経営計画を作ろうと思えばできる方なのに、しないのです。

 知り合って間がない頃、私は社長に「何故、経営計画を作成しないのか」と尋ねてみたのです。すると、『読めない数字を格好良く作文するのはできますよ。しかし建設業の受注は蓋を開けてみないと分からないから、意味がないと思います。それに、正しい経営計画は、経営理念・ビジョンから戦略を考えて、単年度の計画を作成すると言う時間と労力が必要ですが、わが社にはそんなものないですよ。それだけではありません。当社には、経営計画を説明して理解するような社員はいません。現場しか知らない連中ばかりですから。』と言われました。

 中小零細企業の実態を表している、経営者の言葉です。現実はそうかもしれません。しかし、現場社員を束ねる管理者の育成、コスト意識と具体的な経費削減、今後の営業対策など、現場社員のレベルのいかんに関わらず、全員参加の経営を推進していかねばならない時代です。

 私はこう考えます。『経営計画を作成すると言う事は、効果的な管理者教育である』と。

 『経営計画』の作成については、いろいろな本がありますし、情報もネット等で公開されています。ここで 零細企業でも『経営計画』を間単に作成するノウハウを少しだけ紹介します。それは、売上、利益、原価、経費などの経営数値を一切書かず、

  • 将来、業界がどうなると予想されるか
  • 先々、生き残れる会社に必要な事(生き残り条件)は何か
  • その条件の中で、何とか努力すれば当社ができる事は何か
  • その当社ができる事を実行するには、今年どういう行動計画が必要か
  • 誰が、いつまでに、どんな準備をしながら、どうするか

を文書で整理する事です。これくらいのアバウトな物でも、幹部や社員と一緒に協議していけば、少しは教育になります。立派な経営計画が必ずしも、企業業績を上げるわけではありません。作成過程の情報共有、意志統一や、認識向上によって、小さい会社は、即組織風土が変わる事もあります。

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