KPI経営KPI監査ノウハウ 簡単KPI監査モニタリングというメソッド
SWOT分析、KPI監査、採用サイト、事業承継「見える化」コンサルタントの嶋田です。
これまでKPI監査をする場合、KSF(重要成功要因)を捻出する方法として
⑴クロスSWOT分析からの誘導
⑵業界・業績の公式からの誘導
⑶ボトルネックからの誘導
という3つのロジックを中心にノウハウを紹介しています。
KSFが論理的根拠に基づいている事が大事だからです。
しかし、なかなかそこまで深くKSFを誘導することが、時間的にもスキル的にも難しいケースがあります。
その場合は「簡単KPI監査モニタリング」で提案すると良いでしょう。
「簡単KPI監査」とは、ある質問から経営者の売上や利益につながる具体策を聞き出し、それをKSFとして設定。
そのKSFからKPI(重要業績評価指標)を誘導するものです。
論理的根拠を深く考えず、経営者が日頃思っているKSFにフォーカスする事で短時間に「KPI設定」を行います。
下記シートがその全体像です。
とのかく1枚のシートで完結させるバージョンです。
1,売上の質問からKSFを導き出す
下記が売上の5つの質問とその質問の背景、そこからKPIのヒント一覧です。
業種や取扱商品によって「考えられるKPIのヒント」は異なるが、この5つだけの質問のフォーカスする事で経営者の答えが出てきます。
その時必ず「何故何故質問」「どうやってどうやって質問」を繰り出し、具体化を図ります。そうしないと右欄のKPIが行動プロセスとして大きく、検証不可能なものになる可能性があるからです。
このヒントを示しながら、下記の売上KSFを決めていきます。
2,利益の質問からKSFを導き出す
下記が粗利・営業利益の5つの質問とその質問の背景、そこからKPIのヒント一覧です。
粗利、営業利益のポイントはもっと広いのですが、ここでは5つに絞って質問とその聞き出すポイント、考えられるKPIのヒントを網羅。
ここでも「何故何故質問」と「どうやってどうやって質問」が重要になります。
そして売上KSFと同様下記の「利益」の欄の利益のKSFを書いていきます。
3,KSFからKPIを聞き出す
簡単KPI監査では、「売上利益の10の質問」から、売上、利益それぞれのKSFをいくつか聞き出します。
KSFからKPIへ誘導するには下記の質問をしていきます。
⑴そのKSFを実行しようとすると、どういう行動プロセスが必要か
⑵その行動プロセスの第一段階は何か
⑶その第一段階の行動プロセスを実行しようとすると、どの行動数や数値を上げる必要があるか
⑷その行動数や数値をKPIにした場合、当面どれくらいの数値目標が妥当か
⑸その数値目標が妥当な理由は何か
この一連の質問により、KPIが設定されていきます。
4,KPI監査時のモニタリグの書き方
ではKPIが設定され、実際にKPI監査モニタリングが始まります。
モニタリングの結果ではKPIの数字結果は「結果」欄に実数で記載。
その数字を聴いた結果、「対策」欄にそのKPI結果になった事実の理由とKPI行動をした結果、顧客や現場からの新たな反応の事実を記載。
そして次月又は翌々月までにどういう行動をするか修正行動計画を記載する。
ポイントはどこまでもリアルな修正行動計画を立てる事で、期日、担当名、新たな行動が確実に実行できるために仕掛けやツール類、コンテンツの作成など具体的に誘導する。
5,ある印刷会社での「簡単KPI監査モニタリング事例」
この簡単KPI監査モニタリングを実際に実行したある地方の印刷会社のケースです。
KPI監査をした際に修正行動のPDCAを行います。
それを実際に行っている議事録です。
この会社では当初毎月1回のKPI監査(業績検討会議)だったので、前回の対策(黒文字)に実行確認から入りました。
その後、当月次月のKPI目標を達成する為の、詳細な決定事項が出されます。
こういう流れを連綿と続けていくことが、「簡単KPI監査モニタリング」です。