【SWOT分析と事業再構築】事業再構築補助金は諫めるのも親切?
今ある「企業の強み」を引き出す中小企業SWOT分析コンサルタントの嶋田です。
質問 中小企業の新規事業の成功確率は何%か知っていますか?
実は、30%以内。でも実態は10%以内という見方もあります。
補助金を少しくらいもらっても、果たしてうまく行くのか?
昔の金融機関は「貸すも親切、貸さぬも親切」と言ったそうです。
必要な投資に対して、リターンも十分可能性がある借入金を貸すのは当たり前です。
しかし、無謀な投資に対して冷静な判断から貸さないという選択も中長期的には、先見の明のある親切という事でしょう。
今、話題の事業再構築補助金もまさにそういう状態かもしれません。
ある経営者から、こんな言葉を最近聞きました。
「あの事業再構築補助金って、経費の補填ができるから投資リスクが低いようだけど、結局新事業なんかその後の経費が大きいし、ダメな場合本業がさらに悪くなる。下手に補助金をあおって、新規事業の失敗で破綻する中小企業って、多いんじゃないですか」
まさにその通りだと思います。
今一番怖いのは「補助金ありき」で、経営者も認定支援機関である会計事務所も動いている事です。
1,新規事業コストはランニングコストの方が大きい
実際に新規事業や多角化を進めると、初期投資額よりランニングコストが経営を圧迫していきます。
初期投資は借入や持ち合わせの現金で計画を立てます。
予定通り収益が上がれば御の字です。
しかし、想定した通りにいかないのが新規事業です。
ランニングコストがかさみ、本業の利益を蝕み経営の歯車が狂う事も少なくありません。
2,後発事業が簡単に勝てるわけない
どの企業でも新規事業や多角化で参入する分野には先発企業がうごめいています。
そして長い期間の経験でノウハウも人脈もため込んでいます。
そこに「新規事業」「多角化」「業態転換」として、後発組として新規参入するのです。
本当に特別の差別化ノウハウ、特定顧客限定のニッチ市場などで「優位な理由」なくして成功する事はなかなか難しいでしょう。
中小企業白書2017年版によれば、中小企業での新規事業成功確率は30%弱。
3社に1社しかうまく行ってないとデータがあります。(何をもって成功というのか、本当にこんなに成功と答えた経営者がいるのか?実態はもっとひどいのでは)
という事はいくら事前経費が2/3補助されたとしても、成功しない可能性の方が高いという事です。
3,成功の可否を決める「使える強み」と「経営者の持続力」
結局、新規事業成功の可否は今ある経営資源、活かせる強みと経営者のやる気と持続力です。
●本気でしたいのか、
●やり続ける自信はあるか
●補助金がなくてもやりたい事か
●その新規事業が後発ながら続く具体的な根拠は何か
こういう事を自問自答して、それでもやりたいなら、支援するのがコンサルタントや会計事務所です。
安易に「補助金ありき」で話を進めてはいけないと思います。
4,社長がしたい新規事業は疑ってかかれ
当社がSWOT分析でいろいろな角度から可能性を見出すお手伝いをしていますが、「新規事業は簡単ではない」という姿勢で質問や分析を進めています。
その証拠に「強み」を商品化する際にこんな質問を必ず投げかけます。
①その強みって、御社しかないのですか?
②競合しそうな他社にはその強みが活かせないのはなぜですか?
③なぜ、今までそんな可能性があるニッチ市場に、同業者は取り組まなかったんでしょう?
④他社が手を出さないには、何か理由があるんじゃないですか?
等、経営者のやる気をそぐような質問もします。
そうしないと、「後発組なのに勝てる理由」が見つからない為です。
簡単に言うと、「社長がしたい新規事業は先ず疑ってかかれ」という意味です。
5,新規事業SWOT分析で、断念したケースも多い
実は新規事業SWOT分析を過去にも相当数行ってきました。
その中で、SWOT分析の結果新規事業への参入を断念したこともしばしば。
それは「勝てる理屈が合わない」からです。
それでもそれを乗り越える「経営者のやる気と本気」があればそれ以上は諫められませんが。
SWOT分析を通じて、
●理屈の合わない新規事業・多角化
●思い込みと理想だけで燃え上がる新規事業・多角化
●すぐにレッドオーシャンが見える新規事業・多角化
●敢えて自社がする必要がない新規事業・多角化
をあぶりだし、諫める為にも「SWOT分析」は必要でしょう。
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