嶋田利広ブログ

中小企業のコンサルティング

「全社一丸」社員の心を動かす、社長の方針説明の仕方

SWOT分析、KPI監査、採用サイト、事業承継「見える化」コンサルタントの嶋田です。

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会社組織を経営していくうえで、「社長の方針と社員のベクトルをいかに合わせるか」これが一番大事な事です。

多少の業績悪化や競合他社との勝負で後塵を拝したとしても、「全社一丸の組織」ならいつでも挽回可能です。

しかし、この「全社一丸」と言うのは、多くの企業でスローガンとして掲示されていますが、経営者や幹部、社員の温度差が大きければ大きいほど、むなしく聞こえるものです。

では、いかにすれば「経営者の思い」が社員の心の響き、やる気に火が着くのか?

1,自信を失った社員に「全社一丸」は響かない

会議では「業績未達理由」「クレーム報告」「顧客の不満」等が幹部はじめ多くの社員から報告されます。

「うちの会社って、世間の役に立っているのかな?」

「毎年、業績低迷で給与も上がってないけど、これからも厳しいよな」

「うちの会社の商品って、ダメダメじゃん」

こう思っている社員に「全社一丸で頑張ろう」と言っても、何の効果も出ません。

賃上げ機運が高まっている昨今、大手企業をはじめ思い切った賃上げをしているニュースを聞くと、中小企業で働く社員には「他所はいいなあ。うちでの昇給なんてせいぜい3000円だもんな」とため息をつく始末。

求人情報を見れば、いい条件で採用募集が出ています。

「もうこんな会社辞めて、転職しようか」と考える社員が増えても不思議ではありません。

会社も自信をなくしているし、社員も自信を無くしている。

まだ若い社員は、自社に見切りをつけ他社で新たな可能性を見出そうしていく中で「全社一丸」はまさに空虚。

 

2,社長の精神論にはもううんざり

具体的な商材もなく、新たな武器も設備投資もない会社の中で、社長は「まだまだやるべきことをやっていない。基本的な事をすれば必ず業績は上向く。だから頑張れ」とのたまう。

今、社員が欲しいのは「これなら勝てる」という武器であり、ビジョンです。

しかし、そういう具体的なチャレンジを社長自身がしていないのに「精神論」ばかり言っているのである。

最近の調査で、社員が辞める理由で潜在的な思いとして上位に上がっているのが、「この会社が変わらない」と諦めた時だそうです。

会社にも経営者にも、幹部にも「変化」を積極的に取り入れていない組織は、遅かれ早かれ見放される運命かもしれません。

 

3,「自社の強み」を再認識した時、社員は可能性を信じ始める

社員が自信を無くしているのは「自社の強み」を忘れかけて、「弱み」ばかりに眼が言っているからです。

また社長も幹部も「弱み改善」ばかり、指摘して「強みの再認識」や「強みを更に伸ばす努力」をしていない。

自社の「強み」、しかも「そう言えば、これってわが社の強みだなあ」と思う「潜在的な強み」を再認識させることが大変重要な時代です。

「強み」で成果があった過去があったはずです。

今でも「特定の強み」があるはずです。

それをもっと顕在化させ、実証事例を認知させることで、社員は「うちの会社って、まだまだいいとこあるじゃん」と思うようになります。

社長の方針説明は「自社の強みを論理的に説明し、それが顧客の声として上がっている事実」をことあるごとに皆には話すべきです。

社員も「自社の強み」を活かした仕事なら、嫌々ながらの業務ではなく前向きな気持ちに変わっていきます。

 

4,「良かった報告」を増やそう 

日本の中小企業での会議や朝礼での報告では「できなかったこと」の報告が多く、それに対する対策を議論します。

これは当然なのですが、それにしても「良かった事報告」があまりにも少ない。

今の会社が倒産もせずに存在しているのは、「悪かった事より良かった事が少しだけ勝っているから」です。

なのに、朝礼でも会議でも「悪い事」「できなかった事」の報告や訓示のオンパレードです。

状況を詳しく知らない若手や入社間がない社員は、こんなに「改善点ばかりの報告」だと「この会社、こんなに問題ばかりで大丈夫かな」を勘ぐってきます。

職場でも顧客からも、また取引業者からも「褒められた事」「良かった事」などのポジティブ結果が必ず、どこかで起こっているはずです。

そのリアルな良い現実も悪い報告と一緒に報告しないと、バランスが取れません。

「良かった事」報告ができるよう、経営者も幹部も現場から情報を聞き出し、フィードバックするよう心がけましょう。

但し、戦前の大本営発表のような「負けているのに、勝っている」と「偽情報」を出して国民を鼓舞しようとするのはダメですけど。

 

「悪い点」「弱み」「苦手」の改善や克服ばかりを言っても、社員は動きません。むしろ逆効果です。

しっかりとポジティブフィードバックをして「社員から誇られる会社」にするべきですね。

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