嶋田利広ブログ

会計事務所の職員教育

「経営計画書では差別化できない時代」の会計事務所に次の一手

SWOT分析、事業再構築、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。

経営計画書では差別化できない時代の会計事務所に次の一手.jpg

今回の事業再構築補助金の第1次採択結果で、当社のフレームを使った会計事務所でも、一つの傾向があるようです。

それは「経営戦略」の深掘りでした。

簡単に言うと、審査項目にしっかり準拠し、「売れる理由」「顧客が増える理由」「持続できる理由」をしっかり作り込んでいる会計事務所の指導による事業計画書は採択されていた、という事です。

つまり「経営戦略がしっかりしている事業計画書だった」とも言えます。

という事は、「従来型の経営計画書を指導する事が差別化だと思っている会計事務所」ではなく、「経営戦略に強い会計事務所」が今後は重宝がられるという事かもしれません。

1,どこもかしこも「経営計画書が差別化」とPRする会計事務所

多くの会計事務所のホームページを見ると、MAS業務や「経営計画書の重要性」や「経営計画書指導ができる」などをPRしている事務所が普通に増えています。

このこと自体は正しい事だし、「計画的経営ができない中小零細企業」には必須の事です。

ただ、どこもかしこも「経営計画書を差別化したスキル」だと言っているので、「経営計画書指導」があまり目立たなくなっています。

また、経営計画書指導も人によっては千差万別です。

●相変わらず「数値羅列型収支計画書」を経営計画書と言ったり、

●マニュアルみたいな内容を入れて紙幅を増やした計画書をそう言ったり、

●指定されたフレームにただ記入するだけを「経営計画書」と言ったり

●会計ソフト・経営計画ソフトで数値を入れれば自動的できるものを「経営計画書」と言ったり、

●収支計画からキャッシュフロー、資金繰りまでに資料を「経営計画書」と言ったり

します。

つまり、「これこそ経営計画書のモデル」というものがありません。

そして、せっかく作った経営計画書がその後全く活用されない訳です。

その「経営計画書を差別化」と言っても、なかなか「他の事務所より秀でてる」という事にはなりません。

 

2,コーチング型コンサルティングの限界

会計事務所が学ぶコンサルティング技術の多くは、「コーチング型コンサルティング」というものです。

基本は「経営者から聞き出す能力をk高める。聞き出すツールを使う。そして経営者に意思決定させて結果を出す」というものです。

確かに「経営者が自身で決めて、自身で行動すれば経営改善や業績アップは可能」です。

但し、それは小規模企業が中心であり、ちょっとした中小企業以上になると、単なるコーチングコンサルティングでは、成果を出す事はできません。

しかも、本当に「深く、ロジカルに聞き込んでいる」ならまだしも、もともとそういうヒアリングが上手ではない税理士や職員は、そう簡単には上手くできません。

 

3,「経営戦略コンサルティング型会計事務所」は差別化できる

今回の事業再構築計画書で分かった事があります。

それは「経営計画書ノウハウ」だけでは、書けないし指導できないという事です。

事業再構築の「事業アイデア」について、

「経営戦略としての妥当性」

「売れるマーケティング対策」

「肉付けできる知識や戦略的ヒアリング」

がなければ、事業計画書づくりに苦戦したはずです。

という事は「経営戦略コンサルティングスキル」を持たないと、なかなか突破できない時代が来たという事です。

経営戦略とは主に「マーケティング戦略」を指します。

いわゆる「売る為の戦略の指導」ができるかどうか、です。

3C分析、4P、5forth、PPM、そしてSWOT分析などいろいろなマーケティングリソースが世の中にはあります。

また、スタートアップ企業が投資家から支援をもらうには、「リーンキャンバス」に経営計画を作り込むことも重要な経営戦略です。

どれでもいいから、何かのツールメソッドを使いこなして、「経営戦略コンサルティングに強い会計事務所」が今後の差別化として、セミナーやツール提供、ブランディングに影響します。

 

4,クロスSWOT分析のエキスパートを目指そう

私がSWOT分析にエキスパートだからという訳ではありませんが、会計事務所に向いている戦略ツールは、やはり「クロスSWOT分析」だと思います。

このメソッドは経営戦略知識もある程度必要ですが、それ以上に「コーチング型コンサルティング」を実践的に使い、確実にアウトプットをするものです。

4マスと4つの掛け算で、経営者幹部の意向を聞きながら創り上げていく過程は「教えるコンサルティングではなく、聞き出すコンサルティング」そのもです。

しかも、クロスSWOT分析として具体化し、アウトプットします。

このクロスSWOT分析ができれば、今回の事業再構築計画書も、従来の中期計画ビジョンも、単年度の経営計画書も中身の濃いものになります。

逆に言えば、クロスSWOT分析をしない計画書は、内容が薄い傾向にあるという事です。

 

会計事務所は「コーチング型コンサルティング」を目指しがちですが、長い視点で見れば「経営戦略コンサルティング」を強くした方が差別化できるし、自事務所のマーケティング上手にもなるかと思います。

 

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