「教え方を教える研修」をしてないから、リーダーが育たない
今、私自身がある社会福祉法人をコンサルティングしていて、改めて認識を変えた事があります。その法人では、毎月幹部会でのコンサルティングや定例勉強会をしています。勉強会は多岐にわたり、幹部や責任者クラスを中心に、リーダシップ、マネジメント、人財育成の仕組みづくり、コーチング、カイゼン活動等々を行っています。この勉強会は、どの社会福祉法人の指導でも実施していますが、若いリーダーや責任者クラスに限られた時間で研修をする中で、「たくさんのリーダーシップ技術、マネジメント技術知識」を与えても消化しきれてない事があるのです。
否、せっかく学習しても「幹部やリーダーによって部下への伝わり方がバラバラ」なのです。これは「教え方が幹部・リーダーによって異なる」訳です。彼らは、リーダーシップの技術知識を学習する事には肯定的です。しかし、いくら学習しても、それを現場に落とし込み、部下を納得させなければ効果は出ません。
では、研修や教育において、いったい何の認識を変えないといけないのか?それは「技術知識を教える前に『教え方を教える』研修」が大事だということです。
1、教え方を知らない幹部リーダーが、部下を苦しめる
「教え方」にはある一定のルールがあります。その「教え方」のルールを知らない幹部リーダーは、「自分は一生懸命に教育しているのに部下が育たない」「何で部下は分かってくれないのか」「こんなに一生懸命に教育しているのに、辞めていく部下はダメだ」…
「教え方」と言う技術習得をしていないから、この手の悩みが後を絶ちません。「教え方」がダメな幹部リーダーの部下は、困っています。幹部リーダーの指示の意図も見えず、一方的に仕事を振られる不満があり、丁寧な説明もないまま、役割を持たされ、いつも、事前に根回しなく、急な指示命令がドンドン出てきて、明確な管理や指示命令がないから、現場が混乱し、上司もアタフタ、部下もアタフタ な状況です。だれも良い事ありません。もし、上司が「ちゃんとした教え方」ができれば、こんなアタフタは、激減するでしょう。
2、「教え方を教える」とは?
「教え方を教える」とはどういうことでしょうか?先ず「教える為に、必要な事」を整理してみましょう。
- 教える為の言い方、コミュニケーションの取り方
- 教える為の「見える化」のツール
- 教える為の、部下の心理・態度の見方
- 教えた結果がどうなのか振り返る、モニタリング
- 教える為の、部下自身に気づきを与えるコーチング
この5つを先に幹部リーダーへ教育する必要があります。そうしないと、各自が自分のやり方で部下に接することで、上司次第で部下が良くなったり、ダメになったりします。しかし、先に「教え方を教える研修」徹底すると、徐々にですが、その組織の文化が育っていきます。
3、「教え方を教える研修」の仕方
では、実際に「教え方を教える研修」とは、どのようなものでしょうか?研修の形式は講義、グループディスカッション、ロープレ、振り返りのサイクルを何度も回すだけです(概ね、2か月1回程度の3時間研修を6回の1年間)で、その研修テーマは、下記のような事を入れ込んでいきます。
- 部下が困る、部下が行動しにくい指示命令をしていないか癖を知る(マネジメント)
- 部下に考えさせ、部下の自発的な考えを誘導する質問をしているか(コーチング)
- 具体的に教える為のモデルを持っているか(経験学習モデル等)
- 立ち話での指導、ミーティングでの指導、会議での指導のカンコツツボ(ファシリテーション技術)
- 「見える」教育ツールの開発と活用方法(マニュアル、掲示板、動画)
これらのプログラムをカリキュラム化し、研修を行います(導入段階はコンサルタントが行うが、2年目以降は経営管理者クラスが担当し、定着化を図る)
「教える技術」を知らないまま、幹部リーダーになった人は、恐らく試行錯誤しながら、自問自答しながら頑張っています。しかし、基本を知らないがゆえに、誤解されたり、部下から否定されたり、上司からもレッテルを貼られているのかもしれません。新年度を迎えて、今年の教育体制を少し変えていくことも、選択肢ではないでしょうか。
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