ファシリテーション技術を使うとSWOT分析検討が上手くいく
SWOT分析のコーディネートやコンサルティングを経験したコンサルタントや会計事務所職員から、よくこんな声を聞きます。
- 「なかなか機会の意見が出ません」
- 「固有の戦略に落とし込みたいが、抽象論ばかりになってしまう」
- 「バラバラな意見をどう集約していいか分からない」
- 「意見が出ないと重い空気になり、コーディネートが不安だ」
- 「SWOT分析後になんか、スカッとした感じにならない」
当社の「SWOT分析セミナー」に参加された方の代表的な意見です。
何故、そうなるのか?
それを打開する為に、どんなスキルが必要か?今回は「SWOT分析研修」で使う「ファシリテーション技術」をご紹介しましょう。
1、SWOT分析検討会でのファシリテーション技術とは
ファシリテーション技術とは、「参加者が自発的に意見を言いやすい状況を創る」事です。ファシリテーション技術を使う事で、
- 参加者が自発的に的を射た意見を言う
- バラバラな意見の集約がしやすくなる
- 重苦しい雰囲気や沈黙がなくなる
- 参加者の意見が必ずしも反映されなくても、納得がいきやすい
などのメリットがあります。その為には、全体で議論しても、言いにくいしまとまらないので、段階を追う事が大事です。
基本的なファシリテーション技術の段階とは
- 第1段階 個人で書かせる(コピー用紙やノート)
- 第2段階 ペア又は3人で協議して、意見をまとめる
- 第3段階 ペア・3人の意見として、代表が発表
- 第4段階 その後全体で議論 (ファシリテーション技術を使う事で、全員の意見が何らかの形で反映される)
この議論を経れば、最終まとめの段階では多数決でも構いません。要は、いきなり「皆で意見を言い合う事」は難しいので、この段階を随時使う訳です。
2、「機会分析」「強み分析」で使うファシリテーション技術
実際に一番意見が出ないのが「機会」です。業界の常識や現実の壁から、新たな発想が出にくい状況です。そこで、ファシリテーション技術を使います。
- まず、個人ごとに機会や強みのポイントを「タラレバヒント30」などを使って書き出し作業をさせる
- 書き出し記入後、ペア又は3人チームで議論させる(この時、各自の書いた「機会」を見せながら、模造紙に書いて、見ながら議論)。意見を言い合いながら、集約。少人数だから言いやすい。
- ペア・3人チームで「機会」又は「強み」を1つか2つに絞る(固有名詞の表現にする)
- 各ペア・3人チームの代表が「機会」、または「強み」を発表。
- それを、ホワイトボード、模造紙に書き込み又はPCに入力し、プロジェクター投影させる
- 絞られた意見を全員で議論し、固有名詞を更に磨く
こういう事で、ファシリテーション技術を使います。
3、「積極戦略」でもファシリテーション技術を使う
機会×強みの積極戦略を整理する場合も、
- まず、個人単位で書きだしさせる(1つか2つの素案)
- ペア・3人チームで話し合い、ペア・3人チームの積極戦略の意見を1つか2つに集約
- ペア・3人チームの代表が発表。根拠も一緒に発表。
- ホワイトボードや模造紙、PC入力
- 類似戦略はコーディネーターが整理統合して、複数に絞る
- より固有戦略になるように、再度意見を収集し記述
ここでのペア・3人チームの検討はそれなりに時間をとっても構いません。
4、たくさんの意見を出させないが、たくさん議論させる
仮に機会や強み、積極戦略の意見が10も20もあっては、議論になりません。それよりもペア・3人チームから出された意見を5つ位に集約して、深い議論をする為に、参加者に意見を求める方が良いのです。司会者(ファシリテーター)は、一人の方から出た意見を
- 他のメンバーに、今の意見についてどう思うか振る
- その意見に対して「何故、そう思ったか」をWhyを掘り下げる
- Whyの表現が抽象的なら、「もっと具体的に言ってくれ」と掘り下げを要求
- 積極戦略の意見では、Howを何回か繰り返す
- Howの意見で、行動や戦略の具体的イメージが湧くまで聴き返す
そういうテクニックを使って、議論を吐き出させ、また集約整理を図っていくのが、SWOT分析検討会のコーディネートであるコンサルタントや会計事務所職員の仕事だといえます。
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