勇気がいるけど、ヒアリング調査は効果的

患者も利用者も、職員や管理職に前では、なかなか本音を言わない方が多いようです。家族にしても「してもらっている」「変な事を言えば悪い扱いをされるのでは・・」と思うご家族も多く、少しくらいの不満なら、胸のうちに収めておこうと思っている訳です。

元来クレームというのは、不満やトラブルが顕在化した場合起こります(最近はモンスターやクレーム癖のある人が、ちょっとのことでもいちゃもんをつけるケースも増えていますが)。大体、クレームは不満(コンプレイン)の10分の1という方もいますから、クレームが出たら、その10倍の不満があると考えた方が良いという事です。

では、そういう患者や利用者の不満をどうやって引き出すのでしょうか?

1、アンケート調査では限界

一般的に無記名アンケート調査をする事業所は多いですね。結果を数値化して満足度をグラフ化する場合に使います。無記名だから、本音が出るかと言えば、そうでもありません。仮に1点をつけられても誰がどんな理由で1点をつけたかが分からない訳だから、その真意が見えません。そして、その点数を5段階で配点しその数値結果に一喜一憂するのは、現場を見ていない経営陣クラスだけでしょう。現場の職員は管理職は、数値より、具体的なコメントに興味があります。いずれにしてもアンケート調査には、総体的な数値化はできても、アンケート項目の表現でもどうにでもなるし、あまり大きな意味はないように思います。

2、一番効果的な「ヒアリング調査」

もし、アンケート結果である程度の数値の傾向がでたなら、裏付け調査をして具体的な施策に反映すべきです。裏付け調査は、ヒアリング調査が一番効果的です。ヒアリング調査は、当事者の職員ではなく、管理職クラスが行います。ヒアリング調査はコーチング氏質問が基本です。その流れはいかの通りです。

  1. アンケート数値から傾向を把握し、「仮説質問」をつくる(点数が低い箇所をピックアップして『○○について、少し不満をお持ちの患者が何人かいるようですが、Aさんは、どう感じますか?』などで切り出す)
  2. 仮説質問は、「自施設を否定的に聴く」事がポイント(その方が患者利用者も言いやすいから)
  3. 抽象的な質問で聴かない(『当施設の職員の対応に不満がありますか?』みたいなことを聞いても答えにくい)
  4. 患者利用者が何等かの声や意思表示をしたら、必ず「なるほど、そうなんですね。何故そう思われましたか?」と最低でも3回は「Why」を繰り返す。
  5. Whyを繰り返す事で、真意やどんな出来事があったのか分かる
  6. Why質問をされることで、患者利用者は思っている事を言えて、溜飲も下がる
  7. 最後に「そういう事を言ってくれてありがたい」と感謝する姿勢を忘れずに。

 実際には何十人もヒアリング調査をしなくても、10人もすればほとんど真意や出来事が聴けます。

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