嶋田利広ブログ

コラム

コンサル解約前に起こった兆候

単発プロジェクトや研修なら、最初から契約期間や期限が過ぎれば終わりになります。しかし、顧問契約みたいな「継続契約」は、期限のない契約です。こちらが大きなミスとかしない限り、解約はないはずですが、実際はミスがなくても途中解約は起こっていしまいます。

その大きな原因は「マンネリ」「惰性」だと私は思っています。

提供するコンサルティングや提案する事に、真剣さや新たな気づきを持ち続ければ、クライアントがよほどの業績不振でない限り、「切られる」ことはありません。今回は、「切られる予兆」が出た事例をいくつか紹介します。またまた私の恥公開シリーズです。

1、いつの間にかコンサルタントも出席するはずの役員会が済んでいた

5年位顧問をしていたある企業です。それまでは、次回の役員会の日程を私のスケジュールや社長のスケジュールを調整しながら、2カ月前に決めています。ある時、役員会に参加する為、訪問しました。役員会の時間になっても、社長他役員が会議室に入ってきません。あれ、おかしいなあ、開催時間が遅れるのかな、と思っていた時、社長だけが入ってきました。

私が「他の方はまだですか?役員会ですよね」

と確認すると、社長から「役員会は昨日済ませました。先生には報告してなかったですね」

私「そうですか。〇〇の決定事項の確認をして次の対策を

議論する予定でしたよね。」

社長「ええ、それも検討して答えを出しました」

私「どんな内容になったんですか?」

社長「内容は彼らに任せているので、経緯を見ていきたいと思います」と。

こういう返答の時は、完全にコンサルタントは外されているという事です。その後、6年目になる前に「先生、ちょっと独り立ちをしたいので、しばらく先生のご指導をお休みしたい」と言い渡されました。コンサルタントが入るはずの重要な会議が、コンサルタント不在でも実施されると、解約確率が圧倒的に高くなります。

2、物事が決まらない会議が続く

コンサルタントが入る経営会議では、決定事項を出すことが使命だと考えます。しかし、「小田原評定」のように、議論はするが何も決まらない、決めても実行しない事が続くと、経営者はいら立ちを隠せません。ある企業で、そういう会議がしばらく続きました。ある日、社長から「この経営会議は意味がない。何も決まらない、実行しない、責任も取らない。先生、何とかしないといけないですね」最初は、経営会議改革を依頼されていると思っていました。

しかし、社長がそれを引き金に、私へのコンプレインを言い始めました。「先生が会議の行司をしてくれないと、進みません。私が言いだしたら、役員は黙り込むし、自らこうやるとか、いつまでにやるとか、言わないですよ。やたら沈黙の時間が長い。この会議は無駄です」と。

確かに「独裁傾向の社長」が言い出せば、誰もが黙り込む典型的な会議です。私がどんなにファシリテーションしても、具体的な決定事項の段階で誰も、前向きな意見を言わないのです。そして、社長から「しばらく、自分たちだけで経営会議をしてみます・・・」と。「会議生産性」」を上げられなかったことが、解約の原因でした。

32年間もやっていれば、他にもたくさんの解約経験があります。その経験を次に活かすことが大事ですが、ちょっと油断すると似たような解約が起こるので、本当に要注意です。またの機会にご紹介しましょう。

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