作業標準と作業目標値で、海外実習生の生産性は上がる

私の製造業のクライアントも、ご多分に漏れず、人手不足から海外人材に依存しています。主にベトナムからの技能実習生です。来日する前に、日本語はある程度学習していますが、それでも早く日本語を覚える人と、そうでない人がいるようです。会社が用意したアパートに住んでいますが、日常生活で、自ら日本語を話す人と、その人に依存している人で、語学吸収のスピードが違うそうです。しかし、現場に配属されたら、それなりの業務をして貰わないといけません。そこで、そのクライアントと私が一緒に進めているコンサルティング内容を少しご紹介しましょう。

1、仕事場所にアイキャッチの「見える化」を随所に

ベトナムから来た実習生に分かるように、難しい日本語ではなく、絵や図で分かるようにしています。これは、この会社で私が10年にわたって、「カイゼン活動」を推進している為、社員から自発的に「見える化」の意見は上がっているから、比較的簡単に進みました。

しかも、一度「見える化」しても、彼らが少しでも理解できないなら「再カイゼン」を自ら繰り返し、ベトナム人全員が理解できるレベルまで落とし込んでいます。おかげで、ベトナム語の通訳を使わず、専門用語を理解し、日本人と変わらないレベルの仕事が、比較的短期間でできるようになりました。

2、作業標準は動画で事前学習

最初はOJTで、仕事風景を見せていますが、なかなか理解が進みません。個別の言われた作業はできますが、その仕事が全体のどういう位置づけか、どこに配慮すべきかが分からないないと、眼の前の仕事をただ処理するだけでは、効率も品質も連携も分からず、後から二度手間になる事もあります。また、現場では作業員が作業内容の事ばかり指導しているから、実習生たちはただ言われたまま作業をしているのです。

そこで、機械の取り扱いや危険行為、事故などの注意喚起の動画と、作業ごとの手順、その作業がどの工程のどの結果に影響するかまで、動画で作成し、それにベトナム語でテロップを入れます。そして、その動画はYouTubeの限定公開にアップし、各自のスマホから見られる状態にします。最初はベトナム語での作業手順書のマニュアルを作成しようと思いましたが、動画の方が彼らが分かりやすいという事で、この方法に変更しました。

3、作業目標値で、生産効率を自ら把握させる

各作業にかかる所要時間、時間当たりの作業個数、などを数値化し、大きく掲示しています。また機械ごとの貼りつけ、作業スピードを意識してもらいます。機械によってはマグネットタイマーを張り付けたり。作業手順が分かっても、自分の作業スピードの基準がないと、「良いのか悪いのか」分かりません。作業目標値も、実習生3か月間、6カ月間、1年修了時と目標を変えているので、彼らも自分の成長がわかる訳です。

工場内の外国人労働者の教育は、「見える化」に重点を置くことが、重要なようです。また、翌年も新たな海外人材が派遣される訳です。この「見える化」も少しずつレベルアップしていくことでしょう。これも「カイゼン活動」コンサルティングを長年しているから、自主的にできていると言えるのです。

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