仕事の標準化が進まない理由
あるニュース番組で見た話しです。北欧の企業では、ある社員が急に、「明後日から2週間休みます」と申請してきても、上司も同僚もあたふたしないそうです。それは引継ぎのパターン化ができており、その人が今何を、どうしているか、すべて「見える化」されているので、誰でもリカバーできるということでしょう。今、日本では「働き方改革」が話題の中心にありますが、議論は「残業時間抑制」「時間効率化」などの個人努力に重きが置かれ、仕組みやルールについてはまだまだ追い付いていないようです。
つい先日も日経ビジネスで日本電産の「働き方改革」の記事を読みました。同社の永守社長は、こうおっしゃってました。「欧米の企業をM&Aして分かった事がある。労働時間が日本に比べ極端に少ないのに、利益はしっかり出している。何が違うのか」そこで、一気に「働き方改革」を徹底してやっているそうです。しかも、個人の努力を期待するのではなく、設備を使い、ルールを変え、仕組みを変え、できるいろいろな事にチャレンジしていて、その中で「時短はやればやるほど、奥深い」と言われています。
では、我々の組織はどうでしょう?介護施設でも、障碍者施設でも、業務標準化が進まない所がたくさんあります。今、私がコンサルティングの中心に置いているのが、「仕事標準化で、特定の人材に依存しない仕組みづくり」です。
1、仕事標準化を進めないリーダー責任者
どんな事業所にもマニュアルや手順書はあります。そのパターンに沿って、仕事を進めればいいのですが、いつの間にか「自分流」で手抜きしたり、カタチを変えていった結果、「他の人では分からないような仕事」になっているのです。この「仕事のブラックボックス化」は、諸悪の根源です。これをやると、引継ぎもしにくく、その当事者のリーダーが休んだりすると、たちまちパニックになります。
本人は、「この仕事は私しかできない」と自負があるのでしょう。変な自己顕示欲です。でも、それは「悪い事をしている」という認識がないのです。そんなリーダーは評価されないのですが、その人が辞めてしまうと、困るので、機嫌を取りながら付き合っていますが、本当は「君はダメなリーダーなんだよ」と上司や経営者は言いたい筈です。
2、「仕事標準化」が評価される風土がない
仕事標準化を進めると、見た目はリーダー責任者が楽をしているように見えます。それは良い事です。リーダー責任者が、現場実務を汗水たらして頑張る事が美徳ではありません。しかし、経営陣は、そんな現場で汗水垂らして頑張る姿がないリーダー責任者を、あまり高く評価しない傾向があります。
「あのリーダーは部下に仕事を任せて、自分は何もしていない」と。でも、部下が困ってなく、不満もなければ、それは上手くいっている事です。仕事標準化が進んだリーダーは、他の創造的な仕事ができます。今の多くの病院や施設の評価は、「現場もガンバレ」「管理もガンバレ」「創造的な仕事もガンバレ」「提案もガンバレ」とある意味、個人の限界点に追い込んでいるのかもしれません。だから、リーダーから良く潰れて辞めていく組織は、評価の考え方を変える必要があります。
3、仕事標準化には武器が必要
私もこれまでいろいろな手法を使って、仕事標準化のコンサルティングをしていますが、どんなツールやフレーム、「見える化」メソッドを使っても、なかなか定着しないことがあります。「リーダーの意識不足」「マネジメント知識不足」「ヤル気不足」「覚悟不足」等々
しかし、それでリーダーを責めても何も改善しない。やはり、個人の力量ではなく、具体的な武器を与えるしかないと結論に至りました。先述の日本電産では、残業削減や働き方に必要な投資額が年間1000億円だそうです。その「金額」を使って、精神論ではない具体的な、物理的な手を打っているそうです。では、病院や施設では何をすべきか?私はそれを「動画教育ツール」で解決できないかと考え、コンサルティング先に導入しています。
結果は即効性のあるモノばかりです。仕事の進め方を動画で説明し、それを事前に学習させておく。そうすることでOJTが円滑に進み、指示命令や報連相漏れ、打ち合わせ時間に削減に役立ちます。
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