嶋田利広ブログ

SWOT分析コンサルタント

SWOT分析 不適応業種

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SWOT分析は、もともとマーケティング戦略としてのツールです。「強み」×「機会」で「積極戦略」という、ニッチニーズに絞られた経営資源をぶつけて「事業の集中策」を決めます。基本は「自助努力」による「新収益源」の可能性があるかどうかです。

一見、民間事業ならどこでもいけそうですが、業種によっては「切り口」を間違えると「具体的な糸口」さえ見つからないケースがあります。政府機関や第3セクター、NPOなら「観光系」「有料サービス系」などの「自助努力」による「打開策」が可能な場合はOKですが、無償のサービス、公的支援などになると「自己収益」を求めない為「差別化のみの具体策」になります。

それでも、他の自治体と差別化したいなら意味はあります。そこで、これまで数多くのSWOT分析をしてきて、不適応業種の可能性があるものをいくつか紹介します。特に「積極戦略」が難しかったケースです。事業の選択と集中として「リストラ」や「撤退縮小戦略」を考えた「経営改善計画」を立てる場合は、どの業種にも適応できます。

しかし、「成長戦略」や「独自化戦略」では、正攻法だけでは検討が難しい場合があるのです。ただ切り口さえ違えば、これから紹介する不適応業種も「SWOT分析」の効果があったかもしれませんが。失敗事例として参考にしてください。

1、官公庁100%依存で技術的差別化がない建設土木業

これは民需を狙わないと決めている企業で、技術的な差別化要素がない建設土木企業です。

しかも、元請に技術があってもその下請けの下請けだったり、「価格」や「人間関係」による受注がほとんどの場合です。

この場合「機会」は元請次第だし、「強み」も「良い点」を列挙するばかりになりがちです。

しかし、技術的なものがあれば「強み」から議論し、それが使える民需の「機会」を引っ張り出す事ができます。

2、元請100%の下請で自由度がない企業

特定の元請企業からの下請や構内外注みたいに、自助努力での商品開発やサービス開発が不可能なケースです。

その元請が成長すれば自然に成長し、元請が失速すればそれに合わせてリストラを余儀なくされる事です。

ここも技術さえあれば「脱元請」として別事業や別会社で、その「技術」が使える新たな「機会」捻出は可能です。

3、荷主依存で、強制的にカテゴライズされている物流企業

これも元請に規制の中で「価格」と「品質」でビジネスを提供しています。荷主獲得も持っている区域や車両、物流センターなどの設備が必要な場合、おいそれと「機会」が出ません。仮にニッチニーズが出ても、それは違う業者のテリトリーで独自に広げる事ができないと「機会」が弱くなります。

例えば、新たな物流商品のニーズが増え、負担の少ない設備投資をすれば自社の「強み」が活かせるなら、それは可能です。とにかく制約要件が多い業種は難しくなります。

4、やれる範囲が決まっている医療介護

保険制度や行政の指針によって「横並び」の管理をされる医療介護業界。SWOT分析が役立つには、医療の場合は「事業展開(介護分野拡大)」を考える場合です。施設の拡大や新設、病棟転換などですが、地域の医療事情で「それ自体が収益になるか不明」「競合が多くて差別化ない場合」は「機会」が制限されます。

患者のニーズが即ち「機会」となりにくい事もあります。また介護の方も事業展開には地域によっては総量の制限があるので、事業展開だけで「機会」を出すのは難しくなります。むしろ「自費事業」をどう増やすかなどの「機会」と「強み」は掛け合わせる事が可能です。

5、法規制やルールでがんじがらめの業界

「あれはダメ」「これをやってはペナルティ」など、自助努力の事を派手にしようものなら、コンプライアンスに引っかかる業種も厳しいでしょう。そこも「その法規制以外にも使える独自の技術」があればまだ可能ですが。

6、本当の不適応業種は、経営者の「ネガティブ思想」

これらの業種の中にも、SWOT分析でいろいろな戦略や経営計画を立てた事があります。前向きな経営者や幹部なら、少しでも可能性のある意見を言います。それに沿って深掘りすれば、「小さな可能性と使える強み」にセットは十分あり得ます。

しかし、何をどう質問しても「否定的な回答」「できない理由」ばかり話してくる経営者幹部から、正直ムリと諦める事もゼロではありません。その場合は、「戦略」ではなく、「戦術」の具体策で何とかカタチにするのが精一杯です。

 

SWOT分析を進めていく時、「機会分析」が遅々として進まない場合、「独自性のある強み分析」に時間を使って深掘りする事もよくある現場のやり方です。

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