嶋田利広ブログ

中小企業のコンサルティング

予定議題と違う緊急議題で始まる経営会議

経営会議や役員会に参加してコンサルティングを行う場合、概ね事前に議題は決まっている場合が多いと思います。

  • 前回の経営会議での決定事項の進捗確認や保留事項の処理の確認
  • 経営計画書のアクションプランからの議題
  • 今、追っている重点課題の進捗確認  等々

ほぼ、予定議題はこういう観点から決まっており、それが経営会議の時間の半分を占めるのが理想とされています。ところが、中小零細企業の場合は、予定議題とは全く違う「緊急課題」ばかり、毎回発生し、予定議題を議論することができない事が続きます。そうすると、コンサルタントはどう対応すればいいのでしょうか?予定議題とずれると、途端に対応できない方もいるようです。

1、元来中小零細企業では何があるか分からないというスタンスになる

予定議題中心の経営会議とは、少し企業レベルの高いクライアントになるようです。もともと中小零細企業は「予定議題」通りに進まないと思ったほうがいいですね。しかも、経営者の中には「熱しやすく冷めやすい」方も多いですね。「前回、あんなにこの課題が重要だから、次回はしっかり対策を決めましょう」と熱い思いがあったにもかかわらず、経営会議前に「社長、前回の〇〇の件、今日しっかり決めましょうね」と確認すると、「それも大事ですけど、〇〇の問題があるから、今日はこちらを決めて徹底しようと思います」と。

私などもそうですが、事前に前回の議事録を確認し、必要な資料やツールも整理して、経営会議に臨みます。すると、そんな準備なんか全く関係ない経営会議になってしまいます。でも、そんなもんだと割り切りが必要ですね。

2、大事な「経営会議」前の社長面談

私も事前確認しない事で失敗したことがあります。それは、ある経営会議で時間ぎりぎりに到着したので、経営者と下打ち合せができずに経営会議に入りました。私が司会と書記を行うので、「それでは、前回テーマだった〇〇の件を今日は決定したいと思います。では〇〇専務、その後の進捗状況はどうですか?」と開催のけじめ後に行ってしまいました。すると、皆少し戸惑った様子で経営者の顔を見ていました、

そして経営者から「先生、今日はそのことではありません。実は事前にお話しするつもりでしたが、〇〇が起こってしまって、その解決を決めなければなりません。そちらの議題お願いします。」と。

しかし、事前の打ち合わせもできてない状態で、話の趣旨が見えません。結果しどろもどろで、単なる進行役でしか役割を果たせませんでした。改めて、「経営会議前の経営者面談の重要性」を認識した瞬間でした。

3.突発的な緊急課題も、これさえやれば大丈夫

まず、事前に経営者から緊急課題の話を聞いておけば、心の準備もできますが、どうしてもそれができずに、いきなり経営会議という場面もたまにはあります。その時は、

  1. 無理な司会進行を止めて、相手のペースに合わせる
  2. ファシリテーション技術を多用し、相手に合意形成を促す
  3. その緊急課題に対してどうしたいのか、方向性だけを先に経営会議の場で経営者から聞き出す
  4. その方向性にそうような議論や決定事項誘導を心掛ける

こういう場面では、決定事項をいかに誘導するかが大事であり、その中身がわからない議論にあまり首を突っ込み過ぎると、コンサルタントのせいで議論の停滞を生みます(状況がわからないのはコンサルタントだけで、あとのメンバーはみな知っている状態)コンサルタントが事情把握する時間のロスが発生するわけです。だから、自分の事情把握より、決定事項誘導に軸足を移すことが必要だと思うのです。

経営会議はこちらの想定通りに進むものでもありません。だから、フレキシブルに対応する為にも、心の余裕が欲しいところです。

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