業務品質が上がる 病院施設の「見える化」②
業務品質があがる病院・施設の「見える化」の2回目は、「見える化」のポイントをご紹介します。
1、「見える化」のポイント①…「問題点の見える化」
「見える化」する事で、一番大事な事は、今どんな問題が上がっているのか、タイムリーに分かる事です。
「一番問題なのは、何が問題かが分からない事だ」
「本当の問題が分かれば、解決策は分かったようなものだ」
こういう格言が以前からあります。
問題の見える化とは、主に次の4つを指します。
- 「見える化」で異常が分かる事
- 異常や通常とは違う出来事を、隠さずにオープンにさせます。通常レベルを決めて、それの過不足は全て異常として、認知されるようにします。異常が早期に分かれば、早期に対策が打て、一大事には至らない訳です。
- 「見える化」で計画とのギャップが分かる事
- 計画達成度やある基準に対して、現状とのギャップが分かるように「見える化」します。収益、稼働率だけではなく、カイゼン提案数、登録者数など、その部門のKPI(重要業績指標=key Performance Indicator)の目標と現状の差を一目瞭然にして、差が大きい場合、もう少しで到達する場合のマネジメントに活かします。
- 物理的な「見える化」
- 口頭では間違いやすいし、文字ではインパクトがない、理屈を知っていてもついつい見逃しているモノがあります。そこで「シグナルの見える化」とは、異常やトラブル時に信号や光、音などのインパクトのあるツールを使い、全員が情報を共有でき、そこに意識が集中できるようにする「物理的な対策」です。
- 効果の可否の「見える化」
- 起こった異常やトラブル、問題点に対して施した解決策や具体策が、どう進捗しているかを明示します。また、どこまで解決したかもわかるようにする。場合によっては、更なる課題や問題点が上がるかもしれない。そこも「見える化」しておきます。
2、「見える化」のポイント②…「判断基準の見える化」
「見える化」して問題点を認識できるのは、「問題や課題、出来事に対して、基準」があり、その基準以外の事が起こったからです。という事は、すべてにおいて「業務基準」の有無で、問題認識力が変わってきます。例えば、ある職員には問題と感じ、即報告したものが、違う職員だと「まあ、ちょっと高いけどそれほど問題じゃない」と切り捨てます。人によって感覚が違うのに、それを放置して個人任せにしていれば、既にそこには問題の火種がある事になります。だから、一般的には、
- マニュアル
- 業務手順書
- 規定
- ルール
- ガイドライン
等をつくり、人による判断の違いを極力なくす訳です。
3、「見える化」のポイント③…利用者・家族の見える化
一番大事な利用者やその家族の声や、クレームではないが一歩手前のコンプレイン(不平)、またハッキリ言われた訳ではないが、くすぶっている「声なき声」などが、口頭報告を待つのではなく、仕組みとして全員に情報共有できるようにする事です。「誰がどうしたから、クレームやコンプレインがあった」からと、誰かの責任を追及する魔女狩りが目的ではありません。誰でもクレームやトラブルを起こすという前提で、気づいた人がお互いにリカバーしあう為の「見える化」です。口伝えでの情報、アンケート結果の情報、ヒアリング結果の情報、また聞き何でも、公開することが大事です。
4、「見える化」のポイント④…ナレッジの見える化
現場で役に立つのは、ベテランや経験豊富な職員の思考法やコツです。それらを写真、文書、動画などに「見える化」されたツールとして作成しておけば、若手の教育につながります。また、各ケーススタディを整理し、課題別、原因別にする事でいろいろな人のナレッジが共有化されます。最近では、動画によるナレッジの集積を、私たちのコンサルティングでも進めています。
「見える化」とは、使いこなす事で、本当に現場力も上がり、リーダー責任者のマネジメント力も飛躍的に向上していきます。
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