患者・利用者から【ありがとう】の言葉が増えたカイゼン活動

「接遇品質のアップ」「看護・介護品質のレベルアップ」「患者・利用者満足度の向上」

どの病院・介護施設も似たような標語を掲げ、いろいろな取り組みをしています。で、実際に「○○の向上」と言う目標は、達成しつつあるのでしょうか?

総じて患者・利用者満足度は向上したのでしょうか?ちょっと逆説的に言うと、そういう標語を掲げ、経営陣や管理者が強く言っている事業所ほど、実は反対の事が起こっているのではないかと思うことがあります。反対の事とは、職員の離職や管理者のマネジメント不足で、むしろ品質の低下になっているのではないか、と言うことです。何故、そう思うのか?

実は「接遇品質向上」「看護・介護品質向上」「患者・利用者満足度の向上」と言うのは、「上から言われて取り組む事ではない」からです。むしろ、職員自身が自然に自ら感じて取り組む事で、上から指導されたから行うのとは違うのです。所詮、上からの指示でやっている事は長続きしないし、その内ぼろがでます。

 で、私がこれまで触れ合った介護事業所で

「職員の気配りが隅々まで徹底されている事業所」

「職員が自ら気づき、いろいろ工夫している事業所」 では、仰々しく「利用者満足度向上」なんて言っていません。

皆、粛々と

「今利用者はどんな不便があるのかな」

「もっと、利用者に負担がなくて、自分達職員も負担にならない方法ってないかな」

「ここに、これがあったらイチイチ、ステーションまで行かなくてもいいのに」

「なんか、この動きムダよね」

「事前にこうすれば、こんな我慢をしなくてもよいよね」 等と、

日々、日ごろから考え、行動しているようです。それも、イチイチ上司に確認し、決済を貰い、会議に掛けてなどのややこしいルールではなく、「気付いたらすぐ動く」、それも「経費も掛けず、無理もせず」にです。

自発的に行える組織風土かどうか

ここで大事なのは職員が自発的に行える組織風土かどうかです。どうも、この職員の自発性を発揮できてない組織は、いろいろな規制や過剰なルール、チーム間に自由さがなく、ギスギスしているようです。どうしても、組織規模が大きくなると、ある程度は仕方ないかも知れません。しかし、その結果、一番大事な「患者・利用者満足度向上」が良くならないとしたら、いったい誰の為の何の組織か、と言うことになります。すると、報われないと感じる職員は徐々にヤル気をなくし、転職の道を選んでいきます。

職員は厳しい日常労働の中で一瞬、心に潤いと、安堵感、ヤル気の源泉が出る瞬間があります。それは、患者・利用者から「ありがとう」と感謝された時です。それも、日ごろ何も言わないような患者・利用者から言われた感謝の言葉は、その日一日をハッピーにしてくれます。だから、職員が自発的に創意と工夫を出して、「費用も掛けず、現状の人員で、少しでも楽になり、そして人から喜ばれる」事が出来る事業所は「良い事業所」と言えるのです。

なのに、まだまだ病院・介護施設でのカイゼン活動を本格的に取り組んでいる事業所はそう多くありません。「カイゼン活動」は、まさにそういう自発的組織を作る重要な手法であるにも関わらず、です。正直、経営陣や管理者の勉強不足ではないでしょうか? 

私はこれまで40弱の病院・介護施設で「カイゼン活動」のコンサルティングや教育、支援をしていますが、活動を継続できている事業所はほぼ、近隣の他の事業所に比べ、高い評価を得ています。いわゆる「ありがとう」の回数が多いのです。ですから、これからも何回も言い続けようと思っています。「病院・介護施設こそ、カイゼン活動が必須条件」だと。それに「カイゼン活動」を推進すると、今一番の課題であるコスト削減効果も出ます。 一石二鳥でも三鳥にもなります。

「ありがとう」を増やす活動、それがカイゼン活動です。

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