管理職不適格者を登用すると、後が大変。管理者資質の見分け方
今回のテーマは弊社主催のセミナーでニーズの高いテーマの一つです。多くの病院や介護施設では、いくら人材不足と言え、全く資質のない管理者に期待し、教育しても厳しいかな効果を上げる事はなかなか難しいものがあります。それ以上に組織、チームに問題山積の温床になる可能性が大きい場合もあります。
私たちも多くの病院や介護施設で人事や教育に携わりますが、そのトラブルを多く見てきました。先ず、今多くの事業所が行っている幹部登用の実態です。恐らく多くの事業所が該当すると思います。
事業所が行っている幹部登用の実態
- 「現場経験で評価が高いから」の順当昇格
- 「部下やメンバーからの信頼が高いから」のリーダーシップ期待昇格
- 「特定のプロジェクトや貢献が高かったから」の貢献度尊重昇格
- 「もう実務経験が長いから」と経験序列昇格
- 「同期入社のあの人も昇格させないとまずい」と横並び昇格
- 「管理者が辞めたから誰かに役職をさせないと」という空席回避昇格
- 「あの子は若いけど実務で評価が高いから」という抜擢昇格
- 「役職者にすれば意識が変わるのでは」という期待型昇格
- 「経営者・役員が気に入っている人材だから」という情実昇格
- 「本人から役職が欲しいと言われたから」という本人意思過剰尊重昇格
- 「転職してくる前の職場で管理者だったから」と前例踏襲昇格 これが悪いと言うわけではありません。
人材不足と仕組みができていない為、仕方ない部分はあります。ただ、「役職さえつければ」という経営陣の安易な気持ちがあるのも事実です。
どんな人材を管理者に登用するとリスクが高いのか
では、どんな人材を管理者に登用するとリスクが高いのか、いくつか整理しました。
- 実務に研究熱心で、なんでも自分でやらないと気が済まない人(権限移譲やサポ ート支援ができないので部下が育たない)
- 人間的に信頼感がない人(どこか胡散臭い、どこか暗さがある、陰で何をしている か不明、言葉に真実性がないなど)
- 短気でヒステリックな人(職場がギスギスする、部下が管理者の顔色ばかりに気を 遣うようになる)
- 自分の上司(経営幹部)への態度と部下への態度がかなり違う人(二面性は危険)
- 仕事(実務)はできるが、自分の事しか見えず、周囲の状況を客観的に見れない 人
- 部下や後輩に威圧的態度をとる人(幹部になるとその傾向がますます強くなる)
- 精神が繊細でストレスに弱い人(メンタルの問題になりやすい)
- 過去、メンタルで入院や通院した経験のある人(また繰り返される可能性が高い)
- 病弱な人(リーダーとしてここぞという時、頼りにならない)
- 報告連絡相談をせず自分勝手に物事を決めつけてしまう傾向の人(チーム運営 が難しい)
- すごく人柄はよい人間だけど、自分の意見をはっきり言わない人
- 組織や経営者のやり方を批判するだけで、建設的提案がない人(ネガティブ意見 で組織の意欲をそぐ)
確かにパーフェクトな管理者素質を持った人材がいることはあり得ません。しかし、確率論で言えば、「あいつで大丈夫かな?」と疑問がある人事を行った場合、60%以上の確率で当たっている事が多くないでしょうか。という事は、「だめだと分かっていたのに登用した」訳ですから、当然のように失敗したことになります。
どんな人材を昇格登用したら良いのでしょうか?
では、年齢や資格に関係なく、どんな人材を昇格登用したら良いのでしょうか? 10点にまとめてみました。
基本は「責任感で押しつぶされないか」「自己中かどうか」に集約されます。
- まじめ過ぎはダメ、適度な遊び心、適度のいい加減さがある方が潰れない
- 上にも横にも、下にもコミュニケーションが苦にならない人が良い(何でもメー ルで済ませようとする人は要注意)
- 自分だけで何でも片付けようとせず、他人から協力がもらえる気さくに依頼でき る人
- 今の職場で実務経験が3年以上あり、職場の癖も重々承知している人
- プロジェクトや何かの委員長を経験し、それなりに成果を出した人
- プライベートも気兼ねなく付き合える人
- 多少の妥協、相手の不手際もすぐ怒らずあり程度は許容できる人
- 困った時、悩んだ時上長や同僚に相談できる人(自分だけで悶々とする人は 潰れやすい)
- 1つくらいは実務の職務能力が部門で秀でている人(実務の地力がないと自 信を無くしやすい)
- 失敗したり、叱られたり、恥をかいても影響が長引かない人
こういう事を研修や教育、、面談を通じて育成する事が組織としては重要なことだと思います。
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