中小病院や介護施設での現実的な管理職登用方法

前回は「どんな人は管理職に不適で、どんな人を登用すべきか」の大まかな基準をご紹介しました。今回は、具体的な管理者登用の為の準備や事前研修の仕組みについてお話しします。

先ず、管理者登用の資格基準を文書で整理する必要があります。「介護部門の主任・係長になるとは、どんな事ができて、どんな業務ができ、どんな能力が要求されるのか」を具体的に文書化する事です。当然、その上の課長、フロアー長、部長、サービス責任者についても作成します。

「管理者登用資格基準」づくりのポイント

  1. 各職位に必要な実務経験年数を決める
  2. 各職位に必要な他部署経験(複数部署等)を箇条書きにする
  3. 各職位に必要な実績、貢献度を箇条書きにする

ここの基準が明確でないと、昇格後の意識にも差がでてくるので、最初に行う事が肝要です。

現実的な昇格試験のポイント

  1. 一般的な大病院や大規模社会福祉法人が行うような昇格試験(テスト)は中小組織には不似合いであり、馴染めない
  2. テストよりも、管理者になるには、現状の課題の原因と対策がより具体的に分かっているかどうかで判断する(現状分析力を見る)
  3. 昇進昇格認定期間(そろそろ昇格してもよい年度になったら)の該当者にロジカルレポート(論理的に問題点の原因追究とプロセスが明確な対策立案)を出させる
  4. ロジカルレポートの内容は「現状の課題」の原因分析(何故を3回のWhyロジック)、「原因分析」から出た対策を、どうすれば可能か(Howロジック)をプロセスまで入ったロジカルレポート 。
  5. ロジカルレポートを元に経営幹部(理事長、施設長、看護部長等)が面談する
  6. ロジカルレポートから様々な角度で質問し、経営幹部の合点がいくならOKを出す
  7. 合点がいけば、ロジカルレポートの行動計画をコミットメントとして取り扱う(コミットメント結果は最長1年間で結果が出るものに限定)

こういうレポートを書くのが苦手という人もいますが、論理的な思考力がなければ管理者は務まりません。

管理者予備軍実務研修

管理者予備軍の認定期間に入ったら、いろいろな実務経験を積ませて、その効果を判断して登用するものです。

  1. 昇格予備軍として昇格前にプロジェクトリーダーや各種委員長に任命し経験させる
  2. プロジェクトの期待成果や期待値、各種委員の長としての期待成果や期待値、文書化し説明する
  3. その評価で昇進昇格が可能になる事を理解させる
  4. 各種プロジェクトや委員会を推進する為の企画やマネジメントを経営幹部や外部機関を招いて数回の研修を行う…そこで進捗状況のチェックと再行動対策のアウトプットを出す
  5. 初級管理者研修(外部セミナー)、内部研修に参加
  6. 研修後レポート(感想文)はロジカルレポート
  7. 自学でのマネジメント研修(DVD研修等) です。

このように、一般の中小病院や施設では、実務直結の登用試験や仕組みを入れる事が重要だと考えます。

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