嶋田利広ブログ

病院・介護施設のコンサルタント

社会福祉法人で「部長」という仕事は何?

どの組織にも共通の課題は「決まったことを決まったように実行できない」という事です。

  • 方針や目標も出している
  • 各種の会議でいろいろな対策を出している

しかし、その決まり事を実行しなければ、何の成果もありません。しかも、質が悪いのは、その決まり事を担う管理職や責任者クラスが、自ら実施していないから、当然、部下も行動するはずがありません。そうやって、「悪い躾」が、組織にまん延すると、ミスやトラブル、品質問題、そして職員の退職という、課題山積の病院、介護施設が出来上がるのです。そこで、問題になってくるのが、高給を貰っている「部長」クラスの存在価値です。

1、部長クラスは何の仕事をしているのか?

病院、介護施設において、組織が大きくなってくると、現場にいろいろな権限や責任がついてきます。実際の実務責任者は現場の主任、課長クラスです。部長などという役職は、いつの間にか

  1. 会議資料を作成
  2. 部門会議の運営
  3. リーダー責任者クラスの人事評価
  4. 外部との窓口
  5. 部門間連携の調整役
  6. 経営者からの指示を各責任者にメッセンジャーする

こういう業務が多くなります。確かに「調整機能」「文書業務」は大事ですが、それだけで「高給に相応しい役職」といえるでしょうか?

2、部長クラスのミッションとは

本来、現場実務を持たない部長クラスの仕事とは、また現場が助かる部長クラスの仕事とは何か?大きく分けて、3つあります。

  1. 新規チャレンジ機能
  2. マネジメント機能
  3. モチベーションアップ機能

それぞれ、どういう業務か見ていきましょう。

新規チャレンジ機能

現場は日常業務に追われ、目の前の仕事を回す事に精一杯です。だから、新たな事に提案したり、気づいたりする事は現実的に難しいものです。だから、現場リーダー責任者クラスに、「君たちは、問題意識をもって提案しなさい」と部長クラスで訓示する人がいますが、その「問題意識をもって提案する人こそ、部長」なのです。

自分の仕事を部下に押し付けるとは何事か、という事です。実際の新規チャレンジとは、

  1. 新たな利用者、患者サービスを開発
  2. 法制度や同業他施設の動きからの、導入すべき事項や計画、企画
  3. 職員が気づきを上げる為に、仕組みやルール、マニュアルづくり
  4. 人材採用難に合わせて、採用が円滑になる新取り組み
  5. 組織課題、品質課題を一つずつ改善する為のプロジェクト運営の責任

他にもいろいろあるでしょう。そのすべてが、今日明日の成果を求めるのではなく、半年後、1年後、3年後の成果の為の「新規チャレンジ」です。

マネジメント機能

マネジメントとは、前述のように「決まったことを決まったようにさせる」事です。現場リーダー責任者クラスは、忙殺されて、ついうっかり、決まり事を忘れる事もあるし、部下が動かない場合もあります。それを、部長クラスが「後出しじゃんけん」のように、問題が起こった後に「何故やらないんだ」といっても、後の祭りです。多分、現場のリーダー責任者クラスは、「問題が起こった後、叱責するには誰だってできる」と、内心怒りを覚えているかもしれません。

もし、それまでに「問題やトラブル」が起こる可能性の箇所に、随時チェックが入り、何回も指摘されたにも関わらず「問題やトラブル」が起こったとしたら、現場のリーダー責任者クラスはどう思うか?「あの時、部長から指示された時にやっていれば、このような問題はなかった」と、部長指示のありがたさを感じるはずです。その為には、部長クラスは定期的な「業務監査」が求められています。この中身は後日、ご紹介します。

モチベーションアップ機能

職員のモチベーションアップは、日頃一緒にいる現場リーダー責任者クラスが、先ずやるべきです。しかし、実務に追われている現場リーダー責任者クラスは、なかなか部下のケアまで、眼が届いてないケースが多いようです。また、直接の上司である現場リーダー責任者クラスは、部下からすると「人間関係ストレス」の張本人のケースもあります。そういう上司に、心のケアを求めません。しかし、直接の部下ではない立場の部長クラスは、物事を俯瞰してみれるし、年齢や役職が違い過ぎるという安心感もあります。先日の「新入職員が育つ、夕方の茶話会」というブログでの紹介しましたが、そういうコミュニケーション機能を、部長クラスが自ら推進して、現場リーダー責任者クラスの部下育成のサポートをする事は、組織にとっても有益です。

部長クラスは、具体的な仕事をしなくても、調整とか管理などと称して、1日は過ぎていきます。高い時給をもらいながらも。しかし、部下や経営陣の眼をごまかす事はできません。経営者や部下は、部長クラスに対して、「具体的なアウトプット」をもとめています。

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