やっぱり受注ができない「なんでも屋」「口だけ」コンサルタントの特徴
SWOT分析、事業再構築、経営小可視化コンサルタントの嶋田です。
最近、私の周りでは「コンサルタント起業」や「コンサルティング分野の拡大」を目指す方々が増えています。
アフターコロナ時代でますますニーズが増えそうですが、現実は甘いものではありません。
巷にはいろいろなコンサルタント起業塾や養成講座の広告が増えていて、どれを勉強すれば「コンサルタント」として食べていけるのか悩む所でしょう。
今回はコンサルタントを目指す方へ言いにくい事とコンサルタント業界の現実について少しだけご紹介します。
1,食えないコンサルタントが陥る「なんでも屋」
「貴方のUSPは何ですか?」
と質問して普通名詞のコンサルティング、研修教育の名前が出るなら、今後は厳しいという事です。
USPとはその人独自のウリです。
「売上拡大コンサルタント」
「利益率向上コンサルタント」
「営業強化コンサルタント」
絞り込んでいるようですが、これはあまりに表面的な事です。
「売上」「利益」「営業」はすべての技術知識と行動・努力の延長線上に生まれる結果です。
そんなざっくりとしたUSPは存在しません。
USPとは「あなたならではの事」「あなただからできる事」「日本の中でもあなたが有数と自負している事」
こう書くと「売上アップコンサルタント」や「利益率アップコンサルタント」「業績向上コンサルタント」などはあり得ません。
また、そんなざっくりとしたコンサルタントはよほどメジャーにならない限り、オファーは来ません。
このように経営の要素や機能、業種をUSPにしている人は多いようですが、貴方の能力を知っている人からしかオファーがきません。
すると、途端にコンサル見込み客が減少して、不安な日々を送るようになります。
そして、もっと難しいなのは「体質改善コンサルタント」「人材育成コンサルタント」「組織づくりコンサルタント」というジャンルです。
まったく「何を解決してくれるのか」分かりません。
人材育成などは、経営のトータルな仕組みや人間関係、性格、経験、タイミング、きっかけなどいろいろな要素の中から生まれるもので、コンサルタントの研修やスポット教育程度で、人材が変わるなんてことはそうそうあるものではありません。
私も知っている限り、この手の表題を出しているコンサルタントは自分オリジナルのメソッドや経験実績が少ないように感じます。
はっきり言って、こんなUSPでは「コンサル受注」はどんどん難しくなっている事を理解すべきです。
2,超絞り込みで刺さるホームページと継続コンテンツがブランディングに直結
USPとは超絞り込みで「特定の経営課題を持つ経営者や幹部」の悩みに直結するコピーライティングをホームページなどに掲載すること。
また課題を絞って「刺さる表現」の継続コンテンツを続けることに尽きます。
ブログやメルマガを見ていても、「その人でしか書けない記事」「その人だからの情報」を継続配信しているとどんどんファンや登録者は増えるが、どこかで聞いたような、ありきたりの一般論を書いていても、正直心は動きません。
何故「刺さる表現」「USPの絞り込み」ができないのでしょうか?
それはコンサルタントが「絞り込むことで受注範囲が狭まる事への恐怖感」があるからです。
もっと言うなら、いろいろなニーズの企業からオファーをとりたいという「欲張りな姿勢」がUSPを出せない原因ともいえます。
要は「あれも欲しい、これも欲しい、だから捨てられない」という事です。
コンサルタント自身のマーケティング戦略が弱いという事です。
私が知っている稼げるコンサルタントは皆、自分のUSPがハッキリしています。
これを言うと
「先生、それは大都市なら絞り込んでもいけるでしょうが、こんな地方ではなんでも屋をしないと仕事が取れません」と。
昔ならそうでした。
しかし、SNSやYouTube、Web情報が氾濫している現代、地方にいようが都会にいようがUSP無くして、ブランディングはあり得ないと思いませんか。
だから私が指導するコンサルタント起業者には徹底してUSPを明確にさせます。
「パーソナルSWOT分析」という手法を通じて。
3,目先の売上と3年後のブランディングを同時に行う
目先のコンサルティング売上がスポット研修やセミナー、少額の経営顧問などで凌ぎますが、同時に3年後のブランディングの為の仕掛けを同時に行います。
「3年後のブランディング」とは、テーマを絞ったコンテンツをコツコツと作り上げて配信し続ける事です。
イメージとしては、
⑴固有情報提供型ブログを書き続ける
⑵同様のものをメルマガで配信し続ける
⑶同様のものをSNSで配信し続ける
⑷同様の内容を動画で解説しYouTubeにアップロードし続ける
⑸適度にたまったテーマを絞ったブログを小冊子や電子書籍にして「無料提供物」にして会員登録を増やす(YouTube登録者数、メルマガ数、フォロワー数)
⑹小冊子や電子書籍からテーマを絞ったコンテンツを出版にする
⑺同じカテゴリーの出版を3年以内に3冊以上出す
実は、これは私(RE-経営)が行っているブランディングストーリーです。
こういう事をコツコツ続けていくと、いろんな所からオファーが来たり、紹介依頼がきたりします。
だから、目先の忙しさだけでなく、3年後のブランディングを同時進行しないといつまでも「貧乏暇なしコンサルタント」にぬかるみから抜け出せないのが、この世界です。
4,知識ノウハウ勉強より、「アウトプット型コンサルティング」スキルを磨く
最近、会計事務所向けのMAS業務の指導でも、コンサルタント向けの指導でも言っている事です。
訳知り顔で専門ノウハウの講釈を垂れても、誰も反応しません。
それよりもっと原点に返って、中小企業の経営者や幹部が一番困っている事で、おカネを出してでも改善したい事は何かをもっと小さく考えてみます。
なんでもいいから今日の面談で経営者が気にしている事を「文字化」して行くことを「アウトプット型コンサルティング」と呼んでいます。
アウトプット型コンサルティングとは、経営者が話したことを眼の前でノートパソコンに「ヒアリングしながら文字入力」していくものです。
「アウトプット型コンサルティング」が活躍する機会には、どんなものがあるか?
- 経営計画書の「収支の根拠対策と担当、期限など」を5W2Hで事前に作成したフレームに沿って文字化
- クロスSWOT分析の「強み」「機会」「積極戦略」を相手から聞きながら、文字入力
- 経営会議の議事録を眼の前で文字入力
- 経営計画書のアクションプラン・モニタリングの結果を「決定事項」として文字入力
- 顧問先の社内のルールや取り決め案を経営者の意見を聞きながら、眼の前で文字入力
- 簡単な必要マニュアル、業務チェックリストの一部を眼の前でヒアリングしながら文字入力
- 規則、規定、契約書、各種書式を眼の前でヒアリングしながら文字入力
- 人事評価項目、職能要件書などの一部を眼の前で文字入力
- 商品パンフやWebのランディングページの素案やストーリーボードを眼の前で文字入力
- 外部向け案内文、文書、送付状などを眼の前で文字入力
- 業務の流れや責任を明確にする業務フローを眼の前で文字入力
- 幹部ごと、社員ごと職務責任や目標設定を眼の前で文字入力
他にもいろいろな場面があります。
こういうものを経営者や後継者の眼の前で、ヒアリングしながら文字入力し、面談後には「アウトプット」があれば、いかがでしょう。
感謝されるし、評価されるのは自明の理です。
上記のフレームだけを用意をして、後聞きながら打ち込むだけです。
もしヒントが必要なら目次程度はググってみれば、いろいろ情報はあります。
5,最低限、会計事務所コンサルティングよりは「具体的なアドバイス」を
今、会計事務所も付加価値としてのコンサルティングアドバイスに力を入れるところも出ています。
まだまだ少数派ですが、会計事務所は経営者との接点が太いだけに、「本気でコンサルティング能力をつける事務所はコンサルにとっても競合相手」です。
私も時々病院のコンサルティング受注で大手会計事務所とコンペで判断されることがあります。
現在のところ勝率は50%ですから、やはり大手の会計事務所は侮れません。
そういう大手会計事務所以外の中規模以下の事務所でのコンサルティングは表面的なものが多いようです。
どこかのツールを使って「コンサルタントです」と言っているし、見せられる実績もあまりないもの。
(相続税とか、会計システム、管理会計、部門損益などの会計事務所の専門分野のコンサルティングは強いのは当たり前)
だから普通の会計事務所コンサルティングより、「リアルで具体的でアウトプット」ができるコンサルティングを目指すべきです。
この「リアルで具体的でアウトプット」のコンサルティングとは、どういうものかをコンサルタントは自分なりに定義し、それに沿ってスキルを磨き、提供物をブラッシュアップするのが元来の姿でしょう。
これから「コンサルタント起業」する人がますます増えます。
中小零細企業数はコロナ以降激減する可能性があるので、コンサルタントは徹底したセグメンテーションで差別化を図るブランディングをすべきです。
もし、そういうノウハウやツールがないなら「SWOT分析」「経営承継の可視化」「事業再構築コンサルティング」は時流に沿ったコンサルティングのノウハウや実績を増やしていくことをおススメします。
まだだいぶ先ですが、「アウトプット型コンサルティング養成の為の限定塾」を秋以降開催しようと徐々に仕込みをしています。
動き出したらご案内します。
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