嶋田利広ブログ

SWOT分析コンサルタント

事業再構築補助金第1次採択で、不足が指摘されたマーケティング対策を具体的に書く方法

SWOT分析、事業再構築、経営承継可視化コンサルタントの嶋田です。

不採択理由対策 マーケティング戦略を具体的に書くフォーム.jpg

今回の第1次採択結果を踏まえて、不採択理由のコメントにあげられているのが

●本当にそんなに売れるのか、売れる仕掛けや対策が不足

●本当にそんなに新規顧客が集まるのか、販売チャネルの検討不足

●競合他者分析が不足、知名度のない会社がそこまで差別化できる理由が不足

●同業者ではそういう無料で行っているサービスがあるが、収益が上がる理由が見えない

●商品や戦略にイノベーションを感じない  等々

 

こんなものでした(当社の関連先からの聞き込み)

ほぼ全部「マーケティング戦略」に関するものです。

確かに中小企業庁の担当部長が行政事業レビューで指摘していた事です。

1,マーケティング戦略をフォーマットに追加

当社が無料で提供している「事業計画書フォーマット」には「根拠を書く欄」がたくさんあります。

しかし、書き方次第では「甘い書き方」「包括的書き方」「概念的な書き方」になるケースも多いようです。

そこで、下記の内容をフォーマットに追加しました。

詳細解説は、2で。

210626_事業計画書フォーマット追加①.jpg

210626_事業計画書フォーマット追加②.jpg

このフレームに確実に、具体的に書き込める事で、「マーケティング戦略」がかなり深掘りが可能です。

2,記載内容と書き方のポイント

前述のフォームの書き方がそれぞれコメント書きされているので、それを参照してください。

先ず、「新分野展開」の具体的ビジネス名の右側に4つの質問を具体的に書きます。

  • ターゲット顧客とニーズ

  この新規事業の具体的なターゲットとその顧客のニーズ。これはその前まで書いているものを転記    

  • 市場規模(売上予測につながる根拠)

  市場データ、同業者の売上、などか概算で、該当エリア内でどれくらいの市場があるか記載(そのうちの何%を狙 

  うかも記載)

  • 顧客獲得につながる取り組み

  そのターゲット顧客をとる為の直販の取り組み対策、販売チャネル開拓先、またそれが可能な理由を記載                       

  • マーケティング対策

 持続的な顧客開拓や売上維持ができるマーケティング対策を書く(広告費と新規リスト獲得、業務提携先開拓の仕掛

 けとシナリオ等)       

 

次に「市場規模の積算と顧客開拓の具体策」を書きます。

ココが薄いと審査する人は「そんなに顧客が集まるはずがない。持続的売上が上がるはずがない」といぶかる訳です。

「市場の新分野の市場規模」では、

  • 該当市場(ターゲット)での見込み客の数

 新分野で該当する顧客可能性の数(ネット情報や統計データから)。オンラインの場合は全国市場規模の概算を記載                                              

  • 該当市場での顧客当たりの売上

 新分野のビジネスでは、上記の該当顧客が購入する売上、個数、年間可能性売上を記載           

  • 今後の広がりの可能性

 この新分野は、該当可能性顧客だけではなく、今後どういう新ジャンルの顧客が増える可能性があるか、またその根

 拠を記載   

                                                           

「顧客開拓の具体策」では

  • 販路開拓(提携・代理店経由他)

  ※新分野の見込み客を開拓する為、販売代理店としてどういう提携先、代理店、問屋などと契約をする予定か。ま

   た既にどこまで話が進んで、どういう動きを先方はしてくれるか。

  ※代理店が動いてくれるためのインセンティブやツールは何を用意する予定か

  ※それを達成する為のプロセス目標として、「どういう企画を」「どういうサンプル配布先を」「どういうセミナ

   ー・展示会でのリスト収集を」「同行回数」「BotoB開拓のプロモーション回数」などのKPIを設定

  • 直顧客開拓(ダイレクトマーケティング、オンライン販売他)

  ※代理店や仲介業者を通さず、直接顧客開拓をする場合、どういう「売り方」「販売体制」で行うか。既に取り組

   みつつあり、成果の可能性のある具体策はどういうものか(直販、Web通販、見込み顧客リスト、会員制等)

  ※直販の場合、無料コンテンツ、試供品、無料デモ、サンプルなどはどんな準備を行い、見込み客開拓する予定か

  ※直顧客開拓の為に「どういう企画の回数」「オンラインセミナー回数」「アンケート収集数」「デモ回数・無料 

   サンプル配布数」「無料コンテンツからのメルマガリスト収集数」「動画・SNS広告配信回数」「プロモーショ   

   企画からのLINE登録数」などのKPIを設定

                                                     

                                                                                   

実際に、複数の企業の事業再構築計画書をレビューすると、上記のケティング戦略がか細い計画書が多いのが気になります。

1つか2つの販売チャネルに依存したビジネスモデルだと、それが狂った場合、事業モデル全般が崩れて「補助金をドブに捨てる」可能性が高くなります。

当社でも事業計画書レビュー時に、販売戦略は「3本の矢」を用意するよう指導しています。

最低でも3つ位の販売チャネル、見込み客開拓手法がないと、新規事業自体は安定しません。

補助金があろうがなかろうが、それは当たり前の事です。

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7月23,24,31日に時間を開けられる方、

「事業再構築計画書作成 20時間zoom合宿」で、クロスSWOT分析からくるマーケティング戦略を具体的に書きあげてもらいます。

この内容は仮に事業再構築補助金が採択されなくても、今後の事業性評価融資の経営計画書作成にも有効なノウハウになります。

詳しくはこちら

https://re-keiei.com/blog/swot/1471-20-zoom.html

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