嶋田利広ブログ

病院・介護施設のコンサルタント

歯科医から「中期計画をつくりたいから、SWOT分析を教えて欲しい」と

歯科医院へは、主に分院経営をしている医療法人にコンサルティングを長年しています。最近のコンサルティングは、主に組織づくり、ルール作り、業績評価システムの「見える化」や採用戦略を中心に行っています。ある歯科病院から(医院ではなく病院です)「近々、創業80周年を迎えるので、将来像を見据えた、法人のビジョンを作りたい。戦略を決めるのに、SWOT分析というツールがあるらしいが、教えてくれないか」とご相談がありました。

この歯科病院とは、何回か院内研修もしているので、相談しやすかったのでしょう。そこで、何はともあれ、「SWOT分析とは何ぞや」という講義を、理事長、院長、ドクター、師長、事務方の主だったメンバーを集め、行いました。

1、SWOT分析の概論を解説

先ず、いつものようにSWOT分析の概論、「機会」「脅威」「強み」「弱み」のポイントとヒントを説明。その後、クロス戦略である「積極戦略」「致命傷回避撤退縮小戦略」「改善戦略」「差別化戦略」を事例を交えて解説しました。ここで、初めてSWOT分析理論を聞いた方は、ある程度納得したようです。

2、病院・介護のSWOT分析実例の解説

次に「病院」「介護施設」などの、医療関連、高齢者関連の事業所の「SWOT分析事例」を解説しました。どうしても企業のSWOT分析事例だけだと、理論は分かっても、肌感覚が分からないので、近い業種である医療と介護の事例を講義しました。ここでは、かなりドクターも食いついてきました。より理解が進んだのでしょう。病院も介護施設も、生き残る為に、いろいろな戦略企画を検討している事に、「なるほど」という感じでした。

3、歯科SWOT分析事例の解説

ここで、やっと「歯科医院のSWOT分析事例」を解説しました。この事例では、実際に導入している歯科医院の戦略や作戦を知る事で、具体的な参考事例になったようです。ただ、ここでは「どの歯科医院でも考えそうで、やっていそうな事は、戦術であり、通常の具体策程度で、ビジョンの根拠にまではならない」と何回も言いました。大事な事は、「将来収益につながる戦略かどうか」です。

今後、医療報酬が厳しくなり、コンビニよりも更に多くなる歯科医は、生き残りを掛けて、いろいろな事をするでしょう。そこで、歯科病院としての差別化、一般の歯科医にはない歯科病院の経営資源を見直し、「患者相手だけではない、新商品の必要性」を提案しました。直接患者や連携の歯科医からの患者紹介中心の歯科病院にとって、維持している経営資源は相当な重い負担です。だから、その経営資源を逆手にとって、「困っている患者向け、困っている歯科医向けの商品」を作るのです。

困っている事に対して、人はおカネを払う訳だから、それがマーケティング戦略になるのです。「新商品」という言葉のイメージは、一般のドクターや師長クラスの方には、なかなかご理解しがたかったでしょうが、理事長、院長、事務方は納得したようです。

4、SWOT分析で「独自の差別化」「独自商品」をつくる、それがビジョンになる

このように、もともとSWOT分析では、商品開発のコンセプトづくりにも有効です。だから、それが病院であれ、歯科医であれ、社会福祉法人であれ、効果的です。因みに、複数の社会福祉法人のクライアントでは、今、様々な自費事業に商品化をSWOT分析を使って検討をしています。

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