嶋田利広ブログ

コラム

スキルマップは使えますよ

もう20年近くコンサルをしている印刷会社(年商数十億円)の某工場へ行ってきました。目的は、来期の経営計画を作成するための、ある戦略課題を確定する為です。

ある戦略課題とは、ここは製造部門なので、来期のテーマは、ズバリ「見える化」です。その「見える化」の中でも、コスト競争力を高めるための「多能工化」をすすめています。そこで、「多能工化を進めるための、作業技能別のスキルマップ」の作成をしているのです。「スキルマップ」とは、田の字を4枠を全部塗りつぶせば、「模範的」「指導までできる」と判断され、仮に1枠しか塗られないなら「半人前」「教えればできる」などと判断されるものです。

この作成方法は、

  • まず、各部門の作業工程を細かく出して、「技能格差」がでそうな作業内容を抽出します。
  • 作業工程は少なくても、技能格差が出そうな、作業内容は結構細かいものがあります。例えば、経験に基づいた判断が必要な場面は、その表現を細かく記述します。すると、一工程でも数個から数十個というケースも出てきます。結構気の長い作業です。
  • 次に、その詳しく書いた作業名をエクセルを使って横のセルに書いていき、縦軸のセルに社員の名前と経験年数、等級等を書いていきます。
  • 作業名と社員名のクロスするところが田の字の塗りつぶす箇所です。
  • そこに、1作業ごと、個人ごとに田の字が0/4、1/4、2/4、3/4、4/4のいずれかで塗りつぶされます。
  • そして、エクセルの右側には、個人ごとの年間教育予定(スキルを上げる為のOJTやOffjt、自己学習等)の予定と担当が書かれます。

これは、単にスキルマップを塗る作業ではなく、どういう教育をこの1年間、6か月間で行うかを詳細に決め、社員にも説明するためのものです。そして、あるスキルが例えば、何月かの評価で1/4から2/4へ上がったと判断されれば、皆の前で1枠を塗りつぶしていくのです。これって、社員もモチベーションアップや目標にもなるし、上司も教育がしやすくなります。また、レベルの低い部門や組織であれば、その過程で職務マニュアルにも転用できるので、一石二鳥にもなります。みなさんも、難しく考えず、それくらいのレベルからスタートしたら良いと思います。

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