嶋田利広ブログ

中小企業のコンサルティング

パートさんをやる気にする人事考課コンサルのポイント

今の人手不足はパート募集にも影響しています。ある地域では、大手飲食チェーンがパート募集の時給を1000円にして、この地域の時給相場に風穴を開けました。これで一気にパート募集時給相場は上がりそうです。しかし、それ以上に大事な事は、今いるパートさんが辞めてしまう事です。

せっかく、高い時給で採用したパートさんが次々に辞めていては、「高人件費、低品質」という悪夢が繰り返されます。そこで、パートさんの時給の昇給を決める人事考課についてどういうポイントを重視すべきか、ご紹介しましょう。

1、「仕事姿勢偏重の人事考課」は反発が出やすい

もともとパートさんは正社員と違い、その職場で超長期間就業しようと思ってません。だから、気にしているポイントは「時給」と「人間関係」です。そこに「積極性」「責任感」「協調性」などの一般的な評価基準をもってきても、反応が鈍いでしょう。それは、一般的な評価基準は、客観性がないからです。「私は責任感をもって頑張っています。私のどこが責任感が薄いというのですか?」と言われると、論理的に説明がしにくいものです。だから、正社員に使うような「一般的な人事考課基準」は運用が難しいといえるのです。

2、パートさんの時給を上げる基準は「マルチタスク」

笑顔が良いとか、挨拶が良いとかは、行動規範を作成してパート教育で行います。それのレベルで人事評価しても、「だったら、もっと笑顔を頑張ろう」とはなりません。それよりも、誰が見ても分かる評価基準は「マルチタスク」です。

高時給のパートさんは、普通の時給にパーチより、仕事種類が多いから時給が上がるという事なら、理解が得やすくなります。「後100円時給を上げるには、〇〇と◇◇の仕事ができるようになればいいんだな」という事で一般的な評価基準の「積極性」も増えていきます。

3、時給アップの評価に使うパートさんのマルチタスクの種類

ではどんな「マルチタスク」があるのでしょうか?飲食店の事例で考えてみましょう。

今まで飲食店のホールで普通に、接客応対し料理を運び、バッシングをしています。時間に余裕ができると、洗い物や掃除をします。それが一般的なタスクです。しかし、それには時給を大きく上げる要素がありません。そこの他のタスクを入れて、その合計で時給楽を決めます。例えば

  • 3か月未満指定された新人パートの接客チェックと面談指導ができる
  • クレームやトラブルを言うお客様に丁寧に対応でき、クレームの1次対応ができる
  • 休日・時間シフトの融通性(急な出勤でも)対応できる
  • POP、ポスター、告知のコピー、文字書きを担当者の作業支援ができる
  • 自分に知り合いや関係者を店に紹介してくれる
  • 店販商品を知り合いや関係者に紹介してくれる
  • 配膳、バッシング時にお客様の具体的な声を収集し、店長へ報告できる
  • 定期的に店のカイゼンアイデア(メニュー、接客、管理)を出せる
  • 見映え良い盛り付けアイデアと補正ができる

など、店が求める施策の連動した内容を提示し、それに5.4.3.2.1の配点基準を決めます。それを合計した点を時給をリンクさせます。

4、マルチタスク評価後の個人面談が大事

どんな評価基準でも、大事なことはフィードバックです。パートさんの不足箇所、現在の到達レベル、達成度などを個別の説明し次の個人目標設定を上司と共有化します。ここではコーチング面談を意識します。

「求められることと評価基準が明確」で、職場の人間関係が良いなら、離職は減るし、また知り合いを紹介してくれることもあります。

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