嶋田利広ブログ

SWOT分析コンサルタント

PMIは「シナジーSWOT分析」で即結果を出す

M&A後に考慮すべきは、M&Aでグループ会社になった幹部従業員のモチベーションです。当初は多くの場合、資本関係が変わっただけで、組織もビジネス形態もは以前のままです。しかし、M&Aした側は早い段階で、統合効果を出したいもの。統合効果を出す為にPMI作業が不可欠ですが、大事な事はいかに組織の融合を図るかです。しかし、組織の融合が一番難しい事は、誰もが知っている事です。では、中小企業でM&Aの効果をいち早く出す為には、何が必要でしょうか?

私の経験則から言うと、「早い段階で共通の成功体験を実感してもらう」事が大事だと考えます。グループになった事で「得をした」を思ってもらえれば、その後の統合作業もスムーズにいきます。

1、共通の成功体験は統合後1年以内に成果を出す

M&Aをしたのに、それぞれの企業任せで「統合効果」の具体的な手を打たなければ、時間の経過と共に同床異夢どころか、他人以上に難しい関係性になってしまいます。「親会社と一緒になって良かった」と早い段階から実感してもらい、どんどん協力体制を双方がとっていく為にも、1年以内に何らかの成果が必要です。ここでいう成果とは、数字に現れる事です。人事交流や会議参加などの管理的なものではなく、売上や利益、または顧客開拓、製品開発などの眼に見える成果を目指します。

2、共通体験として業績効果

双方が売上効果を出さなければなりません。子会社の顧客資源や商材資源を活用して親会社だけが良い目に合ったり、また逆に親会社の各種の経営資源を子会社が使って、業績に貢献するのみなどの一方通行は、いずれ組織に不満がたまっていきます。また、利益面では販売拠点や生産箇所の適材適所による統合も、どちらかに有益性が偏れば、どちらかが被害者意識を持つようになります。かといって、「たすき掛人事」みたいに、双方の立場の中間点などが増えればコストも下がらず、競争力も減退するかもしれません。

ここで大事な事は親会社も子会社もお互い「win-win」の共通体験が必要だという事です。

3、共通体験の具体策を出す「シナジーSWOT分析」

PMIにSWOT分析は有効ですが、ここでは「シナジーSWOT分析」という手法についてご紹介します。これは長年、SWOT分析コンサルティングをしてきた当社が独自で、試行錯誤の結果、導きだしたメソッドです。従来のSWOT分析と異なるのは、「強み分析の掛け算」が優先する事です。本来なら「機会」×「強み」=「積極戦略」ですが、その前に「強み」×「強み」作業があるのです。

シナジーSWOT分析とは、

  1. まず親会社の経営資源の「強み」を列挙
  2. 次に子会社の経営資源の「強み」を列挙
  3. それぞれの「強み」と「強み」を掛け合わせて、「シナジー強み」を整理
  4. その「強みの掛け算」の「シナジー強みが使えるニッチニーズや既存顧客に可能性「機会」を列挙
  5. 「シナジー強み」×「機会」=「シナジー積極戦略」という図式です。

4、シナジー積極戦略から事業計画やアクションプランに展開

後は通常のSWOT分析から経営計画書、アクションプランへの展開と同じです。シナジーSWOT分析を議論した親会社、子会社の幹部やプロジェクトメンバーが主体となって推進していきます。ここで大事な事は「集中キャンペーン方式」や重点運動として、グループ全員に認識してもらう事です。

「何か知らないけど、勝手な事をやっているぞ」みたいな傍観者が、親会社にも子会社にもあってはなりません。

だから、統合後のシナジーSWOT分析で出たシナジー積極戦略を進める時はキックオフなどのイベントも一緒に行い、全社運動としてなんとしても成果を出す覚悟で臨む事が肝要です。

お互いの強みを掛け合わせて、更に「市場ニーズ」や「ニッチニーズ」に展開していく「シナジーSWOT分析」は有効な手段だと考えます。

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