コーチングができないコンサルタントは、時代遅れ?
SWOT分析、事業再構築、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。
RE嶋田塾で相互に学んでいるのは「アウトプット型コンサルティング」です。
その本質は「コーチング」にあります。
塾生からも
「ヒアリングが上手ではないから、経営者から真意を聞き出せない」
「質問されるとついつい自分の意見を言ってしまう」
「深く聴きだす、引き出すのが苦手」
こんな意見を聞きます。
特に「zoomでのSWOT分析ロープレ」をした際に、それは如実に出てきます。
いかに「教える事になれたコンサルタント・士業」が多いことか?
そして、多くのコンサルタント・士業の方も「コーチングの重要性」は認識されています。
では、どうすれば「コンサルタントとしてのコーチング」ができるようになるのでしょうか?
1、コーチングの大原則
経営者・幹部向けのコーチングには大原則があります。
それは
- 経営者・幹部は問題に対する「答え」をある程度考えている。
- 経営者・幹部には問題を解決する潜在的な知識も、思想もある。
- 経営者・幹部は一人で悶々と考えるより、コンサルタントとのいろいろな質問・回答のやり取りを通じて「確信」「気づき」「アイデア」が生まれる方が多い。
- 経営者・幹部に課題に対する対策を意思決定してもらう為のプロセスと行動へ結びつける会話が「コーチング」である
こういう原則です。
この本質を分かった上で、経営者や幹部とのコーチング面談、ヒアリングに臨む事が先ず最初のマインドセットです。
2、「答えを直ぐ言う人」の特徴
「コーチング」と対極にあるのが「ティーチング」です。
いわゆる「答えを教える先生」みたいな感じです。
仮にコンサルタント・士業の意見やアイデアが正しくても、経営者は自身で導いた答えや納得した解答でない限り行動しません。
私を含めてコンサルタントや士業の方は、何故「答えを直ぐ言いたがる」のでしょうか?
そこにはある共通項がありそうです。
⑴先ず「教えるのが仕事」だと思い込んでいる
⑵質問されたら、いい答え・いい知識・いい提案を言わなければとマインドが働く
⑶質問に答えて、適切な提案をしないと、自分の存在価値が認められないと思っている
⑷この人(目の前の経営者など)は分かっていないから、何とか分からせようと、指導モードが強くなる
⑸「自分がいろいろ知っています」と自己アピールしたくなる
面白いことに経験豊富なベテランにある特徴ではなく、若いコンサルタントや会計事務所職員にもその傾向があります。
まさに「職業病」です。
このこびりついた癖を意識的に外さない限り「コーチングによるコンサルティング」はなかなか難しいものです。
3、私とコーチング
私自身がコーチングを学び、本格的に現場で活用しだしたのは。、今から20年前に遡ります。
当時、産業カウンセラー資格を取得し、カウンセリング理論とコーチング理論を学び、何十回もロープレセッションをしました。
いわゆる「傾聴手法」を身体で学習しました。
質問を通じて、相手が自ら気づき、自ら意思決定するサポートをするのは「カウンセリング」です。
こちらから「教える」「誘導する」ことはご法度だと習いました。
それを応用すれば経営者との面談にも使える事を知り、それがコーチングでした。
そして、それ以前から「聴きだすスキル」は必然的にあったように思います。
それは「ヒアリングしながら、ノートパソコンに入力する習慣」があったからです。
会議録だけでなく、いろいろなアウトプット型コンサルティングの中で、自然と実践してきたように思います。
4、「コーチング」巧者は相手の言葉を鵜呑みにしない
結局「コーチングができるコンサルタント」は、相手の言葉に対して、いろいろな返答や切り替えし質問を持っているのです。
それは問題意識の差かも知れません。
というのは、コーチング面談をする際に下記のような問題意識があると、深く聴かざるを得ないからです。
⑴今の問題の本当の原因はそれだろうか、もっと違うところに真因があるのでは?
⑵そんな抽象的な意見で本当に「行動のイメージ」が湧いたのだろうか?
⑶このレベルの決定事項で本当に行動するのか?
⑷言葉ではいろいろ言えるけれど、「見える化」をしないと前進しないのでは?
⑸対策がまだまだアバウトだけど、5W2Hで具体化しないといけないのでは?
こんな問題意識があると、「深堀質問」を何回もしてしまいます。
要は「相手の言ったことを簡単には信用していない」と言っても過言ではありません。
特に中小零細企業の経営者や幹部は、公式非公式に関わらず、「決めた事を決めたように行動しない」傾向があるからです。
クライアントであれ顧問先であれ、「相手の言った言葉を鵜呑みにしない」それが「コーチング質問」がどんどん深くなる理由かも知れません。
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