KPI経営KPI監査ノウハウ 業績の公式からKPIを導く

SWOT分析、KPI監査、採用サイト、事業承継「見える化」コンサルタントの嶋田です。

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KSF(重要成功要因)を導き出す2つ目の考え方が「業績の公式」です。

どの業界や業種、部門にも売上や利益につながる公式が存在します。

それをヒアリングしながら、決めていきます。

1,売上の公式

どの業種にも「売上」が出来上がる掛け算がある。

代表的な小売業の考え方が『売上=客数×単価』と言われるものだ。

この客数や単価について、行動プロセスを掘り下げるとKPIになっていく。

それをいくつかの業界のKPIで事例を示す。

 

⑴ある飲食業の「売上の公式」

  ①売上=(常連客数+新規客数)×平均客単価

 ②常連客数=会員登録数+リピーター(常連)

 ③新規客数=リピータが連れてくる新規+SNSで見た新規+ホットペッパーで見た新規

 ④平均客単価=メイン定食+サブディッシュ+アルコール+セットコース料理+季節メニュー

 ⑤常連の来店率を増やす=クーポン・スタンプ+会員制度+メールコール数+誕生日プレゼント

 ⑥リピータが連れてくる新規=クーポン・スタンプダブルプレゼント+新規さんへのプレゼント+コーヒーサービス

 ⑦SNSで見た新規=facebook、インスタグラムへの投稿を前提にしたサプライズメニュー提供

このように、各公式の主要部分を小さく掘り下げると、そのままKPIになっていく。

この飲食店では、【売上=常連客数(会員登録+リピータ)×新規客数(紹介+SNS)×平均客単価(メイン+1ディッシュ+アルコール)】と簡易設定した。

そこで、どのKPIをどれ位強化するかで、売上が違ってくる事が分かる。

それを整理して表にすると、どこを強化すれば、収益貢献が高いか理論的に見えてくる。

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⑵ある小売業の「売上の公式」

  ①売上顧客単価×客数 

 ②顧客単価商品別販売個数×単価

 ③客数 =来店者数×買い上げ率

 ④来店者数=チラシ枚数×ポストイン枚数×DM発送数×キャンペーン案内リスト数

 ⑤買い上げ率=良い接客×販促POP×目玉商品×お値ごろ感×特典

 

⑶ある印刷会社の「売上の公式」

 ①売 上=有効顧客数×見積依頼数×見積決定率

 ②有効顧客数=新規開拓件数+既存のB客以上数

 ③見積依頼数=訪問回数×有効面談率×提案商材情報

 ④新規開拓件数=ターゲット顧客数×決定権者面談率×情報提供数×見積依頼率

 ⑤有効面談率=訪問数×決定権者面談率×商談時間

 

2,粗利の公式

粗利の公式では、製造・建設業の場合と販売サービス業では原価構成が異なる為、その企業の特性に合わせて設定する。

この企業では以下の4つの公式を上げた。

 ①原材料率の低減=ムダ資材の撲滅(端材数量)×部材仕様統一量×合い見積もり実施数×設計変更数×VE数 等々

 ②労務費の低減=部署別残業平準化率×正味作業時間率×多能化スキルマップ平均率 等々

 ③外注費の低減=内作率増加×外注先作業指導時間×外注先からの作業効率化提案数×購入品切り替え数  等々

 ④値上げの成果=原価高騰と利益推移グラフ提出数×価格交渉力のある商品数×値上受入でサービス維持or値段維持でサービス低下の選択数  等々

 

3,営業利益の公式

営業利益では販売管理費の中から、効率的な経費にする為の公式を設定した。

 ①適正人件費=ムダ残業の是正×残業平準化×多能職のスキルアップ×非正規雇用教育 等々

 ②効果的販促費・広告費=広告費用対反響×CV(コンバージョン率)×イベントコストと集客 等々

 ③効果的旅費交通費・接待費=旅費交通費対新規面談数×接待交際対新規紹介件数 等々

 

このように業績の公式」を深堀すればそのままKPI設定のヒントになります。

 

4,業績の公式を導くフレーム 

顧問先や関係先の「業績の公式」を下記のシートのヒアリングしながら設定する。

顧問先名を書き

売上に直結する「売上KGI(最終到達目標)」を決める。

そして、そのKGIを達成する為の公式要素、KSF候補を複数記載する。

そこから「KSF」では実施事項を絞り込む。

「KPI目標」をそのKSFから指標を決めていく。

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この例題のケースは以前説明した「KGI,KSF,KPI体系図」の事例企業である。

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こういう体系図を使って、KGI,KSF,KPIの意味づけをすると、経営者も管理職も良く理解してもらえる。

 

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