看護・介護職の離職を事前に防げ②(辞めたい人が思い止まる理由)

あと2か月もすると就職転職の区切りになりやすいシーズンです。また年度も変わり、転職市場が活発になります。病院や介護施設での職員の離職問題は、相変わらず重要な課題であることは間違いありません。もし介護職が激減すれば、高齢者福祉や介護の骨格が崩れます。

そこで政府は、また介護職への給与改善の政策を導入していますが、まだまだ足りないように思います。離職が課題だと言っても、 「辞めたい」と思った職員が、100%辞めるわけではありません。中には途中で思いとどまった職員もいるのです。前回のブログ・メルマガで「個人面談で職員の要望を聞き出し、それに何等かのアクションを取れば、少しは思いとどまる」と言う話をしました。

今回もそれに関連して、過去退職を思いとどまり、今も働いている職員は、何故思いとどまったのか?そこに、何らかの対策があるように思います。

ここに、ある過酷な労働条件の企業で、退職者が日常的に出る事業所があります。

思いとどまった従業員の理由

その事業所で、思いとどまった従業員の理由を聞いてランキングしているデータがあります。

  1. 経営者(幹部)が直接、真摯に自分の為に、説得してくれた(今、辞める事が自分にとってどういうことかを、考えさせられた)
  2. 『家族の了解を得てから、この退職届けをもってこい』と幹部に言われて、家族と相談したら、妻に反対された
  3. 自分が今ここで辞めたら、仲間に迷惑を掛けると思った
  4. 経営者(幹部)から、何回も慰留された(退職願を出す度に、思いとどまるよう懇願された)
  5. 同僚から、思い直すよう説得された
  6. このまま転職しても、良い条件はないと、諦めた
  7. また一から仕事を覚え、人間関係を作るのが億劫だと思った

病院や介護施設にも十分当てはまります。本人が、今退職することは不利だと自分で気付けば問題ありませんが、それ以外に大事なのは、周囲が説得したという事実です。

「決めるのは本人だから、本人が退職を決めた以上、何を言っても仕方ない」と諦めていないことです。

相手も人間ですから、懇願されれば少しは考え直すというものです。確かに皆がみな、この方法で思いとどまることはないでしょう。しかし、少しでも思いとどまってくれれば、それだけ緊急課題が減る訳ですから、一生懸命に説得して欲しいものです。 それと、人は辞める時に「本当の退職理由」は言わないものです。辞めた後も人間関係が続く可能性があるから。

ですから、辞めると決まった後に、「何故、辞めるか本当の理由を教えてくれないか」と愚かな質問をしてはいけません。 それよりも「君が辞めた後、何を改善したらいいと思うか、最後に提案をくれないか」と聞くのです。実は、それが退職理由の遠因かも知れません。

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