だから、職員のコスト意識が高まらないのか?
コスト意識向上の取り組んだいくつかの施設の話です。それらの施設では、(どこも同じですが)コスト削減の標語や目標が掲示され、経営者や役員は事あるごとに、「ムダの撲滅」「経費削減」について職員に話しています。しかし、経営者が思うような効果がでてない事にいら立ちを感じていました。
これらの事業も決して、ムダが横行しているというわ けではありません。一般の組織と同じようにムダ使いは意識しています。でも、それだけでは効果が出ていませんでした。
私は、複数の職員に聴きました。
私「コスト削減の効果が出てないと経営者が言っているけど、皆さんはどう思ってますか?」
職員「いやー、ちゃんとムダがないよう意識はしているつもりですけどね・・・」
私「では、何故施設長は、まだまだだと言うんですかね?」
職員「言われたことはやっているつもりんですけどね。収入が落ちているから、厳しすぎるですよ …」
私「…」
カイゼン活動の効果
多くの組織では、コスト削減については「言われた事はやっている」と職員は思っています。 ただ、それだけではコスト意識があるとは言えない のです。「コスト意識」とは、自発的に積極的に、問題を発 見し、解決策を考えるようにならなければ、成果は 出ません。そこで、私は、施設長や管理職にあることを提案し ました。
「やらねばならない」という理由で、コスト削減の手法をいくら注意して指導しても効果はないですよ。 そのコストがどうして発生しているのか、その根源 について職員に考えさせないと、自分の事として 考えてくれません。職員に考える機会を会議でも研 修でもいいから、与えて議論させませんか」と。 何故、私がそういう事を言うのか、 それはカイゼン活動のコンサルティングを長年して いると、成果の出ている施設の職員は、表面的なム ダ現象の対策を言うだけでなく、「何故、そのムダ が発生するのか」を考えるようになります。
ムダなコストが発生する理由が、職員の頭の中でつ ながった時、初めて 「ああ、なるほど、だからこんな無駄や経費が発生 するんだ。だったら、○○すればいいじゃないか」 と、自ら答えにたどり着きます。この本質は、人は言われてコスト削減の行動をしている間は、やはり他人事だと言うことです。自ら発生原因を考える機会があって、初めてコスト削減を自分の事と考えてくれるのです。
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