介護施設の教育は動画の時代
昨年位から、私たちがコンサルティングしている社会福祉法人や医療法人で、動画を使った教育を進めています。社会福祉法人や医療法人において、様々なコンテンツを動画化する事は多くのメリットがあります。
1、動画化のメリット
- 文書で長々と書かれたマニュアルは誰も見ないが、同じ解説を動画なら短時間で視聴できるので負担がない
- 動画で話す前にパワーポイントに整理する時、話す本人が一番勉強になる
- 教育機会や会議で同じことを何回も言わなけれならない時、動画なら「これを見て」で済む
- YouTube動画にすれば、一度に多くのスタッフが視聴できる
- レターや文書ではなかなか伝えられない表現も「しゃべる」動画なら、伝えられる
- マニュアルや文書を皆に配布すると場所も取り、コピー代もバカにならないが、動画ならデータ保存で誰でもPCやスマホから視聴できる
- 動画データだから何回も見る事で記憶もできるし、伝え間違いや記憶間違いを防げる
このように動画を使えば、様々なメリットがある訳です。では、どういう事を動画化すれば、患者利用者や職員に具体的なメリットが生まれるでしょうか。社会福祉法人の例を取って解説します。
2、リクルーティングビデオとして
これは、職員を採用する時、求職者が履歴書を送りたくなるような内容を解説します。
具体的には
- 採用したい職種や業務の具体的な内容と求める経験やスキル
- 法人の福利厚生や支援制度の魅力
- 教育制度の中身
- 人事賃金制度の訴求したいポイント
- 先輩職員に声(動画で数名から1分話してももらう)
- 職員をいかに大事にしているか、エピソード(経営者が語る)
こういう物を数分間、採用ページに貼付する事で、「求職者とのミスマッチ」を防ぎます。
3、家族通信ビデオ
入所の場合、毎月利用者家族宛に、請求書と共にレポートを出している施設もあります。大きな変化がない場合、毎月同じような内容になってしまい、そのレポートを人数分書くスタッフの負担もかなり大きくなります。そこで、家族向けのレポートも動画にして、数分だけ撮ります。
このメリットは
- 利用者の生の声が聴ける
- 利用者の出来事や変化が家族にも分かる
- 職員も利用者と一緒に撮影されることで、「担当者も良い人だ」と分かってもらえる
- 家族への要望も動画を通じて、提案できる(リアルなので家族も理解しやすい)
- スタッフもスマホでちょっと撮影するだけだから、レポート負担から解放される
この動画YouTube動画にして、利用者家族しか見られないようにします。そして原本データは施設が保管します。仮に利用者が亡くなった時も、葬儀でその動画の一部を、斎場で会葬者に見て貰う事も可能です。
4、介護相談に来た見込み客への丁寧な説明
はじめは何も分からず家族が相談にきます。多くの施設では、内容の説明をパンフをもとに淡々と説明されます。しかし、面談の後、その新規利用者見込み客に対して、家族の思いへの理解、家族や利用者が共に良い状態になる為の提案、今回の面談でのポイント整理を動画にして、メールにそのアドレスを貼り付けます。完全個別のフォローですが、そういう家族ケアをすれば、「この施設なら安心しておばあちゃんを任せられる」と思われるのではないでしょうか。
5、施設PR動画
例えば、ホームページで栄養課が「献立や食事に写真計算」をしています。プロ並みの写真なら、美味しそうに見えますが、素人が撮影したものは決して美味しそうではありません。しかし、調理風景の一部、盛り付けの一部、それを笑いながら食事している動画を掲載したら、いかがでしょうか。百の説明より効果的だと思いませんか。
6、ケアギバーへの啓発ビデオ
多くの施設では施設や介護の中身を中心としたホームページの構成です。確かに利用者本位のサービスは大事ですし、選ばれる基準でしょう。しかし、それと同時にケアギバー(家族の介護者)の心のフォローや大変さを分かってあげて、負担が少しでも少なる提案も重要です。何故なら、最終的に施設を決めるのは多くの場合、家族ですから。
このビデオでは、「在宅介護でよくある出来事」をあるある事例として紹介し、それに対する家族負担が少ない対応策を説明します。更に直接介護をする家族だけでなく、滅多にこれない遠くに住んでいる家族(主に介護者の兄弟)に対する対応策も指導します。細かい事ですが、離れて住んでいる兄弟は、直接介護をしている兄弟に大変さを分かっていません。だから、いかに大変かをビデオなどで紹介すると、それだけで直接介護のケアギバーは溜飲が下がるという物です。
7、差別化したいレクやサービスを動画撮影
どの施設にも「自施設のウリ」のサービスがあろうかと思います。それレクの一環であれ、利用者満足度向上の為に取り組んでいる事であれ。それを動画で撮影して、ホームページにアップします。ただ解説するだけでなく、実際に行っている風景も撮り、視聴者に理解しやすいようにします。
このように動画を使えば、利用者や家族とのこれまでのコミュニケーションのスタイルが大きく変わります。今当社でも複数に施設でこのような動画作成のプロデュースをしていますが、皆楽しんでやっています。文書のマニュアルを作成する時に雰囲気は大きく違いますね。
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