そのコンサルティングの進め方 待った!

コンサルティング業界もソフトがどんどん進化し、コンサルティング実例も積みあがっています。どことは言いませんが、ある大手コンサルタント会社のコンサルティングの進め方がちょっと危険水域に入っているようです。私は外部の人間ですから、その大手コンサルタント会社がどうなろうが、関係ないのですが、そのコンサルティングの進め方をもって「これがコンサルティングなんだ」と思われる事は、業界として迷惑なので、敢えて書きます。

1、フレームだけを用意して「後はそちらで書いてください」的指導

特に人事評価項目、職能要件書や職務分掌、スキルマップ、マニュアル類などのコンサルティングを受ける場合にありがちな傾向です。フレームと書き方事例だけを説明して、後はクライアントに書かせたモノをほぼ採用。大事な事は、その一つ一つを一緒になってチェックし、コンサルタントが目指す書き方と現場の意見の整合性をとることが大事です。なのに、そこを端折っているのです。

2、受注契約時と最初、最後だけ幹部やベテランがやってくる

特に大手や中堅ではこれが多く、クレームの温床です。契約やプレゼン時にはベテランが来て、話をまとめます。しかし、途中はほとんど「こんな若手で大丈夫か?」と思われるようなスタッフが来ます。そしてベテランや幹部は中間や最後に、ちょこちょこっと来て説明します。

そのベテランや幹部は「大丈夫です。若手ですが報告は受けているので、随時社内で指導していますから」と、言います。でも、現状認識時に時間をしっかり取っていないベテランや幹部の指導はどうしても表面的になりがちです。

3、スケジュール表とゴールがハッキリしないプロジェクト

例えば6ヶ月位のコンサルティングプロジェクトをするとして、数百万も費用が掛かる場合があります。しかし、そのスケジュール表がなんと曖昧なことか。中身によっては、やってみなければ分からない場合もあるし、途中で中身やニーズの変更、仕上げの方向転換もあります。

しかし、あまりにザーッとしたスケジュールで、プロジェクトを進めている大手コンサルタント会社があります。何故、スケジュール表が細かくできないのかといえば、現状認識が曖昧なのと、プロジェクト自体のコンセプトや仮設が分かっていない若手や経験不足のコンサルタントに書かせるからです。

4、昔のコンサルタントの方がレベルが高かった?

何社かの大手コンサルタント会社やそこで活躍したコンサルタントも知っています。昔の方が、コンサルティングスキルが高かったように思います。実践経験のさせ方や学習の仕方が変わったのでしょうか?粗製乱造のコンサルタントが出回っていると、そのうちこの業界への不信感が助長されます。

5、収益重視にならざるを得ないコンサルタント会社

コンサルタント会社も生産性を上げなければなりません。ベテランや幹部コンサルタントが、「現場でのコンサルティング三昧」をしていれば、全体の生産性が上がりません。全体の生産性を上げる為に「飯が食えない経験不足のコンサルタント」の人件費や会社の様々な経費を賄う為に、ベテランや幹部ほど、想像以上に高い目標が課せられます。

すると、ベテランや幹部のコンサルタントの時間比重は受注中心になり、実際のコンサルティング施工は、若手や経験不足のコンサルタントが担うようになります。正直、コンサルタント会社としては痛しかゆしな訳ですね。

私がコンサルタント会社から独立した時、このような不誠実なコンサルティングはしたくないと心に決めて、「生涯現役コンサルタント」として現場で直接指導する事を心に決めました。ただ、コンサルタント会社の幹部として、このような矛盾を抱え、それでも高い生産性を維持している方は、独立しても十分食べていけます。

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