コロナ禍で疲弊する医療福祉の現場の悲鳴

コロナ禍で想像以上に医療介護の現場は疲弊しています。

当社が顧問をしている病院、社会福祉法人でも現場によっては相当な負担が出ています。

そこで今回のコロナ禍が問題なのは「現場の負担増」と「収益」が反比例している事です。

ある病院では今冬の賞与が大幅減を余儀なくされるそうです。

病棟や外来の看護師には「コロナ対応手当」で1日当たり数千円の臨時支給をしていますが、それでも賞与が昨年よりも「大幅に減少」すれば、モチベーションダウンや離職者も増えていくでしょう。

1、離職理由はコロナが原因ではない

確かにコロナ禍での収益減が医療も福祉施設にも影響している事は事実です。

それに伴って賞与減もある程度予想していると思います。

しかし、これは世界的な事であり、この業界を選んだ人間として「受け入れざる得ない状況」な訳です。

恐らく、どこの病院や福祉施設も似たような状況です。

だから「離職するのは今回の賞与減が原因ではない」という事です。

もともとこの組織を辞めたいと思っているところに、コロナ禍が降ってわいて、その対応や体制づくり、環境づくりの経営姿勢や組織のあり方に不満が噴出してしまい、退職届を出すという事です。

もともと事業所経営、職場環境や幹部のマネジメントに不信感があったわけです。

 

2、現場の混乱に拍車をかけるリーダーシップ不在

人が辞めていく、人が入職しない、更に人が辞めていく…

この負のスパイラルの中でリーダー責任者のリーダーシップやマネジメントが更なる負の連鎖を出している所もあります。

リーダー責任者が強いリーダーシップを発揮できず、現場職員の特定の意見を尊重しすぎて、更に現場が混乱しているという事です。

簡単に言うと

「〇〇はできません。ムリです。」

「人を増やしてください。残業や夜勤が増えるばかりです。」

そして、「これ以上の業務過多なら、私には耐えられません。辞めさせていただくかもしれません」

と変な「伝家の宝刀」を抜くスタッフがいるのです。

すると、リーダー責任者は「辞められたら更にチームが崩壊する」と弱気になってしまい、強い指示や依頼をしなくなります。

部下の言い分も分かるだけに、リーダー責任者もツライ立場な訳です。

 

3、経営側からあるべき論の指示が飛び交い、リーダー責任者が壊れる

経営側からは

「こんな状況だから一致団結させるように」

「しっかり現場を管理して」

「インシデントを起こさないように」

とあるべき論の指示が飛び交います。

特に病院ではDrもリスクと過重労働の最前線にいるので、看護師なども表立って批判ができません。

しかし、それが医療の最前線にいない経営管理者や事務の責任者が言うと、「あなたに何が分かるのか」と反発の一つもしたくなるでしょう。

更に悪いことには収益が下がっているので、こういう状況でも「ムダを抑えろ」「コスト下げろ」という指示も出てきます。

これも当然の論理ですが、マネジメントやリーダーシップが難しい現場では、その精神的な負担もかなり大きいものがあります。

そうやって、ムリにムリを重ねればリーダー責任者クラスが崩壊しかねない訳です。

 

4、冬期賞与には一工夫が必要

 収益源により今年冬の賞与はどの医療機関も福祉施設も厳しい支給になると思います。

ただ、コロナ禍という異常事態を現場で経験し、リスクを間近に見ても使命感で何とか乗り越えてきた職員には一工夫に賞与が必要でしょう。

一般的に賞与の計算は「基準月数×全体業績率×個人評価率」などを掛け合わせて試算します。

基準月数は例えば2カ月としても、今回の収益減では全体業績率が100%ではなく、7割とか8割最悪5割というところもあるでしょう。

しかし、コロナ対応の職員(現場で直接患者と接した)には、この計算とは別に「コロナ対応特別手当」として別途数万円を別明細で支給する事も検討していいかも知れません。

他のセクションから「手当も貰っているのに賞与で別途貰えるなんて不公平だ」と陰口をたたく職員がいるかもしれませんが、そこは無視してコロナ負担に若干になりとも答える姿勢は大事だと思います。

こういう姿勢も離職防止に一役買うようです。

 

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