嶋田利広ブログ

SWOT分析コンサルタント

コロナ不況で具体策が見えない時のSWOT分析の進め方

facebookカスタムネイルコロナで先が見えない時のSWOT分析

 

今回のコロナショックではSWOT分析もいつもと同じような使い方ができない、という声が複数届いています。

戦略も作戦も「需要消失」という前には打つ手がないといったところです。

特に飲食店ではテイクアウトを増やそうが、根本的な解決策にはならず、しかも営業時間自粛が再度発令される状況です。

一番大きい人件費、家賃が払えない状況では「SWOT分析」で「事業の選択と集中」と言っても空しい感じもするでしょう。

では、この状況可下では「SWOT分析」は無意味か、といえば当然そんな事はありません。

むしろ、こんな時こそSWOT分析を使っていろいろな可能性を探ってほしいと思います。

 1、店舗型の場合の「コロナ対応型SWOT分析」の進め方

飲食店が一番分かりやすいですが客席が50席あっても、飛沫感染を考えソーシャルディスタンスを取ると25席しか取れない場合があります。

また5名以上の会食は控えるようにといわれると、団体の予約は取れません。

特に夜の飲食店では「感染拡大に根源」みたいな言われ方をされるとなかなか積極営業もしづらいです。

稼働率がMax50%で利益を出す事はほぼ不可能でしょう。

その分人件費を抑える事は可能ですが、それでも収益見込みは立ちません。

ではそういう場合、SWOT分析でどんなところを見ていくのでしょうか。

一つは再度「強み」を見直します。

「強み」の中に、新たなビジネスモデルはないか。

これまでの来店型飲食以外に何が考えられるか。

例えば、厨房と客席という資源を使って新しい「仕出し業務」を考える事も一つです。

また、ウーバーイーツを使って配食サービスも可能性があるかもしれません。

更にその店の立地場所を活かして、他の事業で何かできないか、など「今ある経営資源から強み」を徹底して考えます。

「そんな事したって、直ぐには売上にならない」と諦める経営者もいますが、ある意味withコロナの先を見た新展開を議論してほしいものです。

もしかしたら、今の店は畳んで新たな挑戦のSWOT分析かもしれません。

 

2、サービス型の「コロナ対応型SWOT分析」の進め方

店舗型や施設型にように固定費がドーンと重くのしかからないサービス型の場合は、コロナであれ何であれ「知恵の勝負」になります。

これも今ある「強み」や経営資源を分析し、withコロナでどんなニッチニーズが生まれるかを議論する所から始めます。

キーワードは「リモート」「在宅」「個別」です。

今までのように集合型、対面型が難しい訳ですから、それに相応しいサービス開発が求められます。

徹底して顧客属性ごとにニッチニーズを整理しましょう。

特にWebやSNSを使った販売方法を追求していくと、そこにどんなサービスが適合可能な見えてくるのではないでしょうか。

 

3、需要消失企業の「コロナ対応型SWOT分析」の進め方

今回のコロナで言えば、航空業界、観光業界がそうです。

いきなり需要が消失したのですから、自助努力と言っても直ぐ限界が来ます。

また米中摩擦や日韓摩擦からある日、突然市場を失う企業もあるかもしれません。

そんな場合は失った販路以外の新規販路開拓に的を絞ったSWOT分析になります。

また、この需要消失が当面続き、事業モデル事態の継続が困難な場合は「業態転換・新規事業SWOT分析」に舵を切る事も必要です。

 

4、コンサル指導のSWOT分析では答えは見つからない

もし、SWOT分析のコンサルティングや指導をしてきた方が、どちらかと言えば「答えを教える的SWOT分析やコンサルティング」をしているなら、ほとんど答えが出ない時代です。

誰も答えが分からない時代のSWOT分析は、経営者や幹部が知っている経営資源や可能性、顧客からヒントなどを徹底して聞き出し、新ビジネスモデルの発見と構築が重要です。

しかも、目先の経営計画ではなく、3年後5年後を見た新たなビジネスモデルです。

目先の収入対策はどれもこれも経費倒れのような感じです。

抜本的な改革ならゆうに2年は掛かるでしょう。

問題はその間に資金が続くかです。資金手当てが最優先です。

特に緊急融資のコロナ枠で受けたもには返済据置期間が来たら、一気に資金繰りが厳しくなります。

だから、場合によっては赤字をだしながら事業継続して資金流出をするよりも、休業撤退して人件費も家賃も減らし、そこから再生のアイデアを探る事も必要になります。

 

今回の「コロナ対応型SWOT分析」では、経営の抜本的な見直しや未来へのリスケジュールが求められる、大変厳しいものです。

支援するコンサルタントや会計事務所もいい加減な姿勢で臨まない事が大事です。

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