目的が曖昧なSWOT分析は議論が漂流する?
実際のSWOT分析をしていく時、「このSWOT分析の目的は何だったかな?」と分からなくなることがあります。曖昧な目的で「SWOT分析を使って差別化・独自化の戦略を作ろう」と勇んで行っても、途中でゴールが見えず漂流してしまうことがあります。では、SWOT分析をする前にどんな目的を決めるべきでしょうか?
1、将来戦略や独自化戦略の為
一番オーソドックスな目的です。自社のUSP(ユニークセリングプロポジション)=独自のウリを明確にするためです。自社が今後、どんなポジショニングで事業を行うか、その為の選択と集中を決めます。
2、経営計画作成時の差額対策の商材づくりの為
例えば、現状の業績ベースでは売上が5億円しか見込めない。しかし借入返済をする為にはどうしても6億円の売上が必要だとします。すると、SWOT分析の積極戦略や改善戦略などで、具体的な商品対策や顧客対策と、だいたいの価格や受注予定を決めて、一つ一つ積み上げながら、差額1億円を埋めていきます。
3、商品開発・改良のコンセプト作成の為
SWOT分析の機会と強み、それから派生する積極戦略を、商品開発の為に使う場合があります。該当商品や方向性に関連する「機会」や、そこに使える経営資源である「強み」を掛け合わせた「積極戦略」で、商品コンセプトや開発改良のキーポイント、またはマーケティング戦略やセールスプロモーションまで議論する場合があります。
4、新規事業の可否判断の為
これから参入を検討している新規事業は、外部環境の「機会」は追い風なのか、またその新規事業は自社の経営資源である「強み」は何が活かせそうか、そしてその掛け合わせで、どんな対策ならいけそうかという「積極戦略」を決めます。あまり勝てそうなイメージが沸かないなら、「SWOT分析」の結果、参入断念の判断の根拠になります。
5、経営者の頭の整理の為
経営戦略としていろいろやりたいことが頭をめぐっている場合、「何に集中した経営戦略」をとるべきか、何から優先的に取り組むべきか、【経営者の頭と心の整理】の為に、SWOT分析が使われる事があります。特に経営資源が限られている中小企業では、「多方面戦略」こそ、ムダ骨や徒労に終わり、成果どころから逆に経営にマイナス影響になることがあります。だから「経営者の頭の整理」としての「SWOT分析」は有効なんですね。
6、マーケティング戦略の為
もともとSWOT分析はマーケティング戦略立案のツールとして普及してきました。どんな顧客ニーズに、どんな売り方で、どんな展開をする事で、売りたい商品の拡販ができるかを考えます。
このように、目的を明確にして取り組むSWOT分析なら、ゴールが決まっているので議論もぶれずにできますが、目的が曖昧だとダラダラしたSWOT分析のなる可能性があるので、要注意です。
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