看護・介護職の離職を事前に防げ①(個人面談)
何回ともなく、介護職、看護職の離職防止対策を提案しています。しかし、それにしても、「退職の負の連鎖」は多くの病院や施設で起こっています。特に、不甲斐ない管理職のせいで、部下の統制が取れず、現場の職員が辞める事態が後を絶たないのです。今、管理者に何が不足しているのでしょうか?
そして、そういう問題ある管理者がいる病院や施設はどういう労務対策を取るべきか、今回は、具体的に事例を交えて提案します。
先ず、今やらねばならないのは、職員ごとの個人面談
もし、管理者が信用出来ないなら、経営陣自ら入る必要があります。ただし、客観的に見ていないと、組織不信感の原因は経営陣であることも、多いものです。個人面談は、現場の課題と、今その職員がどういう心理状態かを把握することが大きな目的ですが、それともう一つ、大きな機能があります。通常、労働条件以外で人が辞めたくなる時は、眼の前の問題だけでなく、これからもこの問題が続くことへの恐怖感や逃避意識があります。即ち、これから職場環境が少しでも良くなる事実を知れば、少しくらいは我慢ができるものです。
しかし、経営陣や管理者の言葉から、「この組織では、今後もこのつらい状況が続くのか」と確信を持たれると、今のうちに、まだいくらか人がいるうちに(現場を放棄して、患者や利用者には迷惑を掛けたくないから、人が極限状態まで減ったら、逆に辞められるず、益々苦しくなることが分かっている)辞めてしまおうと思うのです。
だから、個人面談を単純にとらえてほしくないのです。改善の方向性も示さないまま、この個人面談をした結果、益々職員の不信感を増やした病院施設は多いものです。私が提案したいのは、この個人面談の第1回目は、コンサルタントやカウンセラー、コーチのように、カウンセリングやコーチングができる第3者が行い、本音を聞き出す方が有効だと言うことです。不満がたまった職員は、その不信感の対象である経営陣や管理職には、なかなか本音を言いません。カウンセリングができる第3者の個人面談なら、最初は距離感があっても、早い段階で信頼感を得て、傾聴による会話で個人の思いを聴きだすことができます。
実は、労働条件(賃金、休日、福利厚生等)以外で「職員が辞める理由の90%は、半径5m以内の人間関係」だと言われています。その多くの原因当事者は、管理職やベテランの個性的な職員だったりするわけです。
個人面談で是非話してほしいのが「これから職場環境やその個人の周囲が良くなる事実と計画」
これが「今後は少しは期待がもてるなら、もう少し頑張ってみようかな」と思う理由です。そういうことを明確に伝えるには、事前にいろいろな方針や具体策を決めなければなりません。
たとえば、
「○か月後のこの部門の数人を配置転換する予定」
「時給を上げて募集するのでパートが補充できるから、3か月位で今より楽になる」
「○○のような問題は把握しているから、3か月以内にこういう手を打つ予定」 等、
職員が具体的に改善のイメージが湧く、方針や具体策を、経営会議や一部の経営幹部と協議し、確定しておくことです。 こういう労務方針はコストが掛かり、「そんな経費の掛かることは簡単に安請け合いできない」と考える経営者は、
「人手不足の品質劣化」
「職員の労基署へのタレこみ」
「トラブル続発での事故や訴訟、補償」
のコストを良く考えねばなりません。今の経営判断は、放置したらよりネガティブな事件事故を引き起こす脅威があると言うことを肝に命ずべきです。それじゃなくても、どこも人手不足と言うことは、引く手数多ということですから、直ぐに再就職が可能なのです。妙な強がりが命とりになり兼ねないのが、昨今の労働市場の環境です。
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