広告・マーケティングの分野で圧倒的な実績と知名度を誇る「宣伝会議」からオファーをいただき、今年6月、東京・青山の本社スタジオにてオンデマンド研修の収録を行ってまいりました。
2024年に出版した「事業承継見える化コンサルティング事例集」を読んだ企画担当からのオファーでした。
「相続税や財産相続承継の本も研修はいろいろあるが、非財産相続承継の見える化に特化した事例は少なく、この本のノウハウや事例は今後の『事業承継研修』の重要なカテゴリーになります。」
という感想を言われていました。
その実践講座がいよいよ10月よりスタートいたします。
マーケティングや広告の総本山ともいえる宣伝会議で、なぜ今「事業承継」なのかと驚かれるかもしれません。
しかし今、多くの中小零細企業で起きている承継問題の本質は、財務テクニックの不備ではなく「現場のコミュニケーションや判断基準が伝わっていないこと」にあります。
自社株や相続税対策などの“財産承継”をいくら完璧に整えても、現場が機能停止に陥る企業が後を絶ちません。
本講座は、これまで放置されがちだった「非財産承継」をいかに言語化・見える化し、確実なバトンタッチを実現するかを徹底解説する実践プログラムです。
1:株や税金対策は完璧でも起きる「事業承継あるある」の悲劇
事業承継支援の現場で、コンサルタントや会計事務所の職員がもっとも頭を抱える典型的な光景があります。
それは「自社株の引き下げや納税猶予の手続き、生前贈与のスキームは非の打ちどころがないほど完璧に完了したのに、いざ社長が交代した途端、社内が大混乱に陥る」という悲劇です。
実際にある製造業で起きた事例です。
顧問税理士の緻密な支援のもと、数年がかりで後継者への自社株移転と代表権の交代を無事に終えました。
周囲も「これで事業承継は一段落」と安堵していた矢先、大事件が起きます。
会長となった先代が、役員会で新社長が正式に下した設備投資の決裁を「俺はそんな話は聞いていない!」と一言でひっくり返してしまったのです。
幹部社員は新社長と会長のどちらの顔色をうかがえばよいかわからず右往左往し、工場長は板挟みになって退職を申し出る事態にまで発展しました。
新社長は「形だけの社長交代だったのか」と完全に自信を喪失してしまいました。
なぜこのような悲劇が起きるのでしょうか。
原因は極めて明白です。
「株式や資産という“財産”はきれいに引き継いだが、誰がどこまで決めてよいのかという“権限と意思決定の基準”が一切引き継がれていなかった」からです。
お金や法律の形式を整えることと、生きた組織のバトンを渡すことは全く別物であるという現実を、支援者も当事者も見落としていたのです。
2:古参幹部との摩擦と後継者の孤立──防ぐ鍵は「非財産承継の見える化」
もうひとつの深刻な「あるある」が、後継者と先代を長年支えてきた「古参幹部」との感情的な対立と、それに伴う後継者の孤立です。
先代社長がトップダウンで引っ張ってきた企業ほど、社内には「創業者のあうんの呼吸」を熟知した番頭格の幹部がいます。
後継者が満を持して就任し、新たな方針やデジタル化を打ち出そうとすると、古参幹部から
「先代はそんなやり方はしなかった」
「先代の苦労も知らない若造が」
と強烈な反発を受けるケースが散見されます。
後継者からすれば、会社を成長させようと必死なだけなのに、社内に味方が誰一人おらず、四面楚歌の状態で私のところに相談に来られる後継者は後を絶ちません。
先代はよく
「仕事の進め方や判断基準なんて、背中を見て覚えればいい」
「以心伝心で伝わるはずだ」
と言います。
しかし、その「背中」という名の暗黙知ほど危険なものはありません。
時代環境が激変する中で、言語化されていない経営哲学や判断のよりどころを、そのまま引き継ぐことなど不可能です。
曖昧だからこそ感情のぶつかり合いが生まれ、疑心暗鬼が組織を蝕みます。
だからこそ必要なのが「非財産承継の見える化」です。
先代が頭の中で何を基準に取引先を選び、危機管理を行い、人を評価してきたのか。
それを具体的な言葉と文書に落とし込むことで初めて、先代・後継者・幹部全員が同じ基準を共有できるようになるのです。
3:『事業承継見える化講座』で公開する実務ツールと具体的ノウハウ
今回、宣伝会議様で開講するオンデマンド講座『事業承継「見える化」コンサルティング事例集』実践講座では、精神論や抽象的な経営論ではなく、現場ですぐに使える具体的な「実務フレームワーク」を余すところなく公開しています。
講義で特に重点を置いているのが、以下のツール群です。
第一に、「承継10か年カレンダー」です。
いつ、どのタイミングで権限を委譲し、どの業務をどの順番で後継者や幹部に手渡していくのかを時間軸で視覚化します。
これにより、先代の「まだ早い」という引き延ばしを防ぎ、後継者も先を見据えた準備が可能になります。
第二に、先代と後継者の衝突を物理的に防ぐ「決裁権限マトリクス」と、先代の暗黙知を言語化する「経営判断基準書」です。
日常業務の決裁範囲を50万円未満、300万円未満などの金額や重要度に応じて明確に区分し、「どこまでは新社長の一存で決め、どの重要事項は会長に相談するのか」を一覧表にします。
あらかじめ白黒つけておくことで、現場社員が迷う余地を完全に排除します。
さらに、親族内承継特有のドロドロとした感情対立を解消するための「感情の文書化」など、私が40年以上の現場経験を通じて開発・実践してきた泥臭くも確実なノウハウを詰め込みました。
士業やコンサルタントの方が、顧問先にそのまま提示して伴走できる実務直結の武器を提供いたします。
4:支援者・後継者が今こそ身につけるべき「事業承継伴走力」
いま、会計事務所や経営コンサルタントに求められる役割は歴史的な転換点を迎えています。
これまでのように、決算書を作成し、税務申告を滞りなく進め、節税や自社株の評価を下げるだけの関わり方では、顧問先の本当の存続を守ることはできません。
顧問先が本当に求めているのは、
「社長交代前後の激動期に、先代と後継者、そして現場の間に立ち、スムーズな橋渡しをしてくれる第三者のファシリテーター」です。
税務や財務の数字に強い会計事務所や士業だからこそ、そこに「非財産承継の見える化」というスキルが加われば、他社には決して真似のできない唯一無二の伴走型支援が可能になります。
先代にとっても、自分が心血を注いで築いた会社の理念や強みがしっかりとドキュメントとして残り、後継者や社員に受け継がれていく姿を見ることは、何物にも代えがたい安心感につながります。
後継者にとっても、先代の勘や経験値が「判断基準書」として明文化されていれば、不要な摩擦を恐れずに自信を持って舵取りをスタートできます。
事業承継の失敗は、企業の廃業や雇用の喪失に直結します。
日本の地域経済を根底で支える中小零細企業の未来を守るために、今こそ支援者と経営陣が一体となって「非財産承継の伴走力」を身につけるべき時が来ています。
10月よりスタートする宣伝会議のオンデマンド研修「『事業承継「見える化」コンサルティング事例集』実践講座 ─ “非財産承継”の極意」は、忙しい経営者や後継者、日々顧問先の対応に追われる士業・コンサルタントの皆様が、場所や時間を選ばず隙間時間に実践ノウハウを学べるカリキュラムとなっています。
なお、宣伝会議の本オンデマンド講座は、従来弊社が主宰して多くの専門家を育成してきた本格プログラム「経営承継戦略アドバイザー検定オンライン講座」のエントリー版という位置づけでもあります。
「事業承継の現場でなぜトラブルが起きるのか」
「非財産承継をどのようにツール化して進めればいいのか」
という肝心のエッセンスを、まずは手軽に体感していただける絶好の機会です。
現場の大混乱を防ぎ、円滑なバトンタッチを実現するための第一歩として、ぜひ本講座の受講をご検討ください。
こちらが講座のLPです。募集開始は10月からです(今月中は申込できません)
https://www.sendenkaigi.com/marketing/courses/book_book_biz-succession-visualizing/






