逆クロスSWOT分析で、その戦略の妥当性を自己診断する
SWOT分析、KPI監査、採用サイト、事業承継「見える化」コンサルタントの嶋田です。
SWOT分析は最初に「強み」または「機会」を行い、「脅威」「弱み」を軽めにして、クロス分析である「積極戦略」「致命傷回避撤退縮小戦略」などを行うのが常道です。
しかし、この発想と全く逆の考え方も存在するのです。
それが「逆クロスSWOT分析」です。
【逆SWOT分析】という言葉は聞きなれないと思います。
それもそのはず、私が作った造語ですから。
しかし、この逆クロスSWOT分析は知っておくと便利な考え方なのです。
この「逆SWOT分析」はどんな意味で、どんな場合に使うのかご紹介します。
下記に図がありますが。先に「積極戦略」が決まっている段階で、後から「強み」「機会」のパーツを入れ、整合性を見ていきます。
反時計回りで議論します。
更にそこで不足している戦略要素があれば追加していくわけです。
1、SWOT分析をせずに中期経営計画が独り歩きしている
SWOT分析という手法を使わずとも、中期経営計画や経営戦略はできます。
何故なら、経営者や幹部に自分なりのイメージがある場合、それが思い込みであれ、「SWOT分析」みたいな面倒くさいことをしなくても、戦略表現はあるわけです。
中期ビジョンや中期経営計画を見ると、そこそこの企業なりの差別化戦略や独自戦略を打ち出しています。
だから「SWOT分析をしないと、中期経営計画の根拠はできませんよ」みたいな傲慢な気持ちはありません。
ただその戦略は「自社の強み」を活かし、「ニッチ市場で勝ち筋の見えた整合性のあるもの」かどうかが分からないまま思い込みの「中期経営計画」になっているケースが多いのです。
2、中期計画作成後に「SWOT分析」で検証
中期計画の中身が決まって、それに沿ったアクションに伴い目標が数値化されます。
しかし、面白いものでどんな戦略も最初から勢いよくロケットスタートを切ることはありません。
むしろ、「あれ、この戦略でよかったかな?なかなか成果が出ないけど…」と思うことの方が多いはずです。
そこで、その「中期計画」の根拠となった戦略を「SWOT分析手法」を使って、再度検証してみようというのが「逆SWOT分析」です。
だから、後からSWOT分析をして、「先に立てた戦略の検証」をするということです。
3、実際に「SWOT分析」の時間が取れない場合が多い
中小企業の経営計画作成を支援すると、SWOT分析に十分な時間が取れないケースも少なくありません。
また経営者自身がSWOT分析の必要性をあまり感じていない段階で、
「SWOT分析をした方が正しい戦略が選べますよ」
と提案しても、経営者自身が思い込んでいる戦略が間違っていないと思っているなら、わざわざそんなSWOTなんてやらなくてよいと、考えているかもしれません。
しかし、経営者の思い込みの戦略がなかなか成果が出ない場合は、「第2・第3の戦略」のアンテナを張り出します。
その時がSWOT分析での検証の出番です。
4、「逆SWOT分析」で検証し、今の戦略にお墨付きを出す
「逆SWOT分析」は、今の戦略を一旦わきに置いて、ニュートラルな気持ちで「機会」×「強み」を見ていきます。
もしかしたら、今取り組んでる戦略が優先的だという答えになるかも知れません。
というのも「逆SWOT分析」をしても今取り組んでいる戦略が既に潜在的にも、顕在的にも頭の中で大きくシェアされているはずです。
結果、今の戦略で問題なしという答えが出れば、その「逆SWOT分析」はそれなりに効果があったかも知れません。
何故なら、疑心暗鬼になっていた戦略が「やっぱりこの戦略しかない。皆で集中しよう」とモチベーションアップになるからです。
5,事業再構築計画書で使われた「逆クロスSWOT分析」
最近のケースでは「事業再構築補助金」の時の事業計画書立案時にこのメソッドが使われました。
事業再構築の場合、良くも悪くも経営者が始めたい新規事業は最初から決まっているケースがほとんど。
そこで、その戦略の有効性や可能性、そして自社の強みとマーケットを検証するのに、この「逆クロスSWOT分析」は便利な思考方法だったのです。
「逆クロスSWOT分析」は使い方次第で結構面白いし、SWOT分析の経験がない人はこの「逆SWOT分析」から経験を積むのも一つの考え方です。
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