【SWOT分析と事業再構築】会計事務所の本気度が試される「事業再構築補助金」対応
「企業の今ある強み」を伸ばす 中小企業SWOT分析コンサルタントの嶋田です
質問 会計事務所の経営計画書に根本的に欠けているのは何だと思いますか?
実は、顧問先の固有名詞の戦略へ落とし込んで聞かず、表面的な数値合わせでお茶を濁している事です。
でも、今回の「事業再構築補助金」はそれでは…
今回のコロナ禍での中小企業の支援策として「事業再構築補助金」が注目されています。
予算規模が1兆1500億円弱という大変な規模です。
まだ3月頭の段階では概要のみで、申請書のフレームも指針も出ていませんが、コンサルタント業界や会計事務所では、その支援に向けて既に動き出しています。
今回の「事業再構築補助金」は、コロナショックで本業の業績が厳しくなり、今後の生き残りをかけて新たなチャレンジをする中小企業の投資に対して、補助しようとするものです(コロナ融資の焦げ付きを少しでも防ぐ為の支援策とも・・)
ただし、ただ闇雲の新規事業・多角化する投資への支援ではなく、これまでの「強み」や「経営リソース」を活用する事が条件となっています。
さらに、申請書の収支計画・事業計画には「合理的で説得力のある事業計画書」が強く要求されるので、これまで多くの会計事務所が行ってきた「根拠の薄い、数値羅列型の事業計画書」では、おそらく容認されないでしょう。
仮に「根拠の薄い・合理的説明のない」事業計画書で審査にパスして補助金が下りたとしても、「持続性の内容が薄い」為、早晩「事業が継続せず途中挫折」に追い込まれる可能性も高いのです。
そういう観点から、今会計事務所が「事業再構築補助金」支援に対して、どう取り組むべきかを考察します。
MAS業務やMAS監査を標榜してきた会計事務所の試金石となるのが、今回の「事業再構築補助金」でしょう。
1,合理的で説得力のある説明の為、各論のSWOT分析・クロス分析技術を高める
今回の「事業再構築補助金」では、『現在の企業の事業、強み・弱み、機会・脅威、事業環境、事業再構築の必要性』が事業計画に入れるよう指示されています。
これはまさに「強み」「弱み」「機会」「脅威」からなるSWOT分析そのものです。
当然、これまでの一般的に多かった「表面的・抽象的SWOT分析」では、意味がありません。
●いかに各論で固有対策まで表記するか
●しかも「強み」を深掘りし、その可能性分野をどう導き出すか
●「機会」でどこまで新たなニッチニーズ・ニッチ市場を見出すか
●「強み」×「機会」=「積極戦略」のクロス分析で、どこまでリアルな独自戦略を打ち出すか
が課題になります。
この為には、徹底したクロスSWOT分析のヒアリングとヒント力、固有名詞に落とし込む文書化力が求められます。
その技術を磨くには、はっきり言って「ロープレ経験」をたくさん積んで、現場で経験するという反復研修が必須でしょう。
2,クロスSWOT分析でUSP、商材、顧客、価格・数量、売り方・マーケティングまで落とし込む
クロス分析である「積極戦略」では、概念論ではなく、
●USP(独自のウリを全面に出して、後発企業として少しでも、特定の顧客層にアピールできるもの)
●商材(具体的な商品名、開発品、サービスの付随品、しかも同業者とちょっと変わった箇所があること)
●顧客(特定の顧客に支持される為、その顧客のニーズや属性)
●価格・数量(新商品の大体の価格、数量を年度ごとに概算で計算)
●売り方・マーケティング(どう売るか、Webではどうするか、SNSでは、パッケージは、露出は、等々)
こういうところまで聞きだし、フレームに整理します。
また、撤退縮小する商品や顧客についても具体的に整理します。
3,中期収支計画と具体策の売上、利益、経費を連動させる
クロスSWOT分析の結果は、中期の収支計画に反映されます。
●新戦略での売上と掛かる経費、投資、減価償却費
●縮小する既存商品・既存顧客の売上と連動して減る原価と経費
これらをクロスSWOT分析の内容と何回もシミュレーションを繰り返しながら進めます。
そして、そこに必要な資金計画(自前資金や補助金予定額)などのシートが追加されます。
4,戦略実現と行動展開の「ロードマップ」と「アクションプラン」まで入り込む
クロスSWOT分析も中期収支計画もここまでは、単に「絵に描いた餅」です。
それを現実化させるのが「行動プロセス」であり、中期のロードマップ(工程表)とアクションプランです。
●本当にできるのか?
●行動プロセスが甘いのではないか?
●他力本願の行動ではないか?
●自助努力で段階的に行うスケジュールか?
などがチェックポイントになります。
5,新規事業・多角化戦略が実行できる組織・仕組み体制の指導も行う
新戦略と収支計画、行動計画を決めたとしてもそれが実行されるにはモニタリングが必要です。
しかも、これまで新たな行動も挑戦もしてこなかった中小企業が、補助金があるからと言って、突然「経営者の行動力があがる」とも考えにくいのです。
危機感が出る事はありますが、「補助金は返さなくていいから」とモラルハザードになる可能性だってあります。
そこをモニタリングして継続指導していくのも会計事務所の役割になるでしょう。
6,最終的には監査担当者の「ヒアリング力」「ヒント力」「文書への落とし込み力」次第
事業再構築補助金の申請用紙が出てきて、上記のような議論をした結果、提出用のフレームに転載します。
恐らく、これらの手続きをせずに最初から「申請書フレーム」に「先ず書く」だけでなんとか、お茶を濁そうとする人もいるでしょう。
そういうのは「補助金ありき」の思想であり、「持続性のある新規事業・多角化ビジネスの事業計画」を支援は二の次と思っている人でしょう。
無責任極まりないと言えます。
中身が「合理的で説得力のある事業計画」にするには、
●ヒアリング力…いかに具体的に聞きだし、固有名詞へ落とし込むか
●ヒント力…アイデア意見が出ない経営者に、考えやすいヒントや事例をいくつ出せるか
●文書への落とし込み力…5W2Hや固有名詞、ロジックのあった文書にできるか
こういう技能が監査担当者には求められています。
こういう技能強化の為に、早急に研修やマニュアル化、動画化を図り、監査担当者だけでなく、顧問先経営者にも学習してもらう事が必要です。
今回の「事業再構築補助金」のサポートは、会計事務所の収入に貢献するでしょうが、それだけ責任もある訳です。
真剣に「SWOT分析」の「ヒアリング力」「ヒント力」「文書への落とし込み力」を磨く事が肝要ですね。
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