嶋田利広ブログ

病院・介護施設のコンサルタント

「採用を失敗した」と後悔しない面接質問項目

今回から数回に渡って、採用時のポイントについてご紹介したいと思います。第1回目は「必要な多角的な面接制度」です。

もし、看護師や介護士の採用を事務長に一任しているのであれば、それは間違いです。現場の業務に精通し経験のある事務長なら構いませんが、そんな事務長はほとんどいません。事務長が出てくるのは、給与基準の説明、試用期間の説明、労働契約に時だけです。それ以外、関係部門長が責任を持って面接しなければなりません。

面接者は、被面接者に対して守らねばならない事がたくさんありますが、面接者である師長や管理者 がそのポイントを把握してない事から、じっくり聞けてないケースが多いようです。正直に言って、人手不足が喫緊の課題なら、「面接の来た人はみな採用しよう」と考えている病院や施設 もあるようですが、その安易さが後でいろいろなトラブルを招きます。やはり、どんなに人手不足でも「採用してはいけない人を採用しない」姿勢が重要です。面接でしっかりと情報収集ができてないのは、「被面接者より面接担当者がしゃべり過ぎる」からです。

被面接者のいろんな角度から質問し、優等生的な回答を見破り、真意を聞き出す事が面接ヒアリング と言う事です。では、どんな事が採用面談時の聞くべきポイントでしょうか? いくつか箇条書きにします。

採用面談時の聞くべきポイント

  1. 過去の職場での良かった事を細かく、説明させる(良かった事を発見できない人は問題が多い)
  2. 前職の悪口のみを言う場合は要注意(本来なら良い経験もあったはず。すべてが悪いと言う表現は、そういう物の見方しかできない場合が多い) 過去の職場での業務内容の質問を、より深く、詳細に何回も聞き、深い経験があるか確認する(中途半端な経験者は、詳細な事やその業務での真因は知らない)
  3. 過去の職場の転職理由を聞き、「何故」そうしたのか、論理的に納得のいく回答があるかどうかを見る(自己本位の解釈なら、また同じことを繰り返す可能性がある)
  4. 当院・当施設と言うよりは「この業界」を選んだ理由を、納得のいく論理的な答えがでるまで聞く。
  5. ホームページやメディア掲載事項のみで、お世辞がやたら多い場合は「何故、そう思うか」を論理的に聴きこむ(お世辞をやたら言う人材は怪しい場合もある)
  6. 今回の採用で「他の候補者でなく、貴方でなければならない理由、貴方を採用すると、当院・当施設はどんなメリットがあるか、説明してください」と振る。(自分の「強み」を説明してもらう。「強み」が性格だけでなく、理論的な内容かを見る )
  7. 「好きではない人と仕事をしなければいけなかった時のことを教えてください」と振り、その答えは仕事の為に割り切れるかどうかを見る。転勤や配置転換、残業があっても問題ないか聞く。
  8. 前職時代の給与額は払えない場合、最低いくらが必要か聞く。また、その最低額さえ、法人の規定では払えない場合は、就職できるか聞く(まだ、採否を決める前の段階で聞く)
  9. 「当院・当施設を含め、貴方が会社を辞める意思決定をする基準を教えてください」と振る。それが給与以外で自己都合の表現かどうかを見る。「貴方が思いっきり仕事の成果を上げる条件や環境は、どんな事ですか」と振る。その回答が仕事中心ならOK、自己中心なら要注意。
  10. 試用期間は正規採用でなく、お互い様子を見る期間であり、採用条件に照らして、もし能力的に無理なら、試用期間の延長や雇用契約はしない事について、理 解できるかを聞く。
  11. 給与、賞与は年数序列ではなく、能力・貢献により増減があり得る事に対して、理解ができるか聞く

いかがでしょうか?

被面接者の言葉の裏を聞き出す事が本来の面接であり、それが採用の失敗確率を減らす事につながります。

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