新入職員が大きく成長する「夕方の茶話会」
これは、ある社会福祉法人で実際に効果を上げている教育手法です。毎日、仕事が終わる少し前に、新人が部門長(部長クラス)に呼ばれ、談話室で今日の振り返りをします。その内容をドキュメントスタイルで紹介しましょう。
1、談話室には、コーヒーとスイーツを準備
談話室には、責任者とその部門の新人が複数名います。時間は20~30分程度。教育という雰囲気ではなく、穏やかなコミュニケーションの場というイメージです。
だから、コーヒーか紅茶、またはソフトドリンク、そしてちょっとしたスイーツを食べながら進めます。甘いものを食べながら、リラックスしてもらう訳です。そういえば、以前あるドーナツのCMで「ドーナツ食べながら、喧嘩はできない」みたいな事を聞いた事があります。まさに甘いものにはリラクゼーション効果があるのでしょう。開催頻度は、月水金の2日に1回です。
2、どんな会話がされているのか
堅苦しくない雰囲気で、責任者が意識している事は、
- 新人がどんな業務を任されたのか
- その業務について、どう感じたか
- 次も同じ業務を指示されたら、どこを気を付けるか
- 自分以外の新人がどんな仕事でどう感じたか
- 仕事の指示に対して上司はどんな期待をしたか
軽いディスカッションを通じて、新人に考えさせて、自分の言葉で語り、責任者の質問やヒントから、自分の行動を反省するのが目的の茶話会です。日頃の忙しさで、リーダーや責任者には、余裕がある面談ができないケースが多いです。だから、リーダー責任者の更に上司である部長クラスがその任に当たるのです。
3、責任者にはコーチングとファシリテーション技術が必須
こういう茶話会では、下手な責任者がすると、たいてい以下の感じになります。
- 責任者が質問する事に新人が答える
- 責任者が諭すように、教える、説明する
端から見たら、責任者が学校の先生にように、教えている、多くを喋っている状態です。これでは、「新人からの気づき」が生まれません。責任者はコーチング技術を使い、「新人が考えるような質問」と、答えた内容の背景は事実を深くする「Why質問」そして、次にはどうしたいか「How質問」しかも、何故そう思うかを論理的に考えさせるのです。新人には新人なりの答えがあり、それを自ら語り、自ら修正行動にもっていくのが、コーチングです。
また、複数名の新人と責任者が談話をするなら、合意形成技術や会話の主体を責任者ではなく、新人同士にもっていくファシリテーション技術は不可欠です。特に、責任者と、新人が複数なら、新人は責任者の質問に答えるだけで決して議論にはなりません。
新人同士で
「気づきの共有」
「次にその作業が自分に振ってきたらの対処法」
「もし自分がそういう指示があったら、こうするという意見出し」
「上司からの指示に対する自分の行動は、どこを修正すべきか」
などを仲間や責任者の意見を聴きながら、「自分で課題と解決策を捻出」させる必要があります。だから、責任者が一方的に教える型の茶話会ではダメだいう事です。
こういう茶話会を定期開催する事で、新人のメンタリティーも分かり、直属上司へのフィードバックも可能です。
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