幹部候補を育てる「内部講師制度」
病院・介護施設で若い職員を入れたのは良いが、直ぐ辞めてしまうという事業所は、教育制度がない所が多いですね。教育と言えば、OJT(現場教育)とホームページに書いていますが、OJTしか書いてないという事は「我が法人には教育制度はありません。現場任せです」と言っているようなものです。また、たまに外部研修に参加させている事を書いている事業所もあります。これはいわゆるoffJT(現場外教育)です。ただ、offJTは、参加者も少なく、不定期なので「教育の不均等」を招く事が多くなります。
1、事業所内で教育制度をつくる
何でもかんでも、外部研修に出すのではなく、事業所内で教育ができればそれに越したことはありません。すると「そんな経験やノウハウを持った職員なんて、いないよ」「指導経験者を採用すると、コストが高くて無理」「それは大きな病院や施設の話でしょう。うちは小規模だから」多くの病院・介護施設で、こういう物理的な「できない理由」をいいます。しかし、それを実践する為の知恵と工夫がないだけだという事を分かっていません。
2、内部講師制度は、教える側が育つ制度
今の事業所内で、先輩や上司が新人、若手を教える制度が「内部講師制度」です。チューター制度、プリセプター制度とはちょっとニュアンスが違います。
事業所内の職員の層別に、部門別に必要なスキル、知識を決めて、それに対して、経験や強みがある職員が指名されます。指名された職員は年間計画を組んで、勉強会を行うのです。
- 人前で話す
- 勉強会の資料をパワーポイントで作成する
- 話す前の資料作成時、いろいろ調べる
この準備や行動自体が、「教える側が一番教育」になるのです。しかも、「教えられる側」も教育するのだから、まさに一石二鳥です。
3、内部講師制度のカリキュラム
では、年間計画には、どんな内容のものが入っているのでしょうか。ここではある社会福祉法人の例をご紹介します。全職員共通編と部門実務編に分かれます。全職員共通編では、基本動作をベースとした
- Excel Word PowerPointの使い方
- 専用ソフトの入力の仕方
- 社内文書の書き方
- 挨拶、マナー
- 整理整頓のポイント
- 外線電話の受け方、内線電話の仕方のルール
- 就業規則、内規の学習
などです。そして、部門別の実務編では
- インシデントレポートの書き方
- カウンセリングの進め方
- プレゼンの仕方
- 症状別基本対応
- 介護なら介護パターン別対応
- 医療なら、部署別の実務項目
これらを年間計画と担当を入れて、会議室ではいつも何らかの教育や研修をしているようにします。また、そういう指名された職員が若手や後輩の教育に具体的に貢献する事を「人事評価項目」に追記すると、「通常業務以外の教育貢献が評価される」と理解され、前向きに取り組めるものです。
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