介護職の採用難や離職は介護現場では日に日に厳しくなっています。そんな中、私たちがコンサルティング指導している社会福祉法人は、ある取り組みをしています。それは「高額家族手当」を支給する事です。
一般の家族手当は子供1人3000~5000円程度です。良くても第一子が1万円。それをなんと第一子だけでなく、すべての実子の15000円を支給するとしたのです。当然、人件費も上がります。しかし、メリットの方が大きいです。既存の職員も子供がいるだけで、相当な昇給です。これは離職対策になります。しかも子供は20歳で支給停止なので、子供が巣立てば数万単位で減額します。
更に基本給に影響ないので、時間外も退職金も賞与も影響ありません。子どもがいない職員からは、不満の声もありましたが、主旨を理解してもらい、評価に関連する基本給や役職手当には全く影響がないので、理解してもらいました。すると、ハローワークの募集でも問い合わせが増え、離職の激減したのです。確かに「おカネや予算がなければできない事」です。
しかし、眼の前のおカネか、「人」への投資か、ここは判断の境目かもしれません。これからは、「子育て支援」を事業所も金銭面でも考えて、職員にメリットを出す時代になったようです。